動物社会学研究会のご案内

2026年1月20日

  • 研究会(2025年度)

第10回 大阪公立大学 動物社会学研究会

第10回 大阪公立大学 動物社会学研究会は以下の内容で開催いたします。

外部の方もオンラインから参加可能です。皆様のご参加をお待ちしております。

開催概要

日時: 2026年1月24日(土) 13:00-16:00
(発表および質疑応答の進行に応じて前後する場合がございます)

場所: 大阪公立大学 理学部E棟108会議室
(外部の方はオンラインにて参加いただけます。お手数ですが、詳細はこちらの共通連絡先へお尋ねください)

発表内容

タンガニイカ湖産シクリッドNeolamprologus savoryiの親は稚魚の闘争を仲裁しているのか 森 勇人(M1)

 親子間対立とは、子育てを行う動物において、親子間で自身の適応度を最大化する戦略の不一致から起こる進化的対立である。子は親の給餌や自身のなわばりを巡ってきょうだい間で闘争し、時にはきょうだい殺しに発展する。このようなきょうだい殺しが親の適応度を減少させる場合、親は闘争を仲裁し、子の死を防ごうとすると予想される。親子間対立については、鳥類や哺乳類を中心に理論的な説明が盛んに行われてきた。しかし、親による仲裁行動は、子育ての特定の時期にのみ起こり、観察できる確率が低いため、野外での報告例は限られている。近年、魚類でもきょうだい間で闘争が起こり、親が闘争を止めるような行動が観察されているが、これまで親が子の仲裁行動をとることを検証した研究例はない。私たちは、タンガニイカ湖に生息する協同繁殖魚サボリ(Neolamprologus savoryi)の稚魚が闘争することや、親が仲裁するような行動を示すことを発見した。これまでの研究から、稚魚の闘争は致死的なもので、餌の入手可能性と稚魚の個体数が稚魚の闘争に影響を与えることが明らかになった。そこで、親が実際に稚魚の闘争時に仲裁行動をするのかどうか、また、親のこの行動が稚魚の生存率に影響を与えるのかを実験により検証した。研究会では、稚魚の闘争について新たに判明した観察結果と仲裁の行動を制限する実験から親の行動が仲裁として機能しているのかを議論する。

西表島のエビ-ハゼ11種の共生者間のつながりの強さと食性の関係の解明に向けて:採集方法の確立と行動解析 森 日名子(M1) 

 相利共生とは、同所的に生息する異なる生物種が互いに利益を得る種間関係である。海産動物のテッポウエビとハゼの共生は、長年エビの隠れ家提供とハゼによる警戒維持されると考えられてきたが、近年お互いに餌を与え合う「相互給餌」の重要性が示された。つまり、エビは巣外の砂を掘り起こしてハゼにベントスを与え、ハゼは自らの糞をエビに提供る。また、環境中の餌量によって共生者間のつながりの強さが異なる「餌量仮説」も提唱されており、餌が少ない環境ほど協力関係が強まる傾向が示唆されている。しかし、これまでは対象の採集が困難であったため、食性に関する直接的な証拠がなかった。また、これまでの採集方法では、技術と忍耐が必要であり、個人の技量と経験に頼らざるを得なかった。そこで、まず、沖縄県西表島で複数の採集方法を試すことで、効率的に採集する方法を模索した。試行錯誤の結果、既存の方法に一工夫加えるだけで、採集効率が格段に上がったので、次に、エビ-ハゼペアを西表島のサンゴ礁域から泥場まで餌環境の異なる3地点でビデオによる行動観察し、その個体の採集とその地点での環境調査を行った。2025年の調査では、テッポウエビ8種、ハゼ11種のデータセットを揃えることができた。本研究会では、水中映像による行動解析で、シグナル送受や摂餌活動、溝掘り頻度などの「つながりの強さ」を定量化の結果を中心に話をする。最終的には、食性のメタゲノム解析と安定同位体分析により、「つながりが強いペアほど食性や同位体比が一致する」という仮説検証を目指す。

過去の研究会の発表者と発表要旨

過去の研究会の発表者と発表要旨はこちらからご覧下さい。

連絡先

森(研究会渉外担当) sq25261i★st.omu.ac.jp


★を@マークに変えて送信してください。