動物社会学研究会のご案内
2026年1月27日
- 研究会(2025年度)
第12回 大阪公立大学 動物社会学研究会
第12回 大阪公立大学 動物社会学研究会は以下の内容で開催いたします。
外部の方もオンラインから参加可能です。皆様のご参加をお待ちしております。
開催概要
日時: 2026年1月31日(土) 13:00-16:00
(発表および質疑応答の進行に応じて前後する場合がございます)
場所: 大阪公立大学 理学部E棟108会議室
(外部の方はオンラインにて参加いただけます。お手数ですが、詳細はこちらの共通連絡先へお尋ねください)
発表内容
八重山諸島における貯食散布型樹木と動物との相互作用の解明 仲摩 駿佑(M1)
種子散布は樹木個体群が孤立せず継続的に更新されるための不可欠なプロセスである。特に動物による種子運搬は、親木近傍で生じやすい密度依存的死亡を回避し、種子を離れた地点へ到達させることで個体群を維持させ、森林構造や多様性の維持に大きく寄与すると考えられている。一部の齧歯類や鳥類による貯食散布は、大型堅果を持つ樹木に多く見られる。しかし島嶼環境では典型的な貯食散布者が欠如している場合がある。こうした環境でも貯食散布型樹種が残存していることは謎であり、これを解くことは生態学的に重要である。
本研究は、貯食散布者が著しく制限されている八重山諸島においてエゴノキ(Styrax japonicus)とオキナワジイ(Castanopsis sieboldii subsp. lutchuensis)を対象樹種として、種子散布を担う動物とその行動様式を明らかにすることを目的とした。樹上および林床に自動撮影カメラを設置し、種子に対する動物の接触、持ち去りを記録した。エゴノキを対象とした調査の結果、樹上で14種、林床で25種の鳥類・哺乳類が観察され、そのうち樹上では4種、林床では7種による種子の接触が記録された。種子の持ち去りは主にオリイヤマガラによって担われていたが、これが観察された地域は限られていた。他の鳥類は主として種子捕食者として行動するものの、資源条件や行動状況によっては種子の運搬を行う可能性も示唆された。以上の結果から、島嶼環境における貯食型散布樹種の種子散布について議論する。
一夫一妻制両親口内哺育シクリッドXenotilapia spilopterusの生態: ペアの行動観察から分かったこと 神戸 宏太(M1)
子の保護は、様々な動物分類群で異なる制約のもとで進化してきた。魚類の多くは子の保護を行わないが、タンガニイカ湖に生息するシクリッドでは、稚魚が大きくなるまで親が子の保護を行う。シクリッドの子の保護様式や保護者の性、配偶システムは、脊椎動物の中でも最も多様化しており、これらの関係や進化を調べる上で優れたモデルとなっている。シクリッド種の約半数は口内哺育を行う。口内哺育は保護能力が高く、片親のみで保護が可能なため、他の魚類を含め、多くの種では一方の性のみが保護を行う。しかし、両親で口内哺育を行う種も存在する。特にXenotilapia種群の一部では、メス親の口内哺育後、オス親が口内哺育を行う種が知られている。この保護様式では、オスが新たな配偶機会を犠牲にして子育てを行うため、雌雄の協力関係を議論する上で興味深い。しかし、これらの種の生態的知見は乏しく、両親が口内哺育を行う利益と制約については十分理解されていない。そこでタンガニイカ湖で潜水調査を実施し、Xenotilapia spilopterusの生態情報を取得し、さらに非繫殖時におけるなわばり内の同種提示実験を行った。その結果、本種は繁殖期以外でもつがい関係を維持しており、挨拶行動や協力してなわばりを防衛する行動から、雌雄間に強い絆があることが明らかになった。本研究会では、両親による口内保育の謎について、本種の基本的な生態情報や非繫殖時のなわばり防衛における雌雄の役割に注目し、協力関係の背景にある雌雄の絆について議論する。
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連絡先
森(研究会渉外担当) sq25261i★st.omu.ac.jp