2026年10月1日(木)、経済学部開講の経済政策論特殊講義の一環として、花尻 卓大阪税関長を講師に迎え、「関税・税関を取り巻く環境」と題した特別講義を実施しました。本講義は、全15回で構成される経済政策論特殊講義の初回として行われたもので、税関の役割や歴史、国際貿易を支える制度、近年の国際情勢の変化に伴う税関行政への理解を深めることを目的としています。当日は300名を超える学生が聴講しました。
講義ではまず、税関が「適正かつ公平な関税等の徴収」「安全・安心な社会の実現」「貿易円滑化の推進」という三つの使命を担っていることが紹介されました。関税の徴収に加え、不正薬物や銃器、知的財産侵害物品などの水際での取締りを通じて、国民生活の安全・安心を支えていることが説明されました。
また、日本の貿易動向や大阪税関管内の特徴についても解説がありました。大阪税関は大阪港と関西国際空港を管轄し、「海」と「空」の両方の国際物流拠点を担う重要な税関です。近年は、半導体などの電子部品や医薬品の取扱割合が全国と比べて高く、関西地域の貿易を特徴づける品目として紹介されました。
さらに、不正薬物などの密輸対策や知的財産侵害物品の取締り、増加する越境電子商取引への対応など、税関を取り巻く現状について具体例を交えながら説明が行われました。講義後半では、訪日外国人旅行者の増加への対応や免税制度の見直し、経済安全保障、ロシアに対する経済制裁への対応など、税関行政が直面する課題にも触れられました。また、AIの活用やデジタル化を推進する「税関中長期構想2030」が紹介され、税関行政の今後の展望が示されました。
学生たちは、関税の徴収や密輸の取締りにとどまらず、税関が国際貿易の円滑化や経済安全保障の確保など多様な役割を担っていることへの理解を深めました。本講義は、国際経済を学ぶ学生にとって、制度と実務のつながりを学ぶ貴重な機会となりました。
なお、講義に先立ち、橋本 文彦教授(経済学研究科)との懇談が行われました。花尻大阪税関長は、本講義が学生にとって税関への理解を深めるとともに、将来の進路を考えるきっかけになればとの期待を述べられました。
花尻大阪税関長による講義
左から花尻大阪税関長、橋本教授
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