研究内容のご紹介

概要

 本講座は医学研究科に属する臨床の教室であること、遺伝性疾患の診断と治療、遺伝カウンセリングなど実際に患者診療を行っていることに基づいて、疾患の病態解明や治療法の開発に関する研究、現実の患者・家族が直面している問題の客観化、解決に向けた研究を目指します。

 遺伝医学の進歩に基づいて数多ある遺伝性疾患の病態解明に繋がる基礎研究、トランスレーショナルリサーチやプレシジョン医療に関する研究を行ないます。

 医学研究科内の基礎医学系講座、学内外の研究組織と協力、連携しながら多彩な研究を目指します。

現在の主な研究テーマ

1)AMED 難治性疾患実用化研究事業「未診断疾患イニシアチブ(Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases(IRUD)):希少未診断疾患に対する診断プログラムの開発に関する研究」

第4期IRUD研究事業が始まりました。当院もIRUD拠点病院として、医療機関と連携して様々な遺伝性疾患を有する患者・家族に対する遺伝カウンセリング、遺伝学的診断、その後のフォローアップを行う。

2)重症新生児・乳幼児に対する精緻・迅速な遺伝子診断に関する研究
  Priority-i

大阪公立大学医学部附属病院はPriority-iの共同研究機関として倫理承認を受け、遺伝カウンセリングや慶應義塾大学への検体提出など活動を行っています。
詳しくは、こちらをご覧ください。

3)聞き取り困難症・聴覚情報処理障害(LiD/APD)
  当事者ニーズに基づいた聴覚情報処理障害診断と支援の手引きの開発

『当事者ニーズに基づいた聴覚情報処理障害診断と支援の手引きの開発』AMED研究。
詳しくは、こちらをご覧ください。

4)小児のてんかん症候群、小児神経内科疾患に関する臨床研究

発達小児医学教室とともに症例報告、臨床研究を重ねている。

5)ファブリー病における炎症病態に関する研究

ファブリー病の病態についてサイトカインなど炎症に着目して病態に関する研究を行っている。
  • ファブリー病における新規バイオマーカーに関する研究
  • ファブリー病患者を対象とした循環器領域全国登録調査研究(J-Fabry-Cardio研究)

6)ライソゾーム病の病態に関する研究

7)視覚聴覚二重障害に関する研究

  • 先天性および若年性の視覚聴覚二重障害の難病に対する医療および移行期医療支援に関する研究(多施設共同研究)
  • 視覚聴覚二重障害を伴う難病の全国レジストリ研究(多施設共同研究)

8)その他にも多施設共同研究として倫理委員会承認の上、下記の様な研究を行っています

  • 原因不明の先天異常症候群・神経代謝疾患に対するマイクロアレイ法および次世代シークエンサーによる遺伝子変異解析法を用いた診断研究
  • 染色体または遺伝子に変化を伴う疾患群の包括的遺伝診断システムの構築
  • 先天性ムコ多糖症および先天性代謝疾患における自閉傾向・知的退行と脳内慢性炎症の関与についての研究
  • 小児難治てんかんにおける機能ー病理学的焦点解析による臨床病態の評価
  • 遺伝性結合組織疾患の病態解明と治療法選択
  • ゴーシェ病患者のチトクロームP450 2D6(CYP2D6)遺伝子多型検査
  • 小児の慢性炎症性疾患の重症化に関与する因子についての研究

9)その他の研究

  • 聴覚情報処理障害の診断と経過観察に関する臨床研究
  • 機能性難聴・聴覚情報処理障害の診断と臨床経過に関する臨床経過に関する臨床研究
  • 聴覚情報処理障害臨床の実態把握に関する研究
  • 大阪教育大附属校の児童の生徒保護者を対象とした聴覚情報処理障害の実態アンケートの調査
  • 発達期の脳神経疾患のマルチオミクス解析研究
  • 新生児スクリーニング陽性例の遺伝カウンセリングの在り方に関する質問紙調査
  • 妊娠継続が困難であった方に対する胎児要因の遺伝学的原因解明
  • 小児遺伝性血液疾患を対象とした前方視的研究
  • 慢性疾患患者におけるBIA法、DXA法を用いた体組成測定による栄養状態の評価及び身体的特徴の解明
  • 常染色体多発嚢胞腎における臨床指標の探索-前向き観察研究における血液・尿のプロテオミクス