マテリアル工学科 (学部) 紹介

人材養成の方針

 マテリアル工学科では、「材料物性学」、「材料化学」、「材料工学」など、世の中を支えている材料を理解するのに必要な学問を学ぶことで、材料の科学と工学の基礎概念と学理を理解し、科学的基礎に基づいたものづくりに必要な材料設計理論、素材の合成技術、組織観察技術、物性や構造の評価解析技術を身につけた、社会の高度化を担う国際性豊かな創造力溢れる人材を育成します。

卒業認定・学位授与の方針 (ディプロマ・ポリシー)

 マテリアル工学科では、工学部のカリキュラムに沿って、以下の能力を身に付けたものに学士(工学)の学位を授与します。

  1. 基幹教育および基礎教育により豊かな教養を身に付けるとともに、マテリアル工学に関する専門能力を備えた人材として社会において果たす役割を認識することができる。
  2. 地球環境保全、資源・エネルギー、情報社会など、あらゆる科学・技術分野の基盤をなすマテリアル工学に関する専門知識と技術を体系的に学び、それらを様々な科学・技術分野の工学に応用できる。
  3. 日本語で、マテリアル工学の専門に関する文章を読み、書くことができ、科学的・論理的な議論ができる。
  4. 英語による、論理的な記述力、口頭発表力、討議などの国際的コミュニケーション能力を高め、異文化との交流を行う対話能力と表現能力を身に付けている。
  5. マテリアル工学に関する専門知識を生涯に亘って、自主的、継続的に学習する能力を身に付けている。
  6. インターネットなどを用いてマテリアル工学の専門に関する情報を収集・分析し、その価値判断をすることができる。
  7. マテリアル工学に関する専門知識を利用することにより、対象とする事柄について工学的手法を用いて分析することができる。
  8. 技術が社会に及ぼす影響を認識し、技術者が社会に対して負っている責任を自覚し、高い倫理観をもっている。
  9. マテリアル工学に関する専門知識を利用することにより、社会の様々な問題を解決するための創造能力を身に付けている。

教育課程編成・実施の方針 (カリキュラム・ポリシー)

 工学部マテリアル工学科における教育課程の編制方針については、以下のように定めます。

  1. 「工学部およびマテリアル工学科のディプロマ・ポリシー」の達成を目的として、教育課程を編成する。
  2. 工学の基礎に根ざした学問の系統性と順次性を尊重して、基幹教育科目、基礎教育科目、ならびに専門科目(学部共通科目、導入科目、学科専門科目)により構成される整合性・一貫性を具備し、体系化された教育課程を編成する。
  3. 基幹教育科目の履修により、教養豊かな人間性を涵養し、幅広い学修成果を身に付けさせる。基礎教育科目の履修により、工学を学ぶために必要な自然科学全般についての基盤的知識を修得させるとともに、生涯に亘る学びの基礎を築く。専門科目の中でも、特に物質化学生命系で必要とされる科目を導入科目(無機化学序論、物理化学序論)として指定する。
  4. 1年次では、学生の幅広い学修を保証し、豊かな教養を涵養するために必要な基幹教育科目を中心に配当する。同時に、4年間の学士課程教育の基礎を構築するため、基礎教育科目を適切に配当する。例えば、マテリアル工学に必要な数学・物理学・化学に関する必修を中心とする科目である。また、物質化学生命系に関連した分野で学ぶ学問分野全般を俯瞰する視点を獲得し、2年次以降に学習する専門科目への接続を円滑にするため、1年次にマテリアル工学の入門的な専門科目(マテリアル工学概論)を配当する。
  5. 2年次では、初年次の基幹教育科目と基礎教育科目を中心とする教育で得られた基礎的で幅広い学修成果を、3年次以降のより専門的な科目履修に繋げることを目的として、基礎教育科目(数学と物理学の科目)と基礎的な専門科目(材料物理化学基礎、初等結晶学、材料化学基礎、熱・統計力学、初等量子論)を中心に配当する。また、技術者・研究者としての倫理観を涵養するため科目(工学倫理、環境倫理)を配当する。
  6. 3年次以降では、マテリアル工学科の柱となる材料物性・材料化学・材料物理化学・材料強度に関する専門科目(マテリアル工学実験1,2,3、固体物性1, 2、材料化学1, 2、材料物理化学1, 2、材料強度1, 2)を中心に配当し、講義・実験などを通して、マテリアル工学領域における問題解決に工学的手法を用いて分析・応用できる能力を修得させる。また、英語による論理的な記述力、口頭発表力、討議などの国際的コミュニケーション能力、異文化との交流を行う対話能力、表現能力を習得させる(マテリアル工学英語基礎)。
  7. 4年次にはマテリアル工学卒業研究A,Bが必修であり、マテリアル工学分野における最先端の研究テーマを設定して学生の研究意欲を高め、系統的な研究指導により基礎的な研究能力を修得させる。また、インターネットなどを用いてマテリアル工学の専門に関する情報を収集、文章を読み、理解することを通して、科学的・論理的な議論その価値判断をすることができる能力を習得させる。卒業研究履修には履修資格を設定する。

