高校生のための公大授業

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大阪市立大学と大阪府立大学を母体に今春開学する大阪公立大学では、2022年4月29日(金・祝)に杉本キャンパスにおいて高校生のための「公大授業」を開催します。
大阪市立大学ではこれまで主に高校生の皆さんに、授業やキャンパスの雰囲気を体験してもらい、大学で学ぶことの楽しさを感じていただくことを目的として毎年”市大授業”を開催してきましたが、新大学開学に伴い、「公大授業」と名を改め、実施します。
文学部・理学部の教員によるさまざまな分野の授業をはじめ、文学部学生とのフリートーク、国内最大級の規模を誇る大学図書館である学術情報総合センター(杉本図書館)の施設見学会を開催します。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、対面での開催は3年ぶりとなります。ぜひこの機会にご参加ください。
開催日時
2022年4月29日(金・祝)12:30~17:00 ※受付11:30~
会場
大阪公立大学 杉本キャンパス(大阪市住吉区杉本3-3-138)
●文学部 1号館
●理学部 全学共通教育棟・基礎教育実験棟
●施設見学会 学術情報総合センター(杉本図書館)
申し込みの流れと注意事項
Web申込のみ
お申し込みにはメールアドレスが必要です。
(2)注意事項の確認
・申し込みは1回につき1名のみです。
・受講できる講義数に制限はありませんが、他の講義と受講時間が重ならないようにご注意ください。
※本講義は、新型コロナウイルス感染防止対策を講じて開催します。また、感染拡大の状況により、開催方式の変更または中止の可能性があります。
プログラム
※各時限より1講義ずつ申込可(フリートークと施設見学会は申込不要)
1時限目 12:30~13:40
【文1A】 古文書が語る地域の歴史~日本史研究室の合同調査~
この講義では、日本史研究室が続けてきた地域の歴史調査について紹介します。日本の社会では中世後期から近世にかけて、各地の村や町(ちょう)、商手工業者の組合などで、日々の暮らしや活動にかかわってたくさんの古文書が作成され、保管されるようになりました。それらの古文書を読み解くことで、現代にもつながる村や町などの地域社会がどのように形成されてきたのか、地域調査の意義なども含めて考えたいと思います。 |
文学部 哲学歴史学科 日本史コース 齊藤 紘子 准教授 |
【文1B】 『グリム童話』の注釈を読む 「ヘンゼルとグレーテル」や「白雪姫」でお馴染みの『グリム童話』に、編さん者のグリム兄弟自身がまとめた『注釈集』があるのをご存じですか。その内容を注意深く検討すると、有名なお話や断片のように見えたお話の意外な側面が立ち現れます。本講義では、こうした事例を紹介しつつ、注釈に見られるある興味深い傾向に着目し、そこから見えてくるグリム兄弟の問題意識を18~19世紀ドイツの文化的状況との関連から考察します。 |
文学部 言語文化学科 ドイツ語圏 言語文化コース 長谷川 健一 准教授 |
【理1E】 変分原理に基づく数学 測地学に起源をもつ変分法を紹介します。平面上の 2 点間の最短距離は高校数学の範疇(はんちゅう)で求められますが、これを変分原理に基づき考えます。これは曲線に対する変分法であり、変分原理の典型的な問題として知られています。本講義では、曲線に対する変分法から曲面に代表される幾何学的対象に対する変分法までを紀元前に遡る変分法の歴史をとおして講じます。 |
理学部 数学科 田中 潮 准教授 |
【理1F】 光が拓く新しい生命科学 21 世紀は光の時代と言われ、光技術は生命科学や医学、工学をはじめとしてさまざまな分野において利用されています。光と物質との相互作用は多様であり、光を駆使して生体分子の構造や生体内の化学反応過程を明らかにする研究が生命科学の潮流となりつつあります。光の特徴を活かし、細胞をありのままに診る、さらには操るツールとしても活用されています。ここでは、光が切り拓く新しい生命科学の世界について紹介します。 |
