動物社会学研究会のご案内

2026年2月20日

  • 研究会(2025年度)

第15回 大阪公立大学 動物社会学研究会のお知らせ

第15回 大阪公立大学 動物社会学研究会は以下の内容で開催いたします。

外部の方もオンラインから参加可能です。皆様のご参加をお待ちしております。

開催概要

日時: 2026年2月21日(土) 13:00-16:00
(発表および質疑応答の進行に応じて前後する場合がございます)

場所: 大阪公立大学 理学部E棟108会議室
(外部の方はオンラインにて参加いただけます。お手数ですが、詳細はこちらの共通連絡先へお尋ねください)

発表内容

共生研究のモデル:エビーハゼ共生のこれまでとこれから 安房田智司(教授)

 動物社会学研究室でのエビーハゼ共生研究は2016年に始まった。テッポウエビとハゼの共生関係は、長年にわたって、ハゼによるエビの捕食者への警戒と、エビによるハゼへの巣穴の提供から成る相利共生であると考えられてきた。しかし、本研究室の10年にわたる研究で、エビの糞食仮説、エビとハゼの相互給餌仮説、エビとハゼのつながりを説明する餌量仮説などの仮説を提唱し、従来の通説とは一致しない、もしくは異なる解釈を与えるべきだと考えられる実証研究の結果を得た。また、エビとハゼの共生関係は、想像以上に複雑かつ巧妙な相互扶助によって維持されていることも分かり、この共生関係の維持機構の理解には、「魚類や無脊椎動物も高度な認知能力を持つ」という認知進化生態学の観点が必要不可欠であることも分かってきた。本研究会では、この10年間で得られてきた成果を、先人の研究成果、発表者の発想や思い込みなども含めて紹介する。さらに、間違いなく海産動物の共生研究のモデルと考えられるエビーハゼ研究の今後の展開と面白さについて共有したいと思う。

死んだふりを科学にするまで 宮竹貴久(岡山大学)

 ヒトを含めて多くの動物はなぜ死んだふりをするのでしょうか? 死んだふりについて初めて科学的な考察を与えたのはダーウィンですが、昆虫記を書いたファーブルは甲虫の死んだふりを観察し、これを神経的に陥る仮死状態だとしました。その後、この行動の適応的な意義についてほとんど注目されない時代が続きました。

 私は昆虫がどんなときに、なぜ死んだふりをするのかについて30年近く調べてきました。はじめはアリモドキゾウムシという甲虫を材料として死んだふり行動を観察しました。次にアズキゾウムシ、そしてモデル生物のコクヌストモドキ(いずれも甲虫)を使って死にまね持続時間の長短を育種し、どんなに刺激しても死にまねしない集団と少しの刺激で瞬時に死にまねする集団を確立しました。これらの集団と捕食者を使って死んだふりが生存上有利なことを十分なデータで検証しました。その結果、集団で生活するこの甲虫では、捕食者がハエトリグモの場合、死んだふりをする個体は自分が死んだふりをすることで、隣にいる動く個体を犠牲にして生きのびる戦略だと言えます。その後、死んだふりの持続時間について、適応的意義や野外における動態などの研究が世界的に展開されました。一方、私たちはさらに、育種によって確立した系統を用いて死んだふり持続時間と遺伝的にリンクする形質を探索し、その分子レベル解析と行動の適応を繋ぐ研究も行いました。セミナーでは、死んだふりの行動観察に始まり、「死にまねシンドローム」と名付けたドーパミンを主軸とした多面発現モデルの提唱に至るまでの過程についてお話し、死んだふり行動を科学の土俵に載せた経緯についてお話しします。

過去の研究会の発表者と発表要旨

過去の研究会の発表者と発表要旨はこちらからご覧下さい。

連絡先

森(研究会渉外担当) sq25261i★st.omu.ac.jp


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