研究グループ紹介

発酵制御化学研究グループ

巷ではここ数年「発酵ブーム」だとか。そうです、実はブームの最前線を行く研究室なんです!「発酵」と言えば、ヨーグルトや納豆、お酒などの発酵食品のイメージが強いですか?でも発酵はもっと奥が深くて、私たちの暮らしに色々なところで役立っています。自然界から新しい機能を持った微生物を探し出し、その機能を利用して環境負荷の少ない化学品生産や自然環境の修復・改善などを目指して、日夜、発酵の研究を楽しんでいます。

生物資源循環工学研究グループ

環境に優しいバイオエコノミーの構築を目指して、大きく3 つの研究を行っています。①自然界で最も多く生産されるバイオマスである植物細胞壁に存在する多糖(セルロース、ヘミセルロース、ペクチン)を有効利用するための研究、②有機物分解能に優れた生物(ミミズやキノコ等)が生産するユニークな酵素についての研究、③ユーグレナ(ミドリムシ)を用いたバイオリファイナリー構築に向けた研究。

生理活性物質化学研究グループ

「天然物化学」と「有機化学」をベースとして、重要な生命現象に介在する化学因子について、世界をリードする研究を進めています。特に、植物や微生物などの生物間の共生・寄生・病原相互作用に関与する生理・生物活性天然有機化合物に焦点を当て、それらの単離・構造決定、有機合成や作用機構の解析を行っています。これにより生物間のケミカルコミュニケーションを読み解き、新たな有用ケミカルの開発を目指しています。

生体高分子機能学研究グループ

農学部としては異色のバイオメディカルサイエンスを研究しています。具体的には、生体内輸送蛋白質を利用して薬剤を病巣(癌組織等)に送達するドラッグデリバリーシステムや、寄生性原虫が引き起こす伝染病に対する治療薬の開発、イヌやネコアレルギーの治療を目指した低アレルゲン化ワクチンの開発、およびRNA 分子に着目した診断・治療標的の探索等をテーマにしています。"Let's enjoy science." をモットーに研究に励んでいます!

食品代謝栄養学研究グループ

「飽食による疾病の予防」と「超高齢社会での高齢者の健康維持」は21世紀の持続可能な社会を構築するための重要な課題です。化学物質である食品成分(ビタミンやポリフェノールなど)は生体内で化学応答シグナルを誘発します。当研究室は、性差を考慮して栄養素の過剰摂取や運動不足、加齢が惹起する疾病での異常な化学応答シグナルを明らかにし、食品成分の機能(化学応答シグナル)を活用して生体の恒常性の維持を目指しています。

食品素材化学研究グループ

現代の食生活では、天然の食物がそのまま食される機会は少なく、何らかの加工がなされた後に食卓に並びます。食品の製造加工操作は、可食化される、保存性や利便性が高まる、多様な嗜好性に対応する、栄養・生体機能が向上するなどの付加価値を付与する役割を担います。食品素材化学研究室では、食品素材の持つ化学的な諸性質を理解し、それを効果的に活かすことのできる製造加工プロセスの構築に寄与する研究に取り組んでいます。

微生物機能開発学研究グループ

微生物は極めて多様であり、知られている微生物は実際に地球上に存在するほんの数%に過ぎないと言われています。その意味では、微生物の世界は新たな資源の宝庫と言えます。当研究グループでは、微生物の持つ有用な代謝機能や代謝産物を探索し、生化学的および遺伝学的手法によって我々が直面している資源・環境・エネルギー問題の解決やヒトの生活を豊かにするために有効に活用することを主眼として研究を進めています。

生命分子合成学研究グループ

生命活動には多様な有機化合物が関与し、それぞれが様々な機能を発揮しています。当研究室では内在性生理活性物質、生理活性天然物、生物間交信物質など微量で高い機能を有する化合物の合成研究を行なっています。また食品に含まれる機能性成分、化粧品の有効成分、食品や香粧品に利用される新規香気物質の合成と評価、医薬品・農薬の開発を目指した複素環化合物の新規合成法の開発と化合物ライブラリーの構築、生理活性評価も行なっています。

生物物理化学研究グループ

現在、昔ながらの発酵産業や品種改良から発展したバイオテクノロジーを使って、個体や細胞だけでなく、その中のとても小さな要素、生体分子にふれる技術が完成されつつあります。バイオテクノロジーというと生物のイメージが強いかもしれませんが、実は分子を直接さわるために化学や物理の技術も集約されています。本研究室ではそういった分子技術を生かして、人為酵素やポンプタンパク質などを作っています。