お知らせ
2025年6月26日
- 実験
2025年度 探求課題テーマ及び概要について
夏休み期間中に実施する「探求課題(実験・研究活動)」のテーマと概要をお知らせします。
受講生の皆様は、いずれかのテーマで活動を行います。
1. つくる・冷やす・浮かせる!体験する超伝導
超伝導とは、金属やある特定の化合物をとても低い温度に冷やすと、電気抵抗がゼロになる現象です。
エネルギーをムダにしない夢の技術として、送電線や医療機器への応用が期待されています。この実験では、マイナス185℃付近で超伝導になる材料を自分たちでつくります。原料を量ってまぜて、高温の電気炉で焼き固めたあと、できた試料の性質を詳しく調べます。電気抵抗やX線回折を測定して、自分の手で確認しながら超伝導のしくみを深く理解します。不思議でかっこいい超伝導の世界を一緒に体験しよう。
2. 分子を数える:ブラウン運動のふしぎ
水中に浮遊する小さな粒子が不規則に動く現象をブラウン運動といい、水分子が粒子に衝突することで起こります。この実験では、ブラウン運動の観察から物質の基本的な性質を表す「アボガドロ定数」を決定することを考察し、分子の存在を身近なものに感じることを目的としています。この課題によって、分子の存在を証明してノーベル賞を受賞したジャン・ペランによる有名な実験を体験することができます。
3. 水と仲良くなる不思議な力?プラズマで撥水の表面を親水化してみよう!
皆さんの身近なものである弁当箱、ペットボトル、スマートフォンケースは、表面に水がつきやすい親水性の性質であれば、お弁当の食べものが取れにくく、ペットボトル内に飲みものが残ってしまい、スマホのケースは汚れやすくなりかねません。一般的にプラスチック製品の表面は撥水性です。しかし、生命科学や医学分野で細胞を培養するために広く使われているバイオ皿はプラスチックで出来ていますが、内壁は低温プラズマを用いて親水化処理が行われています。本テーマでは低温大気圧プラズマのことを学び、撥水性の材料であるポリスチレン、人工骨、自然のものに対してプラズマ親水化処理を行ってみましょう。
4. micro:bitでつくる計測・制御システム
身近な家電製品や電気機器、車両などにはセンサーや小さなコンピューター(マイコン)の働きで動作や機能を自動的にコントロールする「制御工学」の仕組みが取り入れられています。この活動では、「micro:bit」という手のひらに収まるサイズにセンサーやLEDを搭載したマイコンボードを用いて、プログラミンで命令したい(制御したい)内容をデザインして、そのプログラミングの命令で動くシステムを作製し、「計測・制御」について学びます。
5. 小さな絵を描こう~微細加工のすすめ~
私たちの身の回りは電子機器であふれています。これらの心臓部、半導体集積回路の微細な回路パターンは光を使ったパターン成型技術、フォトリソグラフィを用いて作られています。本テーマでは実際にフォトリソグラフィを用いてシリコン基板上に自分の好きな絵を描きます。実験は空気中の埃を排除したクリーンルームで行います。