光で分子を捕まえる

プラズモンと光子の力を用いた新しい分析化学方法の開発と光化学への応用

プラズモン光ピンセットによる光化学反応の促進・分子分析法の開発

 光と貴金属ナノ構造で分子を操り、分析・反応できる新しいシステムを夢見ています。

 光が物質にあたると、力学的な力(=光圧(ひかりあつ))を及ぼします。この力を上手に利用すると、光で小さな粒を捕まえ、操ることができます。これを、光ピンセットと呼びます。さらに、プラズモンと呼ばれる電子の“さざなみ”は、この光の力を著しく強める働きのあることがわかりました。

私たちは、この二つの力をカップルさせた「プラズモン光ピンセット」を国内ではいち早く開発することに成功しました。 このプラズモン光ピンセットの性能を高めれば、「分子」を捕まえ、操ることも夢ではなくなります。

私たちは、顕微鏡とレーザーを駆使した、このような新しい方法論の開発に取り組んでいます。そして、「分子」を自在に操り、光反応させ、さらに高感度にその様子を計測・分析できる、全く新しい化学の実現に挑戦しているのです。plasmon-trapping

東海林&坪井、J. Phys. Chem. Lett. 2010, JACS 2013 他.
国際光工学会(SPIE)から2013ニュースリリース。