食のミカタとは

代表挨拶

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小泉 望

大阪公立大学・農学研究科・教授
京都大学農学研究科卒業
奈良先端科学技術大大学院大学、大阪府立大学を経て現職
専門は植物バイオテクノロジー、新しい食品のサイエンスコミュニケーション

 食の見方は人それぞれです。食べず嫌いの人もいれば新しい食べ物が好きな人もいます。それでも、多くの人が安全安心な食べ物を好むでしょう。よく安全は科学的根拠に基づき客観的に評価できる一方、安心は各人の主観に基づくと言われます。しかし、安全に対する認識が異なれば安心に対する考え方も異なります。つまり好ましくないパーセプションギャップが生じます。私たちは、科学的根拠に基づく安全情報が正しく伝わり、食が豊になることを目指して活動を行います。

 取り上げるテーマは主に先端品種改良技術と地域の未利用資源を循環利用した肥料です。バイオテクノロジーを駆使した先端品種改良技術には、遺伝子組換え技術やゲノム編集技術が含まれますが、このプロジェクトでは特にゲノム編集技術に焦点を当てます。

 また、世界的な穀物需要の増加やエネルギー価格の上昇に加え、ロシアによるウクライナ侵略等の影響により、化学肥料原料の国際価格が大幅に上昇し、肥料価格が急騰していることから、家畜排せつ物や下水汚泥から作られる肥料を持続可能な農業に活用するためのパーセプションギャップに取り組みます。

 こうした取り組みでパーセプションギャップが解消することが豊かな食実現の味方になることを期待しています。

主な活動内容

  1. 従来のサイエンスコミュニケーションの手法に行動科学のアプローチを取り入れることで、より効果的な情報のインプット方法を探ります。これにはゲノム編集食品に関するサイエンスコミュニケーションの経験者と行動科学の専門家が協働します。
  2. 特に地域の未利用資源を循環利用した肥料に関しては食の安全に限らず複数のパーセプションギャップが想定されます。そのため多様なステークホルダーが参画する対話の中から論点を抽出、整理し、短期、中期、長期的な目標を掲げ、ギャップ解消の提言を行います。
  3. ゲノム編集食品や地域の未利用資源を循環利用した肥料に関するイベントを行い、理解を深めてもらいます。
  4. サポーター(食のミカタの味方)を募り、インタビューやイベント案内が掲載されたニュースレターを配信し、食のミカタの活動を知って頂きます。