カリキュラムの概要

マテリアル工学科 では、持続可能社会に必要な金属材料、セラミックス材料、ハイブリッド材料などの様々なマテリアルに関する専門的な知識を身につけることを目標とした教育を行います。マテリアルの研究・開発現場において能力を発揮できる思考力、課題解決力、コミュニケーション力と、科学者・エンジニアとして必要な倫理観を兼ね備えた人材を育成するため、自然科学、外国語、一般教養などを中心とした基幹教育科目から、マテリアル工学の専門科目までを体系的に学べるカリキュラムを用意しています。

  1. 1年次は、数学・物理学・化学に関する基幹教育科目のほか、外国語科目、プログラミング、健康スポーツ科目、教養科目などを学びます。 また、化学・物理に関する実験科目では、実験手法やレポートの作成方法について学びます。 1年前期のマテリアル工学概論では、マテリアル工学科の研究室で行われている研究内容を紹介します。
  2. 2年次は、結晶学、材料物理化学、量子論などのマテリアル工学の入り口となる専門科目のほか、研究倫理に関する科目を学びます。
  3. 3年次は、材料物性、材料化学、材料工学に関する専門的な内容を本格的に学習します。マテリアル工学に関する実験科目では、卒業研究に必要な知識・実験技術の習得を目指します。
  4. 4年次は、材料物性、材料化学、材料工学の研究を行う研究室に配属され、卒業研究に取り組みます。卒業論文の執筆や、卒業研究発表会での発表・質疑・討論を通じて、マテリアル工学の研究・開発現場で必要とされる基本的な研究能力を身につけます。

取得可能な資格

 マテリアル工学科に卒業単位を履修し卒業した者については、甲種危険物取扱者(消防法に基づくすべての種類の危険物)の受験資格を得ることができます。

 教職課程としては、中学校一種(理科)、高校一種(理科)、高校一種(工業)の認定を受けることができます。

資格等名 取得の種類 資格取得の条件等
甲種危険物取扱者 国家資格 マテリアル工学科を卒業し、(一般財団法人)消防試験研究センターが行う筆記試験に合格すること。
中学校教諭一種免許状(理科) 国家資格 必要な科目の履修、教育実習等の実施、課程の卒業を経て、資格取得が可能。
高等学校教諭一種免許状(理科) 国家資格 必要な科目の履修、教育実習等の実施、課程の卒業を経て、資格取得が可能。

入学者受入れの方針 (アドミッション・ポリシー)

 現代の文明を象徴する様々な機器は、目的に応じたいくつもの「材料」によって構成されています。すなわち、時代の進歩には新しい材料の設計と開発が求められています。マテリアル工学科では、豊かな社会を築くため、最先端の材料に関する教育研究を行うことにより、幅広い視野と豊かな人間性、深い教養と厳格な倫理観をもった国際的に活躍できる技術者・研究者を育てることを目標としています。

