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2022年4月14日

  • 研究

『COVID-19流行下の外出自粛が肥満患者の減量と運動耐容能にもたらす影響』に関する論文がJournal of Physical Activity and Healthに掲載されました。

COVID-19流行に伴い、世界各国で外出自粛が求められるようになりました。これまでに、一般市民を対象とした調査研究では、外出自粛により体重が増加したことや身体活動量が減少したことなどが報告されていました。しかしながら、肥満治療中の患者における外出自粛の影響は明らかになっていませんでした。今回我々は、COVID-19が流行する前に肥満外来に通院していた患者(非外出自粛群)とCOVID-19が流行し始めた時期以降に通院していた肥満患者(外出自粛群)のデータを比較することで、外出自粛の影響を検証しました。その結果、両群間で肥満外来の減量プログラムによる減量効果には差はないものの、外出自粛群では身体活動量の増加率が非外出自粛群と比べて有意に低く、運動耐容能(酸素消費量)の増加率も有意に低い結果となりました。このことは、COVID-19流行下での肥満治療における運動療法上の課題を見つけることに役立つ可能性があります。今回の調査では食事・栄養素摂取状況や心理面のデータを解析できていないため、これらの因子を併せた解析も今後必要であると考えます。

【著者】
Yoshinari MatsumotoSatoshi KuroseTakumi MiyauchiSawako YoshiuchiDaiki Habu, and Yutaka Kimura
【論文タイトル】
Effect of mobility restrictions during the coronavirus disease epidemic on body composition and exercise tolerance

in patients with obesity: single institutional retrospective cohort study

【掲載雑誌】

Journal of Physical Activity and Health

【論文へのリンク】 

DOI: https://doi.org/10.1123/jpah.2021-0649