インタビュー

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教員・在学生からのメッセージ

先端高分子材料研究グループ

Q. どのようなマテリアルを研究しているのですか?

柔軟性、耐久性、軽量性、多様性に富んだ高分子材料(ポリマーマテリアル)に関する研究をしています。特に、各種の精密重合法により、高分子の構造を原子や分子レベルで制御し優れた物性を付与することにチャレンジしています。また、高分子と他の材料を複合化し単一素材では発現しない特異な物性を示す複合材料を作り上げています。これらにより、医療、電子、光、エネルギーなどの分野での応用が期待できる多くの高分子材料を開発してきています。

Q. マテリアル工学の魅力は何ですか?

素材の合成や加工方法、機能や構造などを研究し、これまでにない新しい材料を創造したり、新しい現象を見出したりできる点がマテリアル工学の魅力です。この分野は、医療やエネルギー、自動車や航空宇宙などの様々な産業分野に貢献していることに加え、地球環境に配慮したサステイナブルな素材なども開発しており社会貢献度が高いです。また、優れたマテリアル開発には、創造性や発想力が求められる点も魅力の一つです。


大野 工司 教授

博士前期課程1年生 藤川 聡志さん
大阪府立天王寺高等学校卒業

Q. マテリアル工学を学ぼうと思った動機は何ですか?

将来人の役に立つような身近な材料の開発・研究に携わりたいと考えていたからです。そのために材料について深く学ぶことができるマテリアル工学を専攻したいと考えました。現在は高分子という学問の中で新たな材料の創出を目指して研究を進めています。

Q. マテリアル工学の勉強や研究を行っていて、楽しいと思ったことを教えて下さい。

実際に研究していると失敗してしまうこともあるし、想定と違った結果が出ることもよくあります。そして、原因を突き止めようと試行錯誤を繰り返してもなかなか結果が出ない時もあります。しかし、そのような過程を経た分、結果が出た時に強い達成感が得られるので、そこが魅力的だと思います。

計算材料科学研究グループ

Q. どのようなマテリアルを研究しているのですか?

鮮やかな色を示す、電流が流れる、磁石につくなどの物質の性質は、実は原子の並び方とその中を運動する電子の振舞いによって決まります。私達はコンピュータを使って物質中の電子の運動をシミュレートし、磁性体・蛍光体・触媒などのマテリアルの機能特性を計算から予測する研究を行っています。最近では、人工知能(AI)に用いられる情報科学的手法を応用して、新しいマテリアルの設計を行う研究も行っています。

Q. なぜマテリアルを研究しようと思ったのですか?

幅広い分野で活用できる知識や経験を身に付けたいという考えから、あらゆる科学技術の土台となるマテリアルを研究しようと思いました。教科書に載っている物理や化学の知識を活用すれば、身の回りで起こる現象をきちんと説明することができる、これが計算科学の醍醐味だと思います。


池野 豪一 准教授

4年生 東 愛恵さん
石川県立金沢泉丘高等学校卒業

Q. 何を研究していますか?

私は、光の吸収スペクトルを短時間で解析するための新しい情報科学的手法を開発しています。コンピュータの中で「実験を行う」ので、試験管を振ったり、顕微鏡を覗いてみたりするといったことはありませんが、自分で作成したプログラムが動いて精度の良い予測結果が出たときはとても嬉しいです。

Q.

マテリアル工学科は、進路を決めかねている受験生におすすめしたいです。私自身、高校生の時はとても進路に迷っていて、工学系の中で一番女子が多そうだからという理由で進学先を決めました。コンピュータを使った研究に自分が取り組むことになるとは、当時は想像もしていませんでした。マテリアル工学科では、物理と化学に関する内容を幅広く学べます。そして、物理が好きだと思えば物理の勉強と研究が思う存分できますし、化学が好きだと思えば化学に関係する研究室に所属して化学の実験ができる環境があります。また、最新のコンピュータを活用した研究に興味がある方は、物理・化学のシミュレーションを行うこともできます。いろんな選択肢があるところがマテリアル工学科の魅力だと思います。

