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2025年6月1日
イヌiPS細胞から間葉系幹/間質細胞への分化に成功!!
間葉系幹/間質細胞(MSC)は免疫調整や抗炎症作用を持つことから、医学・獣医学領域において、様々な疾患への移植治療が行われています。しかし、MSCは増殖能力や品質の安定性に課題があり、均質なMSCを安定的に供給する手段の開発が望まれています。
人工多能性幹細胞(iPS細胞)は無限の自己増殖能と身体を構成するほとんどすべての細胞へ分化する能力(多分化能)をもつことから、再生医療への応用が期待されています。ヒトにおいては、iPS細胞を用いたMSCの作製法が確立されている一方、イヌにおける研究例は限られていました。
当研究室では複数のドナー犬の様々な種類の体細胞から、iPS細胞を作製することに成功してきました。そこで塚本らは、これらのiPS細胞を活用することで、イヌiPS細胞からMSCの最適な作製方法を検討しました。その結果、外胚葉系を経由してMSCを誘導することで、高い増殖能とMSCマーカーの発現を持つイヌMSCを作製できることを明らかにしました。
本研究により、イヌiPS細胞から再現性の高いイヌMSC誘導法を確立されたことで、再生獣医療におけるイヌiPS細胞由来MSCの利用が期待されます。
本成果は2025年5月29日に国際学術誌「Regenerative Therapy」のオンライン速報版に掲載されました。 → リンクはこちら
また、大阪公立大学からプレスリリースされました。 → リンクはこちら