取り組み事例
2026年2月16日
- 環境マネジメント推進室
大阪・関西万博 FROM 2025 −人工光合成と私たちの未来−
大阪・関西万博 FROM 2025 −人工光合成と私たちの未来−
2015年より、飯田グループホールディングスと大阪公立大学の人工光合成研究センターで、エネルギー自立循環型住宅の実現に向けた共同研究を行なっています。
日本で最も多くの木造住宅を作っている飯田グループホールディングスの「より多くの人々が幸せに暮らせる住環境を創造し、豊かな社会づくりに貢献する」という経営理念と、大阪公立大学との研究の成果を世界に披露できる貴重な機会となると考え出展を決めました。大阪・関西万博において、大阪公立大学と飯田グループホールディングスが共同で手掛けるパビリオンは、「人工光合成」をテーマとした展示を中心に構成されています。人工光合成は二酸化炭素と水を光のエネルギーで資源に変換する次世代技術であり、未来のエネルギー社会を切り拓くものです。来場者がその仕組みを直感的に理解できるよう、体験・展示・実証を組み合わせた内容となっています。
大阪・関西万博に出展する意義
飯田グループホールディングスでは、万博という国際的な舞台において自社の活動を示すことは、これまで届きにくかった地域や世界の人々に知ってもらう絶好の機会となります。また、単なる企業PRにとどまらず、持続可能な未来社会の実現に向けてどのような役割を果たしているかを具体的に示すことにもつながります。
一方、大阪公立大学では、今回の万博出展により、人々が「手に触れられる人工光合成」を体験できる場をつくり、研究成果を社会に身近な形で示すことができるだろうと考えました。
人工光合成や住宅に関する研究は、大学が培ってきた基礎的な知見と、企業が持つ社会的な実績をうまく組み合わせることができるテーマでした。大学と企業が協力することで、研究の発展だけでなく、社会に役立つ新しい価値を生み出せると考えられたのです。
大変だったのは「技術をつなぐ難しさ」であり、良かったのは「次の発展への道筋が見えたこと」です。万博は単なる成果発表の場ではなく、課題を洗い出し技術を磨く通過点として大きな意味をもちました。
飯田グループホールディングス・大阪公立大学の展示内容
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ジオラマ展示① |
入口では「天然の葉」と人工的にデザインされた葉のオブジェが対比的に展示され、息を吹きかけると呼気中のCO2で反応する仕掛けが施されており、光合成のプロセスを身近に体験できます。背後には、大阪公立大学・人工光合成研究センターが開発した実物の人工光合成装置が並び、研究の成果に触れることができます。 |
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体験コーナーでは、人工光合成によってCO2からギ酸を作り、必要な時にギ酸を分解して水素を生成し、それを住宅エネルギーとして活用する流れを試作模型で紹介しています。来場者は、資源変換の一連の仕組みを理解し、持続可能な暮らしをイメージできます。さらにジオラマ展示では、人工光合成を導入した未来の住宅街を模型で表し、技術が日常生活にどのように根付くかを具体的に示しています。展示を通じて、来場者には「自分の住む家の中で二酸化炭素が循環する未来」を身近に感じてもらい、環境課題を他人事ではなく自分の暮らしと結びつけて考えてもらうことを期待しています。本学と企業の共同の取り組みは、夢物語ではなく、近い将来に実現し得る現実の姿を示すものです。 |
人工光合成体験コーナー |
人工光合成の技術はいったい何年前から
人工光合成は1970年代頃に提唱され、研究が続けられてきました。しかし、人工光合成技術によって作られたエネルギーを使って何をするかという明確なビジョンが無いままであったため、5,60年もの間夢の技術の一つとして止まってしまっていたのが現実です。
理念や出展を今後どのように活かし、つなげていくのか
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ジオラマ展示② |
2025年大阪・関西万博は、単なる展示を超えて、技術の社会実装に向けた重要なステップとなっています。本学ではすでに、研究センターの屋根などを活用して同様の実験を行なっており、万博の実証を通じて得られた課題や知見を持ち帰り、研究の深化に役立てていきます。 商用化に向けての改良やコスト低減など、人工光合成技術はまだ発展途上ですが、その「進化の途中」を社会に見てもらえたこと自体が大きな成果です。 重要なのは、万博が一過性のイベントで終わるのではなく、その理念と成果を持続的に社会へ還元していくことです。住宅という人々の生活に直結する分野で環境技術を実装することは、人工光合成について興味を持ってくれていた一般の方への「恩返し」であり、大学や企業に課された責任でもあります。人々は快適な暮らしを維持しながらも、環境負荷を低減させる必要に直面しています。その矛盾を解決する一つの道筋として、人工光合成を住宅に搭載することは大きな可能性を持ちます。 これからも、万博をきっかけに広がった研究と実証の輪をさらに発展させ、次世代へつなげていきます。 |
学生コメント
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人工光合成をはじめとした新しい技術や、巨大ジオラマで表現された未来都市を目の当たりにするなかで、まだ見ぬ未来に対するワクワクで胸がいっぱいになりました。西陣織を利用した建物も、日本の伝統的な工芸品が新しい形で活かされているところが素敵でした!また、数十年前は空想だった人工光合成も、信念をもてば実現できると実感しました。飯田グループホールディングスと本学の万博出展は、未来の住環境の可能性を世界に示す貴重な機会だと思います。 |
取材の様子 |
その他本法人の環境パフォーマンス・環境活動は「公立大学法人大阪 環境報告書2025」をご覧ください。
該当するSDGs



