化学科・化学専攻について

化学科・化学専攻の特徴

物質の構造・機能・物性に関する原理を追究し、新しい物質を創製することで、豊かな未来社会づくりに貢献する学問、それが化学です。化学の研究対象は、自然界の化学現象だけではありません。天然にはない新しい機能をもつ化学物質(分子)を設計したり、それを合成する研究が多彩にかつ幅広く展開されています。生体内の化学反応や酵素の働きは無論のこと、生命にとって大切な化学現象のうち、解明できた現象はほんのわずか。

人間にとって重要で、おもしろい化学の研究テーマはたくさんあります。化学を研究すれば、肉眼では絶対に見ることのできない極微の世界、電子・原子・分子が活躍しているミクロの世界といつも関わることができます。現在では「量子の法則」をもとに、未知の分子の構造と性質を理論的に予測することも可能になってきました。現代化学はいわばルネッサンス期にあり、次世代に向かって大きく変わりつつあります。

化学科


教育目的

化学は、原子・分子の観点から物質の本質を明らかにし、新しい物質・分子を創製する学問である。新しい分子を作り出し、未知の機能を探りだすことで、分子の潜在的可能性を開拓する創造的探究によって化学は進歩してきた。先人のたゆまぬ努力によって蓄積されてきた化学の知識と技術は、現代社会に多くの豊かさをもたらし、今や、私たちの生活に必要不可欠なものとなっている。化学の知識と技術を継承し、かつ、最先端を切り開く素質を備えた化学人材が、本国のみならず世界的に求められている。

本学科では、多様性を認めるグローバルな社会において、複雑な要求(課題)に対応できる総合的人間力を有し、自然科学全般にわたる幅広い素養、化学の専門知識と技能並びにそれを英語で論理的に発信する能力を身につけるため、体系的な化学教育を提供し、幅広い化学の専門知識を教授することによって、創造的な化学の領域を切り開くことができる人材の養成を目的とする。

教育目標
  1. 化学、数学、物理学、生物学、地球学、生物化学などの自然科学全般にわたる幅広い素養を修得している。
  2. 専門的な科目の履修を通して、化学の基礎を養う。その知識と技術を、境界領域を含む科学の発展に生かす実践力を身につけている。
  3. 英文テキストや最新の英語論文を読む能力、研究成果を英語論文として発信する能力の鍛錬を通して、コミュニケーションツールとしての英語能力とその土台となる国語力とコミュニケーション基礎能力を修得している。
  4. 理論と実践の両面から、論理的な議論を行うことができ、議論を通じて問題を解決する提案力を身につけている。
  5. 化学者としての社会的責任を自覚し、化学の知識を人間社会の発展に生かすための実践的化学力をもって、社会に貢献することができる力を身につけている。
主な就職先

化学科に所属する学生のおよそ8割以上は博士前期課程に進学して研究を続けます。さらに、博士後期課程への道も開かれています。

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※ 2020年度の市大理学部化学科、および、府大理学類分子科学課程の統計

味の素(株)、伊藤忠商事(株)、大阪府教育委員会、関西電力(株)、岸和田市役所、清風南海学園(教職)、奈良県庁、兵庫県庁、三菱自動車工業(株)
* 過去4年間の市大理学部化学科、および、府大理学類分子科学課程の就職実績より一部抜粋。

化学専攻


教育目的

化学は現代社会に多くの恩恵をもたらし、我々の生活を豊かなものとしてきた。機能性材料、合成繊維、医薬品など、化学が基盤となって創製された物質は、現代社会になくてはならないものばかりである。我が国の化学産業と化学研究の水準は世界のトップレベルであり、未来を切り開く高度な化学人材を養成する大学院教育の推進は、社会からの大きな要請となっている。

本専攻では、グローバルな時代を生き抜き、化学の知識と技術をもって社会が直面する課題の解決と、未来社会の発展を導くために高度な化学研究を実践し、かつ、分子に秘められた無限の可能性を自らの手で探求・開拓することができる、次世代の我が国を担う優れた高度な化学専門職業人および化学研究者の育成・輩出を行うことを目的とする。

教育目標

(博士前期課程)
学部レベルでの化学の基礎学力の上に立って、より専門性の高い化学実践能力と専門領域において必要とされる国際的視野を養成する。一つの分野に特化するのではなく化学を中心とする学際領域に対する興味と理解を持ち、化学の理論に基づいて、仮説の立案、実験的検証を含む化学研究の一連のプロセスを実践することができる高度専門職業人・研究者を養成する。化学の専門知識と技能を持ち、専門的な化学情報を正確に扱い、理解し、伝達するコミュニケーション力、国際的な視野を備え、社会に貢献することができる化学系人材を育成する。以上の教育方針に照らし、以下の能力を備えた人材の養成を教育目標とする。
1.化学的論理に基づいて、仮説の立案から検証に至る化学研究を実践するための専門知識と技能を身につけている。
2.国内外および他分野の研究者に情報を正しく伝えることができるコミュニケーション力を身につけている。
3.安全に研究を実施するための知識と研究倫理を備えている。
4.専門知識と技能を実社会とのつながりの中で活用する柔軟な思考力を備えている。

(博士後期課程)
化学現象を見抜く卓越した洞察力、新しい化学を発信する研究能力とともに、境界領域含む科学の研究領域に広い視野を持ち、新しい化学領域を提案、開拓することができる高度専門職業人・研究者を養成する。研究者に必要とされる、最先端の化学知識・技能・問題解決能力・および国際的コミュニケーション力を備え、その知識と技術もって科学の発展や社会に貢献できる、高度な化学専門職人・化学研究者を養成する。以上の教育方針に照らし、以下の能力を身につけた人材の養成を教育目標とする。
1.情報を整理・統合し、問題や課題を立案する思索能力と、具体的な研究の道筋を見出すことができる実践力を身につけている。
2.内外および他分野の研究者に情報を正しく伝えることができるコミュニケーション力を身につけている。
3.化学の研究成果を英語でまとめ論文発表する情報伝達力を身につけている。
4.研究を客観的に評価し、その価値を正しく理解する能力を身につけている。
5.化学研究のプロフェッショナルとして、化学技術を社会の発展に生かすための創発力をもって、研究を牽引するリーダーシップを
  発揮することができる。

主な就職先

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※ 2020年度の市大理学研究科化学専攻、および、府大理学研究科分子科学専攻の統計

旭化成(株)、大阪ガス(株)、花王(株)、(株)カネカ、京セラ(株)、(株)島津製作所、(株)シャンソン化粧品、住友化学(株)、積水化学工業(株)、ソニー(株)、ダイキン工業(株)、デュポン、日東電工(株)、(株)日本触媒、三菱ガス化学(株)
* 過去4年間の市大理学研究科化学専攻、および、府大理学研究科分子科学専攻の就職実績より一部抜粋。