所長メッセージ

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所長:工学研究科 教授 川又修一

近年、学校の教育現場において、小学生の時に理科好きだった子どもたちが、中学生になると大幅に減少することが報告されています。中学校で理科クラブが減少しているのも、こういった中学生の理科離れが背景にあるものと思われます。

こうしたことから、将来の科学人材を育成するには中学生の段階で科学の本当の面白さを実感させることで、新たな発見に関心を抱き、何が真実かを確かめようとする科学への探求心を高めることが何よりも重要であると考えられます。

本学の「未来の博士育成ラボラトリー」は中学生を対象とした科学教育事業です。
活動開始当初から堺市教育委員会・堺市教育センターと連携し、堺市が運営する理科・科学実験活動組織「堺サイエンスクラブ」の修了生や堺市学校理科展覧会優秀賞受賞者より、募集・選抜して理数系に関心が高い中学生を受け入れるスキームを構築しています。2024年度からは、大阪市立科学館が運営する「ジュニア科学クラブ」で実験活動に取り組んだ小学6年生の修了生も募集対象に加え、受講生受入対象の広域化を図っています。

本事業では、本学理系教員が開発した高度で多様な年間プログラムを実施し、「自ら手を動かし自ら考え」「広い視野から探求し」「高度な課題に挑戦し」「発見した成果を分かりやすく伝えられる」科学リテラシーの育成・伸長と探求心の向上を図ります。同時に、科学者に必要な資質も育むことによって、将来、科学分野においてリーダーシップがとれる人材を育成します。

今後もこうした基本理念のもと、総合公立大学である本学が強みとする「総合知」を基盤にしたより多様なSTEAMプログラムを提供することで、様々な社会課題を科学技術イノベーションで解決し、持続可能な未来社会を築いていく次世代の科学人材育成に取り組んでまいります。