研究内容

薬剤耐性感染症 (安木)

世界規模で問題となっている薬剤耐性感染症は、ヒトに限られた問題ではなく伝播の観点から動物における対策が必須です。伴侶動物は、接触するという点でヒトと最も密接な関係性にあること、耐性菌の報告が近年増加していることから、ヒトとの間で双方向の伝播の可能性が懸念されています。しかし伴侶動物における耐性菌保菌や宿主間伝播の実態に関する知見が乏しく未だその詳細の多くは不明のままです。本研究では、伴侶動物、周囲環境、そしてヒトが保有する薬剤耐性菌をゲノムレベルで分子疫学解析して、耐性菌伝播における伴侶動物の役割を評価することを目的としています。本研究は、本学獣医学部附属獣医臨床センターならびに本研究の趣旨にご賛同いただいた地域動物病院との共同研究です。

大阪公立大学 Online Media

プレゼンテーション3

狂犬病 (安木・日下部)

世界最古の感染症の一つである狂犬病は、今でもなお人類にとって恐ろしい感染症の1つです。この感染症の大きな課題点は、(1)発症後の治療法が確立されておらず、その発症後死亡率はほぼ100%であること、(2)ヒトとイヌでの集団免疫獲得に向けて、注射ワクチンが汎用されているが野生動物における対策が十分でないこと、が挙げられます。私たちはこの2つの課題を克服し、狂犬病のコントロールを目的として、病態解明と新規治療方法の開発、そして野生動物用の経口ワクチン開発、の2つのテーマを掲げて研究を行っています。

重症熱性血小板減少症候群 (日下部・安木)

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は21世紀になって発見された人獣共通感染症です。SFTSは国内でも毎年発生しており、発生数は少ないものの、ヒトや伴侶動物で高い致死率(10〜30%以上)が報告されています。本疾患の原因であるSFTSウイルスは、ウイルス保有マダニに咬まれることで感染しますが、近年、感染動物からのウイルス伝播が多発しており、SFTSコントロールのため、ヒトおよび動物双方の対策が必須です。私たちは、SFTSウイルスの性状解析、SFTSの病態解明や新規治療法の開発、またはそれに必要な研究基盤技術開発等から、ヒトと動物双方に効果的なSFTS制御法確立を目指し研究を進めています。