動物社会学研究会のご案内

2023年2月22日

  • 研究会(2022年度)

第11回 大阪公立大学 動物社会学研究会のお知らせ

第11回 大阪公立大学 動物社会学研究会は以下の内容で開催いたします。

外部の方もオンラインから参加可能です。皆様のご参加をお待ちしております。

開催概要

日時: 2023年2月25日(土) 13:00-16:00
(発表および質疑応答の進行に応じて前後する場合がございます)

場所: 大阪公立大学 理学部E棟1階会議室(E108)
(外部の方はオンラインにて参加いただけます。お手数ですが、詳細はこちらの共通連絡先へお尋ねください)

発表内容

ホンソメの自己認識研究がもたらす動物の行動 ~認知研究の夜明け~  幸田 正典(特任)

 ホンソメワケベラ(ホンソメ)は鏡像自己認知(MSR)ができることは既に報告されている。今年の2月、我々はホンソメが、自分の写真を自分だと認識できること、しかも自己顔に基づいて認識していることを発見した。このことは、MSRの成立過程で動きの同調性の確認が関与していないこと、重要なことにホンソメが自己心象を内的に持ち自己認識していることを示している。さらに、寄生虫に似せたマークを喉につけた自己写真の提示後は、自分の喉を擦り落とそうとする動作をとり、その後写真を確認する行動も見せている。これらの結果は、ホンソメがマークを擦りとる目的で意図して擦っていることを強く示唆している。これらのことは、ホンソメが(内面的)自己意識を持つことを明白に示すものであり、この自己意識の検証は大型類人猿も含め、動物で初めての報告になる。魚類におけるこの自己意識の普遍性を考えると、本発見の動物の自己意識研究にもたらす意義は相当に大きいと思われる。本発表では、自己意識が動物で初めて確認されたことの意義、それが今後、多方面の行動科学(心理学、動物心理学、哲学、動物行動学など)や関連研究にもたらす影響について考えてみたい。

クチキゴキブリの雌雄が配偶時に行う翅の食い合い:これまで、そしてこれからゴキブリは何を見せてくれるのか
 大崎遥花(ゲスト:京大農)

 配偶相手の一部や全体を食う行動は性的共食いや婚姻贈呈として以前から知られてきた。これまでの性的共食いや婚姻贈呈ではすべて、一方の性のみが配偶相手を食べる例である。しかし唯一の例外が発表者の発見したクチキゴキブリの雌雄による翅の食い合いである。本種は食材性のゴキブリで、新成虫は長い翅を持ち、繁殖時期には飛翔して分散するが、雌雄が出会うと配偶相手の翅を付け根近くまで互いに食い合う。これは雌雄が配偶時に互いに食べ合う初の例である。ペアはその後朽木に穿孔し、両親で子を育て、同じ相手と繁殖を数年に渡って続ける。翅の食い合いは両性が食べ合うこと、そして食べあった個体同士でペアとなり子育てを行うという他に例のない特徴からベネフィットが未知であるばかりか、飛翔可能な翅を永久に失うという明確なコストがあり、謎に満ちた行動であった。本講演ではまず翅の食い合いがどのように行われるのか、そして翅を食うことができない・食われない場合にはどのような影響があるのか調べた結果を発表する。そして、翅の食い合いは生活史におけるその前後の生態なくして意義を考察することは不可能である。今回は翅の食い合い以外のクチキゴキブリの配偶者探索、交尾行動、血縁構造などようやく分かってきた生態も聴衆と共有し、翅の食い合いの意義、さらにはクチキゴキブリの今後の可能性について議論したい。

次回の研究会

次回研究会は3月4日(土) 13:00より、以下の内容で開催予定です。詳細及び要旨は2月20日に公開いたします。

多様な動物たちが果たす種子散布の機能
吉川 徹朗

サカナの脳と行動の比較生物学
吉田 将之(ゲスト:広大統合生命科学)

過去の研究会の発表者と発表要旨

過去の研究会の発表者と発表要旨はこちらからご覧下さい。

連絡先

安藤(研究会渉外担当) a19se001★st.osaka-cu.ac.jp
★を@マークに変えて送信してください。