副専攻 Submajor Course

人権副専攻(HR副専攻)は、人権(Human Rights)をキーワードに、国際人権基準について深く学び、多様な人々と互いを尊重しながら協力・協働できるリーダーの育成を目指す教育プログラムです。講義と参加型ワークショップを組み合わせ、「気づき」と「知識」の両面から理解を深め、人権に対する現代社会のバックラッシュや新しいレイシズム等の現象を取り上げ議論していきます。

HR(人権)副専攻紹介動画はこちら(YouTube)またはこちら(SharePoint)

※2020年度の履修生がプレゼンテーションを作成してくれました。ぜひご覧ください。

シャンプーの仕方を知らないまま、大人になるかもしれません

みなさんは、シャンプーの仕方をどこで教えてもらったでしょうか? 学校ではありませんよね。家庭で教わるのが当たり前。 けれど、その当たり前は、すべての子どもにあるとは限らないのです。

これは、生活保護を受給する若い男性の話です。彼は仕事に就こうとするも、なかなか職が見つかりません。その原因の1つは、彼を見てすぐに分かりました。髪の毛がいつもべたべたしていて、いかにも洗っていない、という感じ。 しかし、彼は毎日、シャンプーを使っていました。けれど、ただつけて流すだけ。 こする、ということをしていなかったために、きちんと洗えていませんでした。

子どものときの経験の不足が、大人になってからの貧困につながることがあります。 その大人の子どもが、また、貧困に陥るという連鎖です。 貧困だからといって、決して怠けているわけではありません。 例えば、ひとり親家庭。その多くは母子家庭です。母子家庭の母親の8割以上が就労しており、これは世界的に見ても高い割合ですが、ひとり親家庭の50.8%が貧困(厚生労働省「国民生活基礎調査」2016年)。 日本の制度に、問題があると言わざるを得ません。それでも今、目の前にいる子どもに、何もしないわけにはいかない。

家で作ってもらったご飯を食べる、塾に行く、部活動をする、キャンプに行く、進学する、将来の夢を持つ、自分の話を聴いてもらう…。 そんな、誰かにとっての当たり前を、さまざまな理由で、経験できない子どもたちのために。 その経験を、何とか補おうと活動している団体が、たくさんあります。

私たちが実際に見学させていただいた団体の1つでは、子どもに手作りの食事を提供するほか、子どもの話を聴いたり、勉強を教えたりしています。 親が働きに出ているため、家では1人で過ごす時間が長い子どもたちにとって、この活動が居場所をつくってくれています。 また、家庭が孤立していることも多く、この団体とつながることで、家庭がSOSを出せる、という意味もあります。 人手や資金が集まれば、この活動を維持していくことや、活動回数を増やすことが、可能になるかもしれません。

支援へのかかわり方はさまざまです。「ボランティアならできる」「お金なら出せる」「政策を変えたい」「問題を友達や誰かとシェアすることならできる」あなたなりの一歩を、ぜひ踏み出してみてください。

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※スマートフォンでご覧になるには Prezi Viewer をお試しください。
編集後記
副専攻0期生 商学部N.D

人権に興味津々な学生は少ないと思います。私は皆さんよりもう少しだけ人権について学んだかもしれませんが、正直に言うと、私もどちらかといえば残りの(津々ではない)大部分に属しています。だからこそ、その視点から、大多数の人が気軽に社会のはざまに目を向けられるようにするにはどうすればよいかなと考え、目新しい、動くチャートを作ってみました。ちょっとした暇つぶしに遊び感覚で楽しんでいただけると幸いです。それが第一歩!友達にこのチャートを勧めてくださったら第二歩!!

副専攻0期生 生活科学部A.O

昨年からの演習を通して、人権について深く考える経験ができたと感じている。文献を読んで、自分が疑問に思ったことやさらに調べたいことをゼミで発表すると、新たな文献を先生方に紹介してもらうほか、他学部の学生の意見を聴くことができた。昨年の後期の演習においては、「大学進学」をテーマに研究を行ったが、生活保護世帯の子どもが進学を考えるとどのようなことが起きるのかを文献で調べたり、他学部の学生に対して生活保護のしくみについて説明したりことで、自分の理解も深まったように思われる。自分が関心を持ったテーマについてさらに情報を集めながら、自分では気づかなかった視点を他学部の学生から得る機会になったと思う。 また、当事者の方からお話をお聴きするほか、支援の場を見学させていただくことで、人権問題を身近なこととして捉えることができた。それが、今回の演習における情報発信によって、少しでも多くの人に人権問題に関心を持ってもらいたいという思いを持つことにつながったように思う。とくに印象に残っているのは、外国にルーツのある子どもについてのお話をお聴きしたことである。当初は、外国にルーツのある子どもの困り事について、言葉の課題ぐらいしか思いつかなかった。しかし、お話を聴くと、友だちに好きな食べ物(外国の、あまり有名ではない料理)を言えなかったり、日本語が苦手なお母さんとの関係が悪化したりといった困り事が分かり、日常生活の様々な場面で支援が求められていることに気づいた。

今回の演習で、支援をしている団体について調べてみると、思ったよりもかなり多くの団体が、自分の身近な場所でも支援を行っていることが分かり、その数の多さに驚いた。このように調べてみない限り、団体について知る機会はないと思われるため、今回作成したチャートによって、支援団体とつながるきっかけを提供することができればうれしい。

副専攻科目

科目名 単位数 前・後期 曜日 時限
人権問題研究演習1a 2単位 前期 集中 -
人権問題研究演習1b 2単位 後期 集中 -
人権問題研究演習2 2単位 前期 集中 -

※その他の人権関係科目については こちらの講義科目一覧 をご覧ください。