材料構造物性研究グループ

Q. どのようなマテリアルを研究しているのですか?

透過型の電子顕微鏡を使って、磁性体や蛍光体などのミクロな構造の観察を行っています。特に最近は、スマートフォンや電気自動車に搭載するための全固体リチウムイオン二次電池の研究に力を入れています。安全で効率よく多くの電気を蓄えることができる全固体電池を実現するためには、電池内部で起こっている現象を原子レベルで正確に理解することが重要です。そこで電子顕微鏡を使って充放電時に起こる原子配列の変化をナノメートルスケールで直接観察して電池が劣化する原因を突き止めます。電子顕微鏡による観察で得られた情報から新しい電池を設計するヒントを得ることができます。

Q. どのような受験生にマテリアル工学科へ来て欲しいと思いますか?

自ら興味を持ったことについて自ら進んで学び、よく考え、自分の考えを持ち、仲間と議論することを楽しむことができる学生に入学してほしいと思います。勉強や研究は、いつも思った通りにうまくいくわけではありませんが、いつかは新しい発見に出会えると信じて、努力することが重要です。何事にも好奇心を持って取り組んでほしいと思います。


4年生 山口 羅月さん
群馬県立高崎高等学校卒業

Q. マテリアル工学を学ぼうと思った動機は何ですか?

身の回りのものは全てマテリアルでできていますが、身近にあるのにあまり詳しくないのはどうかな?と思って勉強してみようと思いました。実際に勉強してみると、思ったよりも細いことをやるのだなと思いました。印象に残っている科目は「物質の構造と組織」(現科目: 材料強度1など)で、結晶中には欠陥や転位(原子の抜けや乱れ)などが含まれることを勉強しました。高校で学んだ知識では、結晶とは欠陥のない理想的な構造であるとイメージしていましたが、実際の結晶には欠陥が含まれていることを知りました。さらに、欠陥の状態を精密に制御することで実際のマテリアルの性能を引き出すことができるのはすごいと思いました。

Q. 卒業後はどのような進路を希望していますか?

コンサルティング関係の会社に就職する予定です。実際の仕事では、沢山のデータを分析することになるという話を聞いています。1年間の卒業論文研究を通じて培った、多くの情報を処理する能力を活かして、卒業後も頑張りたいと思っています。

生体材料 研究グループ

Q. どのようなマテリアルを研究しているのですか?

生体や環境に関連するセラミックスを研究しています。例えば、歯や骨の代替となるマテリアルの合成や、水・空気をきれいにするマテリアルの開発を行っています。研究成果が一部でも社会のためになればうれしいという思いを持って研究に携わっています。目に見える形で研究成果を世に出すのは簡単ではありませんが、企業と協力するとそれも可能になります。我々と一緒に新しいマテリアルを作って行きましょう。

Q. 大学教員になろうと思ったきっかけは何ですか?

学生時代に研究に面白みを感じ、さらには研究成果が世の中のためにもなると思ったので、大学院の博士課程への進学を考えていました。ちょうど教員のポストに空きがあったこともあり、当時の指導教員に勧められ、修士課程修了後にそのまま教員になりました。


中平 敦 教授

博士前期課程2年生川鍋 僚さん
長崎県立長崎西高等学校卒業

Q. マテリアル工学を学ぼうと思った動機は何ですか?

ものづくりに漠然と興味があり、将来はメーカーで働きたいと考えていたからです。そのため、あらゆるモノを構成する「マテリアル」について学ぶことができる、マテリアル工学科への進学を決意しました。化学や物理の知識を基にマテリアルについて学習・研究するうちに、私自身の関心がどこにあるのかが明確になっていきました。現在、化学の知識を用いる分析計測機器メーカーへの就職が決まっており、マテリアル工学を専攻して良かったと実感しています。

Q. マテリアル工学の勉強や研究を行っていて、楽しいと思ったことを教えて下さい。

身近にある様々な製品が、「どのようなマテリアルを用いて」「どのような技術で」作られているのかを知ることができて楽しいです。その対象は自動車などを形作る金属から、私が研究している人の歯や骨の主成分であるセラミックスまで多岐にわたります。実用化されている製品をイメージしながら研究ができることこそが、マテリアル工学の醍醐味だと思っています。

複合ナノ材料研究グループ

Q.どのようなマテリアルを研究しているのですか?

