活動情報

2023年8月4日

  • 実験

【科学実験講座】落下する磁石のサイエンス

■日時 8月4日(金)13時30分~15時00分

■会場 大阪公立大学 I-siteなんば

■内容 落下する磁石のサイエンス

■概要 この公開講座は、ネオジム磁石を金属パイプの中に落とし、その挙動を観察することで磁場と金属の相互作用を学ぶことを主眼に実施した。まず始めに、50 cm の高さから物体を落とした際の基準となる落下時間を演示により解説した。パイプは、アクリル、アルミニウム、銅の三種類を用意し、受講生は二人一組になって協力してパイプの中を落ちていく磁石の様子を観察した。落下の時間は 5 回測定し、パイプごとに平均値を算出した。パイプの種類が変わると磁石の落下時間が変わる。銅やアルミニウムなどの金属製のパイプでは、磁場が時間変化することでパイプに誘導電流が生じ、磁石の落下を妨げる磁場が作られる。その結果、磁石は減速し、落下する時間は長くなる。電気伝導率の良い銅パイプでの落下時間は、アルミニウムに比べて約 1.7 倍に長くなり、およそ電気伝導率の比になることが確認できた。講師 4 名が受講生に寄り添い、必要に応じて実験を支援した。

ほぼ全ての受講生から実験は面白かったと評価された。落下という身近な現象を磁石と金属に置き換えただけで、予想を上回る現象を観測できたことが好意的な感想につながったと考えられる。実験の難易度を問うと「少し難しかった」という意見が全体の半数に達した。演示実験で物理を可視化し、身近な応用例を挙げながら解説したものの、中学 1 年を中心とする受講生には電気と磁気の相互作用は難解なテーマであったように思う。そういう状況においても、全ての受講生がこの講座での体験が今後の学びや将来を考えるきっかけになったと評価した。未来の博士育成ラボラトリーが取り組む高度人材育成プログラムに資する講座になったと考えられる。

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