画像:Adapted from Rao et al., Nature Biomedical Engineering (2026), CC BY 4.0


概要

大阪公立大学大学院医学研究科人工知能学の光山 容仁講師と植田 大樹教授は、ハーバード大学医学大学院を中心とする、世界20カ国・地域の30施設による国際共同研究に、日本から唯一の参加施設として参画しました。

新生児集中治療室(NICU)における迅速かつ正確な画像診断は命に関わる重要な課題です。しかし、新生児の医療画像データは少なく、高精度な人工知能(AI)を開発することが困難でした。

本研究では、この課題を解決するため、すでにデータが豊富にある「成人の胸部X線画像」で開発されたAIモデルを、NICUの患者に応用する「Continual Learning(継続学習)」の有効性を検証しました。

研究の結果、各施設が持つ少量の新生児画像を順次追加学習させることで、気管内チューブの先端や気管分岐部の位置検出精度が大きく向上しました。これにより、膨大な新規データを収集することなく、既存のAIを新生児医療に、有望かつプライバシー保護に配慮した手法として応用できることが示されました。

大阪公立大学は、自施設における胸部X線画像データの収集および画像アノテーション※を担当し、国際的な医療AI研究の推進と本手法の精度の担保に貢献しました。

本研究成果は、2026年10月13日に、国際学術誌「Nature Biomedical Engineering」にオンライン掲載されました。

成人向け医療AIを新生児集中治療(NICU)へ応用する新手法を実証

画像:Adapted from Rao et al., Nature Biomedical Engineering (2026), CC BY 4.0

掲載誌情報

【発表雑誌】Nature Biomedical Engineering
【論文名】Repurposing adult AI radiograph models for neonatal care through continual learning: an international multicentre study
【著者】Vishwanatha M. Rao, et al.
【掲載URL】https://doi.org/10.1038/s41551-026-01812-6(新しいタブで開きます)

用語解説

※ 画像アノテーション:画像内の物体や領域に対して、「これは何か」を示すラベルや位置情報を付与する作業。

研究者コメント

新生児医療は画像データが圧倒的に少なく、AI開発の大きな壁でした。本研究は、成人用AIを応用してこの壁を突破する画期的な成果です。日本から唯一、高品質なデータ構築で国際プロジェクトに貢献できたことを誇りに思います。本技術が普及し、現場の負担軽減と小さな命を救う一助となることを願っています。

お問い合わせ

【研究内容に関する問い合わせ先】
大阪公立大学大学院医学研究科
講師 光山 容仁
TEL:06-6645-3771
Eメール:g21324t[at]omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

【報道に関する問い合わせ先】
広報課
TEL:06-6967-1834