所長メッセージ

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所長:理学研究科 教授 久保田 佳基

中学生の理科離れが指摘されるようになって久しいですが、依然としてその状況は変わっていません。日本の将来を担う科学人材の育成は大変重要な課題です。小学生の時に理科好きだった子どもたちが、中学生になると大幅に減少することには様々な要因が考えられます。自然科学の面白い現象や性質を数式を用いて理論的に理解しようとする授業内容への変化はそのひとつと考えられます。これは科学の理解と発展に必要不可欠なものであるため、私たちはその困難を凌駕する科学の魅力を伝え、自らの手で観察や実験を行う探求の場を提供することが重要と考えます。

「未来の博士育成ラボラトリー」は中学生を対象とし、本学理系教員が開発した高度で多様な年間プログラムを実施し、「自ら手を動かし自ら考え」「広い視野から探求し」「高度な課題に挑戦し」「発見した成果を分かりやすく伝えられる」科学リテラシーの育成・伸長と探求心の向上を図ります。

 また、本プログラムでは、堺市教育センターや大阪公立大学工業高等専門学校、大阪府立環境農林水産総合研究所と連携しながら、大学院生・大学生、そして、本プログラムOBOGの高校生が活動に関わり、初等教育から社会までシームレスな陣容により受講生を育成するところに強みがあります。 

大阪公立大学は府市大学統合により2022年度より総合大学となりました。本プログラムでは本学が目指す「総合知を大切にした教育」を基盤にし、多様なSTEAMプログラムを提供することにより、理系のみならず様々な分野で持続可能な未来社会を築いていく次世代の科学人材育成に取り組んで参ります。