動物社会学研究会のご案内

2023年1月9日

  • 研究会(2022年度)

第6回 大阪公立大学 動物社会学研究会のお知らせ

第6回 大阪公立大学 動物社会学研究会は以下の内容で開催いたします。

外部の方もオンラインから参加可能です。皆様のご参加をお待ちしております。

開催概要

日時: 2023年1月14日(土) 13:00-16:00
(発表および質疑応答の進行に応じて前後する場合がございます)

場所: 大阪公立大学 理学部E棟1階会議室(E108)
(外部の方はオンラインにて参加いただけます。お手数ですが、詳細はこちらの共通連絡先へお尋ねください)

発表内容

魚類は仮説を検証するのか?ホンソメワケベラの鏡像自己認知から 大田 遼(M1)

 鏡像自己認知とは、鏡に映った自分の像を自分であると認識することである。ホンソメワケベラもこの能力をもつ。鏡像自己認知ができる動物は、はじめて鏡を見た後共通して不自然な行動を鏡の前で繰り返し行うことが知られている。この不自然な行動は随伴性の確認行動と呼ばれており、鏡像と自分が同じ動きをするのかを確かめており、これを通して最終的に鏡像は自分だと認識するのだと考えられている。動物が鏡像と自分の動きの随伴性を確かめるためにこの行動をするのであれば、動物は「鏡像は自分である」かもしれないと考え、それを確かめるためにわざと不自然な行動をとるのだと考えることができる。すなわち、これは、「鏡像は自分だ」との仮説を立ててそれを検証していると見なすことができる。しかし、動物の仮説検証の可能性についての実証的研究例はこれまでない。ホンソメワケベラの随伴性の確認行動は、鏡に沿ってダッシュする、鏡の前で体をくねらせて泳ぐなど、ある程度の大きさの鏡を必要とする。そこで本研究では、本魚種に小さい鏡を提示し、その後の行動を観察することで、鏡の前でなされる本種の仮説検証の可能性について考察する。小さな鏡に映る自己鏡像に気がついた個体は、この鏡の前で確認行動を試みると予測される。しかし鏡が小さいため十分な検証ができないこと、このためこの鏡では自己鏡像を十分な時間見せても鏡像自己認知ができず、自分ではなく他個体であると認識することが予測される。

アユは相手の顔を見て個体識別している? ~モデル提示による検証~ 林 耕太(M1)

 縄張りを形成する動物にとって、他個体との闘争はケガのリスクやエネルギーの浪費といったコストとなる。そのため、戦うべき相手を個体識別し、不必要な闘争を減らすことは、縄張りを維持するうえで重要である。動物が他個体を識別する際には、化学、音声、視覚刺激を手がかりにすることが知られる。とりわけ、顔の模様は個体識別に重要な視覚刺激と考えられている。本研究室の先行研究から、魚類においては、顔(口吻から鰓蓋の後ろまで)の模様を用いて他個体を識別していることが明らかになっている。アユは、生活史の大部分を河川の中流域で過ごし、餌となる川底の藻類の防衛のために摂餌縄張りを形成することで非常に有名である。それにもかかわらず、これまでアユの縄張り関係維持の仕組みを検証した研究はほとんどなかった。しかし、我々の先行研究から、隣接縄張り個体と未知個体を識別すること(Dear Enemy 関係の形成)により、縄張り関係を維持することが示唆された。一方、アユが何を手がかりに他個体を識別しているのかは、不明である。本研究ではアユが、相手の顔を見て他個体を識別しているとの仮説を立て、水槽実験により検証した。実験では、Dear Enemy 関係を形成させたのち、実験個体に、「隣接個体」、「未知個体」、「顔が隣接個体/体が未知個体」、「顔が隣接個体/体が未知個体」の4種類の画像モデルを提示し、モデルに対する攻撃行動を観察した。もし、顔の模様により個体識別しているのであれば、顔が既知個体のモデルに比べて、未知個体のモデルに対してより攻撃行動を示すはずである。本研究会ではこれらの研究成果を報告し、議論する

次回の研究会

次回研究会は1月21日(土) 13:00より、以下の内容で開催予定です。詳細及び要旨は1月16日に公開いたします。

研究されて1世紀、実は全然分かっていない?メダカの生態
近藤 湧生(特任)

鏡像自己認知能力から見直す自己意識・自己概念・自覚
十川 俊平(研究員)

連絡先

安藤(研究会渉外担当) a19se001★st.osaka-cu.ac.jp
★を@マークに変えて送信してください。