理学部 化学科 細川 千絵 教授 |
2時限目 14:10~15:20
【文2C】 社会的な課題と向きあう私たち~東日本大震災からみる現代日本社会~
2011年におこった東日本大震災という大きな社会的課題に日本社会はどのように対応したでしょうか。国・地方自治体や民間の営利企業だけでなく、NPOなどの民間非営利組織から構成されるサードセクターなど、新しい主体も様々な対応を行いました。このような対応を見ることから、現代日本社会にどのような変化がおこっているか、今後みなさんが生きる時代がどうなるのかを考えます。 |
文学部 人間行動学科 地理学コース 菅野 拓 准教授 |
【文2D】 「絵を読む」こと〜美術史学の魅力〜 「絵」は描かれた時代の政治的、社会的な背景を、映し出してしまうものです。どのような人が、どのような時代に描いたのか。いったい「何」を「どう」描いたのか。それを読み解いていくことが、美術史学の醍醐味です。「面白い」にとどまらない絵の魅力を分析する学びの先には、美術館のキュレイターなど専門職での仕事も用意されています。専門である日本近世近代美術史の一断面をご紹介しつつ、美術史学の魅力に迫ります。 |
文学部 文化構想学科 文化資源コース 菅原 真弓 教授 |
【理2G】 プレート沈み込みによる日本列島の形成と現在の活動 日本列島は数億年にわたるプレートの沈み込みに伴って形成され、現在も活発な地震・火山活動が起きています。日本列島に分布する様々な時代の岩石や地層を調べることでプレート沈み込みに伴う日本列島の形成過程を知ることができます。また、地震波などの観測から現在の状態や活動が分かります。さらに、両者を組み合わせることで、直接見ることができない地下深部の現象や過去の地球の活動も推定することができます。この講義では、これらの内容について解説します。 |
理学部 地球学科 石井 和彦 准教授 |
【理2H】 脂肪細胞はどんな細胞?~生活習慣病との関係~ 私たちの身体には脂肪細胞という細胞がありますが、脂肪細胞には 3 種類存在しています。皆さんがよく耳にする『脂肪』というのは、皮下脂肪や内臓脂肪に存在している白色脂肪細胞を指します。この白色脂肪細胞が体にたくさんあると、肥満となってしまうので嫌われがちな細胞ですが、生命を維持するためには必要な細胞です。この講義では、白色脂肪細胞を中心に、脂肪細胞の生体内での役割、また、生活習慣病との関係についてもご紹介しようと思います。 |
理学部 生物化学科 竹中 延之 准教授 |
3時限目 15:50~17:00
文学部学生とのフリートーク ※申込不要 |
【協力】 大阪公立大学 文学部・文学研究科 教育促進支援機構 |
【理3I】 全ての物質を構成する素粒子とは何か? 私たちの身の回りにある物質を小さく分解していくと、最後には何が残るでしょうか。例えば水分子は酸素原子1 つと水素原子2つに分解できますが、原子もまた電子と原子核に分解できます。このような分解の果てにある、それ以上分解できない粒子を「素粒子」と呼びます。この講義では、素粒子の不思議な性質と、それを物理学者がどのように理解しているかについてお話しします。 |
理学部 物理学科 西中 崇博 准教授 |
【理3J】 宇宙で植物を育てる~植物の生長に対する重力の影響~ 植物の成長や形態に対する重力の影響としては、重力の方向に対する応答である重力屈性がよく知られています。さらに、植物では重力の力に対抗して、体を構築・維持する抗重力反応があることが示されています。宇宙の微小重力環境では、重力そのものの大きさがなくなることでその方向性も失われ、植物体の成長や形態などに様々な変化が起こります。この講義では、これまでの宇宙植物学実験で得られた結果について紹介します。 |
理学部 生物学科 若林 和幸 准教授 |
所属・職位の表記は2022年4月時点に予定しているものです。
施設見学会 13:40~17:00 (最終入館は16:30)