動物社会学研究会のご案内

2024年2月13日

  • 研究会(2023年度)

第12回 大阪公立大学 動物社会学研究会のお知らせ

第12回 大阪公立大学 動物社会学研究会は以下の内容で開催いたします。

外部の方もオンラインから参加可能です。皆様のご参加をお待ちしております。

開催概要

日時: 2024年2月16日(金) 14:00-15:30
(発表および質疑応答の進行に応じて前後する場合がございます)

場所: 大阪公立大学 理学部E棟1階会議室(E108)
(外部の方はオンラインにて参加いただけます。お手数ですが、詳細はこちらの共通連絡先へお尋ねください)

発表内容

種間相互作用がもたらす海産カジカ科魚類の産卵管長の種内変異 中村 俊介(M1) 

 雌雄の交尾器の形態や精子形態などの繁殖形質は動物種間で非常に多様性が高いこうした繁殖形質の多くは、雌雄の相互作用によって適応進化することが知られている。しかし産卵管などの繁殖形質は性選択による適応進化ではなく種間相互作用によって進化したと考えられ現状では種間相互作用がもたらす繁殖形質の進化について調べた研究は少なく、さらなる知見の蓄積が求められている海産カジカ科魚類は繁殖生態が多様化した魚類のグループであり、繁殖形質も多様化しているそのうち一部の種は産卵管を持ちホヤやカイメンなどの生きた海生無脊椎動物卵寄託する先行研究では佐渡に生息するカジカ科アナハゼ類において産卵場所として利用する宿主種の選好性がある事がわかっている。またアナハゼ類の産卵管長は利用する基質の種類や大きさによって異なり、産卵管長の違いはホヤやカイメンとの種間相互作用によって生じたことが示唆されたさらに異所的に生息する同種の個体群間でも産卵管長に大きな違いがある事も分かってきており、その背景には地域間での産卵基質の大きさや種組成の違いと考えられる。本研究では、アナハゼ類9種について同種他個体群間産卵管長と産卵基質であるホヤやカイメンを調査し、産卵管長の種内変異について調査を行う。種内で産卵管長に大きな差異がみられる現象報告例が少なく海産動物では知られていない。そのため、種間相互作用がもたらす繁殖形質の進化を研究するには優れた材料である。本発表では、これまでの調査結果を報告し、種間相互作用が生み出した繁殖形質の種内変異について進化生態学的な観点から議論を行う。

過去の研究会の発表者と発表要旨

過去の研究会の発表者と発表要旨はこちらからご覧下さい。

連絡先

安藤(研究会渉外担当) se23697g★st.omu.ac.jp
★を@マークに変えて送信してください。