先端品種改良技術
人類の歴史は品種改良の歴史とも言えます。私たちが食べている美味しいいろいろな種類のイチゴは品種改良の賜物です。計画的に品種改良が行われるようになったのは20世紀に入ってからで、歴史はあまり長くありません。この場合、異なる品種の雌しべに花粉をかけるいわゆる交配技術が主でした。
20世紀の後半には遺伝子組換え技術が品種改良にも使われるようになりました。遺伝子組換え農作物は世界の耕地の1割以上で栽培されていて我が国は遺伝子組換え農作物を飼料用や加工用に大量に輸入しており、輸入国として、その安全の確保に努めているところですが、多くの消費者は認識していません。これも1つのパーセプションギャップです。21世紀に入るとゲノム編集技術が登場しました。この技術は2020年にノーベル化学賞を受賞した先端的技術です。この技術を使うことで農作物に限らず魚などの品種改良も進み、日本ではGABAを増やしたトマトや成長の良い魚などが実用化されています。実用化には至っていませんが、芽の毒を減らしたジャガイモやアレルギーとなるタンパク質を作らなくした卵なども開発されています。