未利用資源を循環利用した肥料

植物は光エネルギーによる光合成で成長しますが、栄養素も必要です。肥料には、こうした栄養素が含まれていますが、三大栄養素と呼ばれるのが窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)です。日本は化学肥料の原料となるNPKの殆どを輸入しています。Nは空気中の窒素ガスを固定することで肥料成分に変換できますが多大なエネルギーが必要です。Pはリン鉱石、Kはカリ鉱石という有限の資源に依存します。つまり家畜ふん尿や下水汚泥などの地域の未利用資源から効率よくNPKを回収することは環境負荷の小さい、持続可能な農業につながります。

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しかし、地域の未利用資源を循環利用した肥料の利用は十分に進んでいるとは言えません。理由はいくつかあるでしょう。例えば、地域の未利用資源由来を肥料として利用することは生産体系を変えることになるので耕種農家にとってはリスクを伴います。流通や販売は規格が揃っていることを重視するので成分含量の揃った化学肥料が使いやすいと考えられます。しかし、一般消費者は、地域の未利用資源を循環利用した肥料と通常の化学肥料の利用の違いを意識せずに買い物をしています。

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