物質をナノメートルスケールまで小さくすることで発現する特異な性質に着目しています。同じ物質でも単にナノメートルサイズまで小さくするだけで、従来の大きなスケールの物質では見られなかった性質が現れることがあり、ナノマテリアルにはまだまだ未知の可能性が秘められていると思います。特に、太陽光などの再生可能エネルギーを用いて発電するためのナノマテリアルや、きれいな水や純度の高いガスを得るためのナノマテリアルの研究に注力しています。

Q.マテリアル工学の魅力は何だと思いますか?

私は化学科を卒業しましたが、会社に勤めていた頃は半導体デバイスの研究開発に携わり、そのために必要な物理を勉強しました。化学の知見を活かして新しい物質を作る方法と、物理の視点から物質の特性を深く知る方法の両方を学べる点が、マテリアル工学の一番の魅力だと思います。


牧浦 理恵 准教授

博士後期課程3年生 大畑 考司さん
西南学院高等学校卒業

Q.マテリアル工学を学ぼうと思った動機は何ですか?

小さい頃から魚釣りが趣味であり、魚の生体だけなく、折れずに魚を釣り上げる釣竿の材質に関心を抱くなどマテリアルにも強い好奇心を持っていました。中学生時代に、釣竿がカーボンファイバーでできていることを知り、鉛筆の芯の主成分と同じ炭素が強靭な材料として用いられることを興味深く感じました。このような経験から、材料、すなわちマテリアルに関して学び、マテリアルの開発に関わる職業に就く希望を抱くようになりました。

Q.マテリアル工学の勉強や研究を行っていて、楽しいと思ったことを教えて下さい。

4 年生になって研究室に配属されてからは、導電性ナノシートの研究に携わりました。自分でナノシートの作製、評価、デバイス化までの一連の研究を遂行できることや、未だ知られていない現象の発見者になり得る点に面白さを感じました。他の大学や研究施設に赴いて実験したり、研究成果を学会で発表して国内外の研究者と議論できることにも、やりがいを感じています。

ナノテク基盤材料研究グループ

Q.どのようなマテリアルを研究しているのですか?

究極に賢いマテリアル(スマートマテリアル)を作りたいと思っています。例えば、大気中から水を集めて回収する、体内で自由に動いて薬を運んだり患部を治療したり老廃物を排出したりする、温室効果ガスであるCO2を認識して吸収するなどの機能をもつマテリアルです。私達はビーカーの中で様々な薬品を混ぜ合わせて温めるという簡便な操作によるマテリアルの合成に挑戦しています。どのようなマテリアルができるのかを想像しながら実験を計画するのはとても楽しく、実際に新しいマテリアルが生まれた瞬間に立ち会うと感動します。

Q.どのような受験生にマテリアル工学科へ来て欲しいと思いますか?

マテリアルは社会を構成する基本的な要素であり、世界を変えることができるのは優れたマテリアルの実現であることは歴史が証明しています。例えば、CPUやストレージ、光ファイバなどに用いることのできるマテリアルの実現によって、世界はインターネットでつながり、物理的な距離はもはやコミュニケーションの障壁ではなくなりました。どんなに優れたアイデアがあっても、それを具現化するマテリアルがないと実現しません。社会や生活の大きな変革は、今後も新しいマテリアルの発見と共に訪れます。新しいマテリアルの発見で社会を変えてやろうという野心に燃えた学生と一緒に研究をしたいですね。


髙橋 雅英 教授

博士前期課程1年生 真下 理彩さん
兵庫県立西宮高等学校卒業

Q.マテリアル工学の勉強や研究を行っていて、楽しいと思ったことを教えて下さい。

今までとは違う視点で物質の特性を捉えられるようになったことです。材料化学の授業で、原子内の電子の性質について学び、ルビーが赤色に見える仕組みを知りました。それまで、当たり前のこととしてとらえていたルビーは赤色に見えるという「事実」が、電子に注目することで「おもしろい科学現象」に変わりました。原子・電子スケールで物質や現象を捉える世界は、マテリアル工学を勉強した人にしか見えないものであり、そこにマテリアル工学の面白さがあると思います。

Q.現在所属する専攻・学科の良い点は何ですか?

