辻岡哲夫
研究テーマ
環境センシングのための柔軟な無線通信方式
情報化社会の発展により,モノからデータに価値が移りつつあります.データの陳腐化の速度も速まり,常に新しいデータを蓄積する必要があり,データを取得するための環境センシングネットワークの構築が重要となっています.安価に,勝手に,どのような環境からも,大量のデータを取得するためには,ハードウェア/ソフトウェアの最適化に加えて,強靱な回路設計,部品点数の削減,省電力化など,さまざまな知見が必要とされます.我々は,様々な実用化装置の開発を通して,これらの課題を解決します.
使いやすいWebデータベースシステム
これまでの検索エンジンは,キーワードを入力して目的の結果を得るものがほとんどです.あるいは,これを検索した人はこれも閲覧していますといった,類似検索,関連検索のような手段も提供されています.我々は,このようなキーワード検索,類似検索,関連検索の範囲を超えた,新しい知的な検索手段を検討しています.誰もが使いやすいWebデータベースシステムを構築することを目指しています.
参考: 電子情報通信学会 ISS誌 100号(pp.4~10)「研究会システム 開発者インタビュー」
生活の役に立つ通信システム
無線通信は,生活に欠かせないものとなっています.つながることが当たり前となった現在においても,未だに「人と人」あるいは「人とサーバ装置」での利用がほとんどです.今後は,人の操作を介さない「物と物の通信」を一層高度化させることが重要です.例えば,健康監視システムを構築すれば,サーバが無線通信ネットワークを利用して情報を収集し,24時間,生活を見守ることができるようになります.調理中の食品の状態をセンシングするシステムを実現できれば,自動的に安定した食品加工を実現できます.AIカメラを搭載したアーチェリーの弓を開発すれば,視覚障がい者の方でも競技を楽しむことができます.このようなセンシング技術・通信技術の応用によって,当たり前のように生活が豊かになっている,健康を維持できる,安心できる,楽しめるといった効果が得られる通信システムの研究開発を行っています.
吹き戻し棒を応用した肺機能評価機器の研究開発
吹き戻し棒が健康維持・健康増進教室で注目されています.医療機器とくらべて,吹き戻し棒は高齢者や肺疾患者にとって親しみやすく,長期間にわたって運動をしたり,リハビリテーションをするのに適しています.我々は電子化された吹き戻し棒を試作し,肺機能評価を行うことに取り組んでいます.これまでは,吹き戻しの強度や回数については定量的に評価されていませんでしたが,センサ類を内臓した電子化された吹き戻し棒を用いることでそれが可能になります.また,ネットワークに接続して,客観的かつ正確な運動管理ができるようになります.
学生時代について
※ 以下は学生との接点情報として載せています.
アマチュア無線を通して無線工学,通信工学を学びました.現在も時間の許す限りJL3YMCのコールサインでコンテスト参加を続けています.
Ultima (ウルティマ) 1,2 日本語版のゲームプログラマーの経験を通して,大規模プログラミングを学びました(大学2年生).
オンラインソフトの開発・提供や外国でのプログラマーの経験を通して,実用化プログラミングを学びました.写真はPC-8001上で動作する68000クロスアセンブラが完成したときの写真と,夏休みに外国を訪れてIBM-PC XTの財務会計処理のプログラマーを担当したときの写真です.
ボードコンピュータを設計・製作することで,電子回路,デジタル回路を学びました.写真は68000の自作ワンボードコンピュータです.MIDI FM音源の制御用です.
大学生協食堂の厨房で働きながら,食の大切さを学びました(大学1~4年生).
沢山の本を買って,機械語やコンパイラの動作を習得しました.
休日は登山に出かけました.槍ヶ岳北鎌尾根を千天出合からP2を経て登ったときの写真です.
大学4年生のとき,故・鈴木洋一先生に出会い,写真撮影について考え方が変わりました.
学生のみなさんも,ぜひ,時間のある学生のうちに,様々なことにチャレンジしてください.