 したがって、マテリアル工学科では、工学部のアドミッション・ポリシーに加え、次のような学生を求めます。

  1. 科学・技術の基盤であるマテリアル工学に強い関心があり、地球環境と調和した豊かな社会の発展に貢献する意欲をもっている人
  2. 論理的な思考力と豊かな創造力の獲得をめざし、勉学意欲に溢れる人
  3. 外国語能力に優れ、国際的視野をもって社会に貢献することを目指す人
  4. 高い倫理観をもって課題解決に意欲的に取り組む人

入学者選抜の方法と体制

 上記のような学生を選抜するために、工学部及びマテリアル工学科のディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー及びアドミッション・ポリシーを踏まえ、以下の選抜において様々な要素を測る。

一般選抜

 募集定員は40 名とする。マテリアル工学科に必要な素養を有していること、大学で学修するための基礎学力(知識・技能、思考力・判断力・表現力)を有していることを、大学入学共通テストによって評価する。工学の学修・研究に必要な数学、理科(物理・化学)、英語に関する高い学力(知識・技能、思考力・判断力・表現力)を有していることを、個別学力検査の数学、理科(物理・化学)、英語によって評価する。工学の学修・研究に必要な主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)を有していることを、調査書によって評価する。前期日程入試では、総合的な学力を重視し、中期日程では専門性を重視し理系科目を重点的に評価する。

学校推薦型選抜

 募集定員は3 名とする。高等学校における教科・科目を文理ともに広く学習し、マテリアル工学科に必要な素養を有していること、大学で学修するための高い基礎学力を有していることを、調査書、推薦書によって評価する。また、修学に必要な基礎的な知識を有していることを、大学入学共通テスト、口述試験・面接によって評価する。 

多様な学生の受入

 マテリアル工学科では、学士授与までに多様な経験と学習学修形態を有する学生を受け入れるため、一般選抜入試に加え、学校推薦型特別選抜、私費外国人留学生特別選抜、一般編入学選抜試験および外国人特別編入学選抜を行う。 

私費外国人留学生特別選抜

募集定員は若干名とする。マテリアル工学科に必要な素養を有していること、大学で学修するための基礎学力(知識・技能、思考力・判断力・表現力)ならびに日本語能力を有していることを、日本留学試験、口述試験・面接、出願書類によって評価する。また、数学、理科(物理・化学)、英語の高い学力(知識・技能、思考力・判断力・表現力)を有していることを、個別学力検査の数学、理科(物理・化学)、英語および日本留学試験の数学、理科によって評価する。さらに、工学の学修・研究に必要な主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)を有していることを、出願書類によって評価する。

留学生には、必要に応じてTAが配置され勉学の支援をするとともに、専任教員のアドバイザーが配置され、異国での慣れない生活への不安を解消し各種奨学金制度への応募を手助けする。なお、経費支弁能力や在籍管理については、入学後留学生アドバイザー教員が定期的に確認することとしている。

一般編入学試験、外国人特別編入学試験

 募集定員は4名とし、それぞれ3年次に受け入れる。一般編入学試験では、学科の専門教育を希望する短期大学や工業高等専門学校等の卒業者など、多様な経歴を有する学生を受け入れる。外国人特別選抜編入学試験では、協定を締結している外国の大学からの学生を受け入れる。

<筆記試験対象者> 
マテリアル工学科に必要な素養を有していること、大学で学修するための高い基礎学力を有していることを、面接、最終出身学校又は在籍学校の成績証明書によって評価する。また、物理および化学の素養を有していることを、個別学力検査の専門科目(量子論基礎、熱力学、無機化学)によって評価する。さらに、英文を読解し、書いて表現するための基礎的な能力を有していることを、TOEFL又はTOEIC 又はIELTS の成績によって評価する。 

<口述試験対象者> 
マテリアル工学科に必要な素養を有していること、大学で学修するための高い基礎学力を有していることを、口頭試問と面接、最終出身学校又は在籍学校の成績証明書によって評価する。さらに、英文を読解し、書いて表現するための基礎的な能力を有していることを、TOEFL又はTOEIC 又はIELTS の成績によって評価する。 

科目等履修生

 正規の学生以外が、授業科目の履修を希望する場合、正規の学生の履修を妨げない範囲内で科目等履修生として受け入れる。