マテリアル工学科の良いところは、自身がデザインした物質を、合成から分析まで自分の手で行うことができるところです。合成に成功した時には、非常に大きな達成感が得られます。もちろん、思うようにいかない辛い時期もありますが、マテリアル工学科では先生方との距離が近く、気軽に研究の相談が行えるため、歩みをとどめることなく困難を乗り越えられます。また、国際交流も盛んであり、海外の一流の研究者との共同研究も経験しました。研究の面だけでなく、文化やコミュニケーションの面でも非常に大きな刺激を受け、自身の成長に繋がる貴重な機会となりました。

信頼性材料研究グループ

Q.どのようなマテリアルを研究しているのですか?

構造物に用いることができる、強くてしなやかな材料の開発を行っています。例えば、次世代の新幹線の車両構体として期待されている軽くて強い金属材料、風や地震の揺れから建物を守るための振動を吸収する金属材料、摩耗しない人工関節用の材料などです。これらの特性を発現するために、マイクロメートルあるいはナノメートルオーダーの微細な構造や原子の存在位置などを制御しています。

Q.マテリアル工学の魅力は何だと思いますか?

物理と化学の知識を用いて新物質を創製する、新物質の優れた機能がどのように発現しているのかを明らかにするといった基礎的な研究から、優れた機能を有する物質を世の中で使うことができる材料にするための工学的な研究まで、幅広い研究を行うことが可能な点だと思います。また、対象となる材料も幅広く、エネルギー、航空宇宙、医療など、様々な分野の開発に関与できるところも魅力です。


瀧川 順庸 教授

博士前期課程1年生 荒内 隆誓さん
兵庫県立加古川東高等学校卒業

Q.マテリアル工学を学ぼうと思った動機は何ですか?

高校生のころからビルや橋などの建造物を支える材料について興味があったからです。特に金属の硬さや強さについて学んでみたいと感じたので、マテリアル工学科に進学しました。現在は学部で学んだ材料強度などの知識を生かして、先輩や先生に相談しながら、高強度・高延性の金属材料の作製を研究しています。

Q.マテリアル工学の勉強や研究を行っていて、楽しいと思ったことを教えて下さい。

主に素材について研究する学科なので、世の中に存在しない新しい組成や構造を有した物質を作り出すことができるところが魅力だと思います。私の卒業研究では、学術論文ではほとんど達成例が報告されていないFe-Zn合金の組成調整に成功しました。マテリアル工学では試料を自分自身で作製することもあるので、それが新規性のあるものだとより一層達成感が得られると思います。

先端素形材・ものづくり研究グループ

Q.どのようなマテリアルを研究しているのですか?

高温でも強い金属材料の研究・開発を行っています。ジェット機や自動車のエンジン、発電プラントやゴミ焼却プラントなどでは運転温度が数百℃から千℃を越える高温になるため、使用されるマテリアルには高い耐熱性と強度特性が要求されます。しかし、金属材料に限らず、固体は高温になると軟化して弱くなるため、高温でも強いマテリアルを作るのは容易ではありません。私たちの研究室では、金属間化合物と呼ばれる特殊な合金を設計し、微細組織や構造を制御することで、これまでにない耐熱金属材料を作り出すことを目指して研究を進めています。

Q.マテリアル工学の魅力は何だと思いますか?

「もの」を作るには必ずマテリアルが必要です。あらゆる分野で、今あるものより優れたマテリアル、あるいは今までにない全く新しいマテリアルの開発が求められています。マテリアル工学を学ぶことで世の中に役立つマテリアルの研究・開発を行うことができます。物質・材料の原理・現象を科学的に解き明かし、新しいマテリアルの創製につなげる点がマテリアル工学の魅力です。


金野 泰幸 教授

博士前期課程2年生 大西 智也さん
大阪府立茨木高等学校卒業

Q.マテリアル工学を学ぼうと思った動機は何ですか?

