鴨長明 その人と文学(2025年度)

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2025年4月8日(火)~6月24日(火)
I-siteなんば

 『方丈記』の著者として知られる鴨長明(法名蓮胤)は、保元の乱前夜の1155年頃に生まれ1216年に亡くなりました。その生涯は、保元・平治の乱から源平の合戦、鎌倉幕府の成立と、時代の変革・激動期にあったと言えます。京都下鴨神社の社家に生まれ、早くに実父と死別した長明は、神官としての栄達の道を失ったと感じたのか、和歌と管弦による自己実現を目指しました。その功成って、後鳥羽院(1171-1239)歌壇に所を得た長明は、『新古今集』の編纂にも関わったのですが、河合社禰宜任命問題を機に出家、50歳以降の余生を世捨て人(=遁世者)として過ごすこととなりました。この間『方丈記』のほかに、歌論書『無名抄』と仏教説話集『発心集』を執筆、中世散文文学史に不朽の名を留めるに至ったわけです。
 この講座では、長明の歌人・音楽家としての一面についても顧慮し、院政期を生きた一知識人の人生に思いを馳せつつ、『方丈記』『無名抄』『発心集』を読み解いていきたいと考えています。

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※感染症の流行や自然災害等の影響により、日程・開催方法・講座内容等が変更となる場合があります。

◆発熱や体調不良のある方は、参加をお控えください。
◆会場では基本的な感染症対策(手指消毒、換気の実施等)にご協力ください。

講師

田中 宗博(大阪府立大学 名誉教授)

スケジュール

午前の部:11時00分~12時30分
午後の部:14時30分~16時00分
(各火曜日・全10回)

第1回(4月8日) :『方丈記』は随筆か
『方丈記』は、『枕草子』『徒然草』とは異なり〈随筆〉との呼称は相応しくありません。短章で主題も明確、緊密な構成を持つ『方丈記』を、隠者の法語文学として考えます。

第2回(4月15日)  :鴨長明、その人生1
下鴨社神官としての未来を閉ざされ、和歌管弦に精励して自己実現をはかった長明の生き方を、院政期に典型的な一知識人のものとして、後鳥羽院との関わりでとらえます。

第3回(4月22日)  :鴨長明、その人生2
和歌と共に長明が執した音楽、とりわけ琵琶の演奏と伝授について、いわゆる〈秘曲づくし〉一件に着目し、長明の性向と蹉跌多き人生について考えます。

第4回(5月13日)  :災害ルポルタージュ文学としての『方丈記』
『方丈記』中、都の棲み難さ・この世の厭相として描かれる、いわゆる〈五災厄〉の記事の中から〈養和の饑饉〉の条を読み、そこに描かれる迫真の叙述を読み解きます。

第5回(5月20日) :『無名抄』を読む1
長明生涯の自讃歌で新古今集入集歌の「石川やせみの小川の…」について、『無名抄』に回想される記事を読み、あわせて当代歌壇の問題についても講じます。

第6回(5月27日) 『無名抄』を読む2
和歌説話集的一面を持つ『無名抄』から、在原業平が失意の中で陸奥彷徨時に、小野小町の野ざらし髑髏と連歌を成したという説話を、他資料もあわせて読解します。

第7回(6月3日)    :『発心集』を読む1
『発心集』巻頭に配された、遁世者の理想像と仰がれる玄賓(818没)の説話を、後段の不浄観説話とあわせて読み、反俗の遁世をよしとする当代思潮について考えます。

第8回(6月10日)  :『発心集』を読む2
王朝貴族社会での栄達を振り捨て、出家遁世の道を選んだ貴公子=成信・重家の説話を読み、あわせて俗世での価値を相対化する他の〈貴族道心譚〉についても考えます。

第9回(6月17日) 『発心集』を読む3
年若い夫に、連れ子の娘との再婚を勧め、心静かな宗教生活を送ろうとした女性の運命を描く説話を採り上げ、人心の愚かさを描き出す『発心集』の文学性について講じます。

第10回(6月24日):『発心集』を読む4
日吉社参詣途上の一無名僧が、母に死なれた窮状に泣く女性のため、死穢を憚らず葬送をはからったという話に即して、『発心集』の現代に通じる文学的価値を論じます。 

開催場所
大阪公立大学I-siteなんば 2階(大阪府大阪市浪速区敷津東2丁目1番41号 南海なんば第1ビル)
対象
どなたでも
定員
各60名(申込者多数の場合は抽選)
受講料
7,000円(全10回分)
※現金のほかキャッシュレス決済もご利用いただけます。
※利用可能な決済方法はこのページ下の資料にある「現金以外の決済方法.pdf」をご覧ください。
申込期間
2025年3月12日(水)【必着】
申込方法

「申込フォーム」から申し込みいただくか、「往復はがき」に
(1)ご希望の時間帯
(2)氏名(フリガナ)
(3)年齢
(4)郵便番号・住所
(5)電話番号
(6)この講座を知ったきっかけ
をご記入の上、次の宛先までお申し込みください。

(注意)ご希望の時間帯は「午前の部」、「午後の部」、「どちらでもよい」のいずれかを必ずご記入ください。
(注意)受講の可否は3月21日(金)までに通知します。届かない場合は必ずお問い合わせください。

  • 上記申込フォーム
  • 往復はがき
    556-0012 大阪市浪速区敷津東2丁目1番41号 南海なんば第1ビル
    大阪公立大学 
    社会連携課「鴨長明」係
    (注意)返信用はがきは両面とも白紙でお送りください。

※お申し込み後にキャンセルする場合は電話、メールまたは下記の「公開講座申込キャンセル申請」フォームよりご連絡ください。

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お問い合わせ先
社会連携課 Tel 06-7656-5112 Fax 06-7656-5203
Eメール gr-shak-ext01[at]omu.ac.jp [at]の部分を@に変更してください。

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