動物社会学研究会のご案内
2024年2月21日
- 研究会(2023年度)
第14回 大阪公立大学 動物社会学研究会のお知らせ
第14回 大阪公立大学 動物社会学研究会は以下の内容で開催いたします。
外部の方もオンラインから参加可能です。皆様のご参加をお待ちしております。
開催概要
日時: 2024年2月24日(土) 13:00-16:00
(発表および質疑応答の進行に応じて前後する場合がございます)
場所: 大阪公立大学 理学部E棟1階会議室(E108)
(外部の方はオンラインにて参加いただけます。お手数ですが、詳細はこちらの共通連絡先へお尋ねください)
発表内容
植物の行動生態学:自他および血縁識別を中心に 山尾 僚(ゲスト:京大生態研)
生物は様々な環境刺激を受容し、応答することで数々の生存上の課題を解決する。生物の応答がどのように進化してきたのか?行動生態学では、主に動物の行動に焦点を当て、この問いに挑んできた。行動生態学で発展してきた概念や理論は、今日、動物以外の生物の環境応答の進化の理解にも大きく貢献している。植物もまた、一部の動物や微生物のように近隣個体の遺伝的な類似性を識別し、様々な応答を示すことが報告され、近年盛んに行動生態学的アプローチによる解析が進んでいる。演者は、つる植物やオオバコなどの多年生草本において自他および血縁識別に基づいた応答を明らかにしてきた。本セミナーでは、野生植物の応答の多様性と共に演者の研究を紹介し、植物を対象とした行動生態学的研究の今後の可能性について議論したい。
気候変動が生物群集に与える影響の評価:日本の森林群集での事例 吉川 徹朗
気候変動は生物多様性に対する大きな脅威となっており、その影響はすでに世界各地で観測されている。日本の森林においても気候変動によると思われる変化が特に北部の針葉樹林において検出されている。だが日本列島はさまざまな異なる気候帯に属し、こうした複数の気候帯にわたる森林群集での気候変動の影響はより複雑なものになると考えられるが、これを総合的に解明した研究はいまだない。そこで日本列島の森林群集における気候変動の影響を明らかにするために、全国191箇所の森林プロットにおける経時データを収集し、その変化を分析した。森林の構成樹種を4つのタイプ(北方針葉樹・落葉広葉樹・温帯針葉樹・常緑広葉樹)に分け、森林における各タイプの胸高断面積合計や優占度とその時間変化率を評価した。また、それらの時間変化率が気温などの気候変数やその変化パターンとどのように関連しているかを分析した。その結果、さまざまな森林群集の変化が明らかになった。特に降水量の増加が大きい地域で大きな変化が生じており、北方の森林では針葉樹の優占度の低下、落葉広葉樹の優占度の上昇などがみられた。これらは気候変動やそれに伴う撹乱パターンの変化と関連しているとみられる。
過去の研究会の発表者と発表要旨
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