動物社会学研究会のご案内
2026年1月13日
- 研究会(2025年度)
第9回 大阪公立大学 動物社会学研究会のお知らせ
第9回 大阪公立大学 動物社会学研究会は以下の内容で開催いたします。
外部の方もオンラインから参加可能です。皆様のご参加をお待ちしております。
開催概要
日時: 2026年1月17日(土) 13:00-16:00
(発表および質疑応答の進行に応じて前後する場合がございます)
場所: 大阪公立大学 理学部E棟108会議室
(外部の方はオンラインにて参加いただけます。お手数ですが、詳細はこちらの共通連絡先へお尋ねください)
発表内容
日本の島嶼と本土の間における鳥類の外部形態の変異 山本 莉子(M1)
島嶼部に生息する動物では、形態学的、行動学的、人口統計学的、生活史上の変化が確認されており、それが分類群内で広く共通して起こるというアイランドシンドローム仮説(IS仮説)が立てられている。鳥類に見られるIS仮説に即した変化としては、体サイズ・嘴サイズの中間サイズへの収束などが指摘されており、これを生み出す要因として様々な島嶼環境が検討されてきた。しかし、IS仮説的変化が見られる条件やIS仮説そのものへの理解が不足しているのが現状である。日本列島は由来の異なる複数の島嶼群から成るため、環境の異なる島嶼間での進化パターンの比較には適した環境である。そこで本研究では、日本本土と島嶼の双方に生息する鳥類について仮剥製の外部形態を計測し、地域間で比較した。島嶼としては伊豆諸島を中心に日本の島嶼を広く調査対象とした。対象種としては、仮剥製が十分量確保できる普通種10種を選定した。計測箇所は跗蹠、嘴峰、嘴高、嘴幅の4か所である。跗蹠長を体サイズの指標として、嘴の計測値から計算した嘴の表面積を嘴サイズの指標として用い、種ごとに地域差を比較した。その結果、種ごと、地域ごとに異なる外部形態の変化の様相が見られ、一概に島嶼で共通した変化が起こるわけではないことがわかった。本発表会では現段階得られている鳥類の外部形態のデータから、日本の本土・島嶼部における鳥類の外部形態の変異とそれに影響を及ぼす要因について議論したい。
ホンソメワケベラは自己概念をもつか? 山川 莉々葉(M1)
概念とは、物事を抽象化した心的表象であり、ヒトでは主に言語によって表される。言語をもたない動物は概念をもたないと長年考えられてきたが、見本合わせ課題や期待違反法などを利用し、主に哺乳類や鳥類で概念をもつことが示唆されてきた。しかし、これらの方法では行動が刺激般化で生じた可能性を否定できない。この問題の解決には、動物がある物事を異なる物事だと認識した上で、抽象的には同じ物事であると認識することを証明する必要がある。本研究では、鏡像自己認知(MSR)・写真自己認知できるホンソメワケベラ(ホンソメ)が、自分の中に自分のイメージである自己概念をもつことの検証を目的に実験を行った。
MSRできたホンソメは、自分の体に寄生虫に似たマークが付いていると、擦り落とそうとする。これを利用し、MSRできた個体に1) 喉にマークを描いた写真と鏡、2) ホンソメ自身にマークをつけ、マークのない写真と鏡をそれぞれ2時間提示した。もし、ホンソメが自己概念を構築しているなら、1) では写真を現在の自分ではないと認識し、写真のマークを見ても鏡にマークが映らないなら喉を擦らない、2) では現在の自分を鏡で確認し、写真にマークがなくても喉を擦る、と予想される。さらに、どちらの写真も自分と認識するなら、両実験ともに鏡や写真へ攻撃はしないと予想される。実験の結果、例数は少ないが、2) でのみ喉を擦り、かつ鏡にも写真にも攻撃しなかった。つまり、鏡を現在の自分の姿、写真を自分の象徴と認識しており、ホンソメが自己概念を持つことを示唆する。
過去の研究会の発表者と発表要旨
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連絡先
森(研究会渉外担当) sq25261i★st.omu.ac.jp