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新しい世紀への過渡期に生まれたZ世代や、それに続くα世代とよばれる若者が世の中を支えて行くこれからの時代、産業構造を含む社会全体が大きく変わるであろうことは容易に想像できます。しかし一方で、いつ、何が、どのように変化するのかは、誰にも全く予想できません。確実に言えることは、それらの変化を牽引する人材が、このZ世代、α世代の中から現れるということです。さらに、そういった人材の中から世界規模で変革をもたらす真のグローバルリーダーが一人でも多く生まれることが、次の時代の発展や人々の幸福を実現するために必要不可欠です。
完全ディジタルネイティブなこの世代は、手で触ることができる「モノ」はあくまでも道具や手段であって、その先にある「こと」への欲求こそが人間の行動を決定する、と言うことを肌感覚として知っています。また、特定の分野に特化した思考だけでなく、現実や非現実をも俯瞰するメタ思考に対してもアレルギーがなく、それより前の世代とは全く異なる感性を持っています。そういった世代の中から大学院博士後期課程(博士課程)に進学する学生は、まさに新しい時代のリーダーたるべき貴重な人材です。しかし一方で、研究に特化した思考のみを続け、先鋭化した知の獲得に傾斜していくことで、世の中を俯瞰して課題を見いだし、それを、いつ、どのように変えていくべきかといった、特定の学問領域には収まらない学際的思考からは遠ざかってしまうことが懸念されます。その結果、自然に備えていたはずのメタ的感性を薄弱にし、前の世紀と同じような考え方に陥ることで、リーダーとしての素養の醸成に支障を来す可能性が生じます。
「システム発想型学際科学リーダー養成プログラム(SiMS)」は、高い専門知識と研究推進能力を有することはもとより、「学際」的な視点で多様な学問や産業の領域を俯瞰的にとらえて課題を抽出し、科学的、技術的、社会的要素からシステム思考によって課題の解決に向けた「こと」をデザインできる「システム発想型学際科学リーダー」の養成を目的とします。そのために、本学の総合大学としての学問領域の多様性、公立大学としての地域に根ざした取り組み、ならびに世界レベルでの教育研究活動、という特性を最大限に活用し、加えて大学教員以外の人材による指導やメンタリングを取り入れた産官学共創教育を実践することで、「基礎から実用展開への生きたリンク」を構築でき、産業界で活躍できるグローバルリーダーの養成を目指します。
リーディングプログラムは、最高学府に相応しい大学院の形成を推進する目的で日本学術振興会(JSPS)によって設けられた事業で、本学のプログラムは平成25年度に大阪府立大学、大阪市立大学の共同プログラムとして同事業に採択されたものです。以降7年の間JSPSより助成を受け、その後は両大学共同の、さらには大阪公立大学の独自プログラムとして継続し、これまでに多くの修了生を主に産業界に輩出して参りました。
専門的な研究能力に磨きをかけることはもちろん、同時に広い視野を持ち、研究成果を産業的イノベーションへと導くことができるグローバルリーダーとして活躍したい、SiMSはそんな学生の皆さんのための産学共同リーダー養成プログラムです。個々の学術領域での研究活動と並行して、産業界出身メンターによる個別指導のもと、多様な専門分野の仲間との切磋琢磨や各界のリーダーとの議論を通して、学際的、俯瞰的思考力を獲得し、産業界で活躍する高度博士人材、すなわち真のグローバルリーダーへの道をぜひ切り拓いてください。
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