ORGEL Column

2025年9月3日

大学生フェミニズム事始

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担当:彗星
彗星

暑くて溶けそうな日々が続いていますが、みなさんいかがお過ごしですか。

私は大学2年で、教育福祉学類に所属しています。高校の頃から社会福祉やジェンダー学に関心があり、それを本格的に学びたくてこの大学に進みました。現在はORGELに所属し、イベントを運営したり、先生や先輩と意見を交わしたりと、学びの面でも充実した日々を過ごしています。

……と書くと「意識高い系」と思われるかもしれませんが、実際はそうでもありません。サークルやアルバイトにも取り組み、友人と遊んだりごはんを食べに行ったりと、いわゆる“普通の大学生“の生活も楽しんでいます。その両方があることで、日々の充実を感じられているのだと思います。

一方で、大学に入ってからジェンダーに対する意識には迷いも出てきました。高校時代は、自分が「アライ」であり「フェミニスト」であることを意識し、言葉や行動に気を配っていました。しかし大学では集団で行動する機会が増え、「男は女が好きで当たり前」といった言動に出会うこともあります。そうした場面で以前の自分ならはっきりと「違う」と言えたはずが、空気を考えると声を上げられないこともあり、自分を責めてしまうことがありました。

そんなとき、ジェンダーについて熱心に学んでいる、尊敬する先輩に相談をする機会がありました。すると先輩は「それは誰でも難しいし、できないこともある」と言ってくださったのです。知識も実践も備えている先輩の口からその言葉が出てきたことに驚きましたが、同時に、自分だけが弱いわけではないのだと感じ、心が少し軽くなりました。

それ以来、私は「マイクロフェミニズム運動」を意識するようにしています。これは近年SNSで広がっている取り組みで、デモなど大きな行動ではなく、日常の中で小さな実践を重ねていくものです。たとえば「彼氏」「彼女」ではなく「恋人」「パートナー」と表現することも、その一つです。伝わるかどうかは分からなくても、積み重ねが社会を少しずつ変えていくのだと思います。

悩みがすべて解決したわけではありませんが、「普通の大学生」としての日々を楽しみながら、小さくても自分の意思を示していければと考えています。みなさんもぜひ、誰も排除されない言葉を意識してみてほしいと思っています。