新しいマテリアルを開発することで普段利用している製品がさらに「進化」するところに魅力を感じ、自分も学んでみたいと思ったからです。例えば、軽くて強い金属を開発し、車体を作ることで車の燃費がよくなったり、よりリサイクルに適したマテリアルを開発することで持続可能な社会づくりにつながったりと、ものづくりの質を上げることに関われるのがマテリアル工学の面白いところだと思います。

Q.マテリアル工学の勉強や研究を行っていて、楽しいと思ったことを教えて下さい。

私は金属材料についての研究をしていますが、一括りに金属といっても強い金属や柔らかい金属、錆びにくい金属などそれぞれ特徴があります。どうして金属の種類によって特徴が異なるのかを理解できることがマテリアル工学を勉強する楽しさだと思います。日々の研究を通じて、これまでにない現象や特性を見出し、新しい材料開発につなげられるところがマテリアル研究の醍醐味だと感じています。

社会基盤材料研究グループ

Q.どのようなマテリアルを研究しているのですか?

次世代の鉄鋼材料の基礎研究として、鉄にごく僅かな量だけ添加された炭素、ホウ素などの元素が、鉄の結晶中でどのような状態で存在しているか、どのように動き回っているかを主に研究しています。固体の中で原子が動く「拡散」の速さは金属・合金の力学特性や寿命などを司る重要な因子であり、そのメカニズムを正確に理解することは、優れた材料の設計に欠かせません。そのために必要な試料の作製手法や測定装置を独自に開発してユニーク&オリジナルな研究を進めています。

Q.どのような受験生にマテリアル工学科へ来て欲しいと思いますか?

「マテリアルって化学ですか?それとも物理?」と高校生からよく尋ねられます。マテリアルを学ぶ学科では、物理系の内容も化学の枠の中に入っていることがあります。どちらも「あり」です。マテリアルの科学は物理と化学の融合領域あるいは境界領域と言われることもありますが、もともと物理と化学に境界線はありません。化学が得意だけれど物理も興味がある、物理が好きなのだけれど数式ばかりというのはちょっと苦手、化学の実験を自分でやるのも楽しいので捨てがたい・・・、いずれにしてもサイエンスが好きなら是非どうぞ。


沼倉 宏 教授

4年生 住谷 望 さん
京都成章高等学校卒業

Q.マテリアル工学の勉強や研究を行っていて、楽しいと思ったことを教えて下さい。

手で持てるサイズの物体から原子の動きまで、 様々なスケールにおける物質の研究ができることです。それらは決して無関係に独立した内容ではなく、 統一的な理論で理解することができます。例えば、日本刀が非常に硬いのは熱した鉄鋼材料を急冷することで炭素原子の拡散を抑制しているからです。このように、材料の特性を根源から理解できることはマテリアル工学特有のやりがいのある点だと思います。

Q.マテリアル工学科はどのような受験生に向いていると思いますか?

「科学で世の中をよりよくしたい」と考える方に特にお勧めします。 スマートフォンを軽くするにも、 自動車の燃費をよくするにも、新しいマテリアルの開発が不可欠です。もし極めて軽くて強度の高い画期的なマテリアルが作られていたならば、今頃は宇宙エレベーターだって存在していたかもしれません。マテリアルの進化は世界を一変させます。そのようなヴィジョンのある方は是非ともマテリアルの研究に挑戦してみて下さい。

卒業生からのメッセージ

マテリアル工学科で得た知識や考え方はものづくりの基礎になっています

Education

大阪府立大学 工学域 物質化学系学類 マテリアル工学課程:
2017年3月卒業
大阪府立大学 大学院工学硏究科 物質・化学系専攻 マテリアル工学分野 博士前期課程:
2019年3月修了

