取り組み事例

2025年6月16日

  • 環境マネジメント推進室

高専の取り組み

間伐材を使ったものづくり!×農業体験を通じた課題発見!2つの取り組みに着目!

高専の岩本研究室では、里山のボランティアの方々と共働で間伐作業を行なったり、その際に生じる間伐材をつかって「ものづくり」を行なっています。また、総合課題実習というカリキュラムの中で、農業体験を通じた課題発見・解決を試みる取り組みにも積極的に関わっておられました。そこで、岩本いづみ先生に直接インタビューを行ない、もう少し詳細に、内容をお伺いしました!

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岩本いづみ先生

 間伐材を使ったものづくりについて

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学生A:岩本先生が間伐材に着目された理由を、お聞かせください。

岩本先生:間伐というのは、森林を健康に保つためにバランスよく木を伐採して地面に日光を届かせてあげることなんです。でも、間伐をすれば、切った木を運び出さない限り、放置されてしまうことになります。現在、関わっている茨木市の「茨木の森つくり隊」という里山ボランティアの方々がおられるのですが、高齢化が進み間伐した木材を運び出すことに苦労されていました。そこで岩本研究室では、学生たちが間伐作業や運び出し作業をお手伝いする代わりに、間伐材の一部を譲っていただいているんです。

学生A:そうなんですね。環境を保全しつつ、地域の方々とのコミュニケーションも生まれているんですね。間伐材を使って、どのようなものづくりをされているんですか?

岩本先生:木製の椅子などの家具づくりをしたり、ワークショップなどもしています。岩本研究室ではイベント用の展示ブースの製作なども行なっています。

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学生A:本科3年 西山黎音

学生B:専攻科1年 池田隼

岩本先生:研究室では、現在、金物を使わずに「木組み」を用いてブースの制作に取り組んでいます。

学生B:金物を使わないんですか?

岩本先生:伝統軸組工法といって、木と木の接合部分に金物を用いないで組み上げていく方法があるんです。一方にホゾ穴をあけておき、もう一方にホゾと呼ばれる突起部分を設けて接合するんです。

学生B:木材だけで、ものづくりができるなんて、エコですね!

kousen (6) 岩本先生:たしかに、そうですね!また、茨木市のイベントにも参加していて、展示ブースを出展しています。子どもたちに展示ブースを通じて木に触れてもらう機会をつくりだしているんですが、子どもたちの保護者(大人)には、失われつつある伝統軸組という技術を知ってもらいたいという想いもあります。

農業体験を通じた課題発見について

kousen (3) kousen (4) 岩本先生:高齢化にともなって林業従事者が減っているのですが、同じように農業についても人手不足は深刻です。そこで、高専で新しいカリキュラムの一つとして始まった「総合課題実習」という科目の中で、農業体験も学生たちに促しています。この科目を通じて、食料自給率が減っているという実態を知り、高専生ならではの技術力で課題を発見し、解決案を提示してほしいな、と思っています。自由に選択できる科目なので多くの学生に興味・関心をもってもらいたいですね!

 農業体験に参加した学生からのコメント

専攻科2年土木工学コース田村将さん

実際に果物の温度管理をスマートフォンで行なっている様子を目にしました。また、田植え機の説明を受けた際に、田植えや収穫の時期だけでなく、草刈りがとても大変なのだということも知りました。私はスマート農業に興味があります。農業のDX化を図り、時間ごとに水を撒く作業や機械を用いた自動運転などにより、重労働を減らすことが大切だと思いました。

その他本法人の環境パフォーマンス・環境活動は「公立大学法人大阪 環境報告書2024」をご覧ください。

https://www.omu.ac.jp/assets/environment2024.pdf

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