概要

設立の趣旨

 人工光合成研究とは、完全なクリーンエネルギーの実現に向けた技術開発です。今後、産学官が一体となり、一層活発に行われる研究分野でもあります。
 大阪公立大学では、環境問題の解決および新エネルギーの創出に係る研究を重点研究課題の一つとして挙げており、中でも、二酸化炭素を利用を中心とした人工光合成研究 に関しては、国内外においてトップレベルにあります。
 本学の人工光合成に係る研究においては、さまざまな外部資金に採択され、その成果が、「Nature」に取り上げられるなど、世界的に注目を集めています。
 本施設は、このような基礎研究において一定の成果をあげた、人工光合成研究の実用化に向けた新たなステージに取り組むことを目的として設立されました。

センターの組織

 本センターは、人工光合成研究およびその周辺技術に関する応用研究を推進する中核拠点として機能するために、多様な分野の研究者によって組織された拠点です。センターは生体触媒研究部門、化学反応場研究部門及び生体エネルギー論研究部門の3つの基盤研究部門で構成されており、さまざまな分野の共同研究等に対応することが可能です。

人工光合成研究開発でめざすもの

 石油依存からの脱却・低炭素社会の実現が喫緊の社会課題となっています。人工光合成研究センターでは、太陽光エネルギーと水と二酸化炭素から石油に代わるクリーンなエネルギーの創出や、排出された二酸化炭素を取り込んで循環する仕組みを確立すること、二酸化炭素からのものづくりを実現させるために、異なる分野の研究である固体触媒と生体触媒に加えて二酸化炭素を資源として有用物に変換する触媒の研究者が連携し、新しい技術の確立を目指すとともに実用化に向け、効率的な企業等との産学官連携研究に取り組んでいます。

沿革

平成19(2007) 大阪市立大学複合先端研究機構設立
平成20(2008)年4月 「次世代エネルギーの開拓と産業応用」の研究プロジェクト始動
平成23(2011)年4月 神谷信夫教授(複合先端研究機構)等の論文" Crystal structure of oxygen-evolving photosystem II at a resolution of 1.9 Å "、Nature誌電子版掲載
平成23(2011)年12月 神谷信夫教授等の光合成に関する研究を米サイエンス誌が「ブレークスルー・オブ・ザ・イヤー2011」に選出
平成24(2012)年1月 神谷信夫教授「光合成における水分解・酸素発生の分子機構の解明」で朝日賞受賞
平成24(2012)年6月 人工光合成の実用化のための企業との共同研究の拠点として人工光合成研究センターの着工
平成25(2013)年3月 人工光合成研究センターの竣工
平成25(2013)年6月 人工光合成研究センターの開所
平成28(2016)年4月 文部科学省共同利用・共同研究拠点「人工光合成研究拠点」認定
平成30(2018)年6月 人工光合成研究センター5周年
令和2(2020)年4月 人工光合成研究センター部局化
令和4(2022)年4月 大阪公立大学開学に伴い研究推進機構 人工光合成研究センターとなる
令和5(2023)年4月 文部科学省共同利用・共同研究拠点「触媒化学計測共同研究拠点」認定
令和5(2023)年6月 人工光合成研究センター10周年

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