私は、土木・建築用の柱や梁に使用されるH形鋼の製造に携わっており、品質の改善と新商品の開発に取り組んでいます。いずれの業務においても、製品に使用する材料の成分から製造プロセスまで一貫した知識が必要であり、学生時代に学んだマテリアル工学の知識を活用して取り組んでいます。材料組織・強度学、材料プロセス制御・設計などの科目を学ぶことによって、材料を幅広い視野で捉える目を養うことができたと感じます。また、新しい製品を作るために必要な工程や設備は何か?を提案する引き出しにつながる考え方が身についたと思います。今後は、画期的な新商品を作り、その商品が何十年も社会で役立つところを見るのが目標です。 マテリアル工学は、ものづくりをする上で必要不可欠な学問です。材料のミクロな性質や設計から、マクロな製造プロセスまで幅広く学べます。将来、世の中にない新しいものを作り出したいという人にはもってこいの学問だと思います。


日本製鉄株式会社 形鋼部 形鋼技術室
大手 里奈 さん

「明日の地図」 を作るのは思考力と行動力

Education

大阪府立大学 工学域 物質化学系学類 マテリアル工学課程 :
2014年3月卒業
大阪府立大学 大学院工学硏究科 物質・化学系専攻 マテリアル工学分野 
博士前期課程 : 2016年3月修了
博士後期課程 : 2019年3月修了

私は自動車部品メーカーで、100年続いたガソリンエンジン車に置き換わる電気自動車の心臓となるモータの設計を行っています。日々激しいゲームチェンジが起こっている自動車業界で働いてみて思うことは、技術を深堀りできると同時に、新しい事業を考える思考力と実行に移す行動力を持つ人材が求められているということです。そうした素養を身に着けるためにモノだけでなくサービス、ビジネスの仕組みを知ることも重要となりますが、日常業務に従事するだけではなかなか学べない部分もあります。そこで私は社内横断的な有志活動や社外ベンチャーに参加して、新しい事業の立ち上げを目指しています。 マテリアル工学科には様々な研究室があります。私は研究室での活動を通じて、仮説と検証を繰り返し物事の本質を探っていくというプロセスを経験しました。この経験が、今の自分の活動の源泉になっていると思います。また、博士課程学生に対するサポートプログラムを通じ、他学科の学生とともに新しい事業のアイディアを真剣に考えた経験も自分の視野を大きく広げてくれたと思います。皆さんにはマテリアル工学科という素晴らしい環境をうまく使いこなして、世界に羽ばたいてほしいと思います。


株式会社デンソー エレクトリック機器技術部 設計2室
小谷 厚博 さん

自分の興味を掘り進めて大阪から世界へ羽ばたけ

Education

大阪府立大学 大学院工学硏究科 物質・化学系専攻 マテリアル工学分野 
博士前期課程 : 2014年3月修了
博士後期課程 : 2017年3月修了
カリアリ大学(イタリア共和国)  Dottorato in Scienze e Tecnologie Chimiche  
博士課程 : 2017年3月修了

私は、現在、大学で材料科学に携わりながら、無機化学の研究をしています。溶液中での化学反応を活用して、半導体、ナノ金属、蛍光体など無機材料の開発を行っています。マテリアル工学科で学んだ、素材の特徴、結晶構造、物性などの知識は、新しいモノを設計する上で重要な基盤となっています。 マテリアル工学科では、講義やセミナーで最先端の材料研究に触れることができます。私は様々な材料に魅せられ、興味を掘り進めるうちに海外の大学院へ進学しました。大学によるサポートやダブルディグリー制度のお陰で、日本とイタリアの両方で博士号を取得できました。マテリアル工学科は、自分の興味を徹底的に追求し、国際的に活躍できる能力を育むための素晴らしい環境を提供してくれたと思います。 優れたモノづくりのためには、多角的な知識や技術、経験を集約することが不可欠です。マテリアル工学科で材料への興味と専門を深め、最先端のモノづくりを体感し、そして世界へと羽ばたいてください。


滋賀県立大学 工学部 材料科学科 金属材料研究室 講師
鈴木 一正 さん