概要

航空宇宙工学課程/航空宇宙工学分野

人類初飛行から約120年、ペンシルロケットから約65年、空と宇宙への夢と技術に限界はありません。

航空機や宇宙機の開発等のため、渦や衝撃波を研究する流体力学、構造の強度と軽量化を研究する構造工学、ジェットエンジンなどを研究する推進工学、自動操縦や航法装置についての制御工学、人工衛星の設計や運用に関する研究を行う宇宙工学、総合的な評価と設計のためのシステム工学、人工衛星による航空宇宙機の航法測位技術などを教育研究の専門領域としています。

各分野の先端的技術課題の研究を通じて、航空機や宇宙機などを設計・製造・運用するための基礎理論と先端技術の教育を行い、創造的で柔軟性に富む技術者・研究者の育成を目指しています。

航空宇宙工学分野の基盤的技術に立脚して人類の持続可能な発展と地球環境の保全との調和を目指す先端的工学分野を開拓し、未来をになう人材を育成します。

航空宇宙の専門分野を深く極めると同時に、航空宇宙工学分野の特質である,物事を総合的に考える能力、およびシステムデザイン能力の育成を目的とします。

そのため、専門分野別に、「航空宇宙流体力学」、「航空宇宙構造工学」、「航空宇宙推進工学」、「航空宇宙システム工学」、「航空宇宙制御工学」、「宇宙工学」の6つの研究グループに分かれ、各グループ協力のもと、航空機や宇宙機の開発・設計、宇宙環境利用、地球観測等に関する教育・研究を行っています。

沿革

1954年4月に、大阪府立大学工学部の機械工学科に1学年あたりの学生定員10名の航空工学専修コースが設けられ、学科創設の足場が築かれました。1960年4月、航空流体力学、航空構造力学、航空機設計、航空原動機、航空機器の5講座編成で、定員20名の航空工学科が発足しました。その後、1963年から定員が30名となり、1964年に大学院工学研究科航空工学専攻の修士課程が、1967年にはさらに博士課程がそれぞれ設置され、高等技術者・研究者を育成する体制が整えられました。

1993年には、工学部の改組に伴って、学科名称が航空宇宙工学科と改められました。また、教育・研究分野が、航空宇宙流体力学、航空宇宙構造工学、航空宇宙推進工学、航空宇宙システム工学、航空宇宙制御工学に加えて、新しく宇宙環境利用工学が加わり、6教育・研究分野に拡充され、教育と研究の力点が宇宙へと広がりました。

1995年4月に大学院工学研究科の組織が再編成され、機械系、電気・情報系、および物質系の3専攻となりました。この編成に連動して、教員組織の基本単位であった講座制も集約され、大講座になりました。それに伴い旧の第1講座、第2講座および第4講座がまとまって「航空宇宙学講座」となり、第3講座、第5講座ならびに宇宙環境利用工学の講座がまとまって「航空宇宙システム講座」になりました。航空宇宙工学科では、組織再編成の目的を実施的に達成するため、各教員の主体性を尊重し、互恵の精神を持ち、さらに相互信頼関係に立脚して学科の教育と研究を行うことを共通の認識として、教育・研究の基本単位を研究室とする体制に移行しました。

さらに、2000年4月から、大学院部局化が認められ、教員は大学院工学研究科・機械系専攻・航空宇宙工学分野を本務とすることになりました。

また、2005年4月からは大阪府立大学、大阪女子大学、看護大学の三大学が統合され、公立大学法人大阪府立大学として再出発しました。工学研究科でも組織替えがなされ、航空宇宙海洋系専攻航空宇宙工学分野としてスタートしました。併せて学部では学生定員が35名に増え、益々優れた技術者、研究者の輩出が望まれています。

略歴

1954年 大阪府立大学工学部の機械工学科に航空工学専修コース設置
1960年 航空工学科発足(5講座)
1964年 修士課程設置
1967年 博士課程設置
1993年 航空宇宙工学科に改組(6講座)
1995年 大学院工学研究科再編、機械系専攻・航空宇宙工学分野に改組、2大講座制(航空宇宙学、航空宇宙システム)
2000年 大学院部局化
2005年 大阪府立大学、大阪女子大学、看護大学の三大学統合による改組、航空宇宙海洋系専攻・航空宇宙工学分野に改組
2022年 大阪府立大学と大阪市立大学が統合され、大阪公立大学が開学
現在に至る