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2025年9月18日

イヌiPS細胞の新たな培地を開発!!

人工多能性幹細胞(iPS細胞)は、再生医療や創薬研究で広く利用されています。私たちの研究室でも、再生獣医療への応用を目指し、イヌiPS細胞の作製に成功してきました。しかし、イヌiPS細胞を多様な細胞へ分化させるには効率が低く、細胞株ごとに分化能力にばらつきが見られる点が大きな課題となっていました。特に現在の培養条件では、iPS細胞の性質が均一でなく、安定して機能的な細胞を得ることが困難でした。

本研究では従来のiPS細胞の培養液よりも、遺伝子発現がより均一で、細胞の性質が安定する「AR培地」を開発しました。さらにAR培地で培養したイヌiPS細胞を用いて心筋細胞への分化を試みたところ、心筋特有の遺伝子やタンパク質が発現し、規則的に拍動を繰り返す細胞集団が得られました。本研究により、イヌiPS細胞から様々な細胞を作り出す研究が大きく推進されると予想されます。

本研究成果は、2025年9月18日に国際学術誌「Stem Cell Reports」のオンライン速報版に掲載されました。 リンクはこちら

また、大阪公立大学からプレスリリースされました。 リンクはこちら

AR培地