航空宇宙工学科
取締役CTO/航空安全統括管理者
代表取締役社長
2021年度 大阪府立大学大学院 工学研究科
航空宇宙工学分野専攻 博士後期課程 修了
100年に1度のモビリティ改革、
「空飛ぶクルマ」の商業運航をめざして。
岸さんが経営陣の一員として名を連ねるSkyDriveは、大阪・関西万博で期待の集まる空飛ぶクルマの開発を行う企業ですね。
弊社は、空飛ぶクルマ(電動垂直離着陸機(eVTOL))及び物流ドローンの開発・製造・販売他を行う企業です。
私は、弊社で取締役最高技術責任者として、中長期技術開発計画、耐空証明、品質保証、航空安全推進に関する活動を担っています。また、弊社の製造子会社の株式会社Sky Worksでは代表取締役社長を務めています。
岸さんは、御社入社前には大手重工メーカーで航空機開発に従事されていたと伺っています。どのような経緯で、現職に就かれたのでしょうか。
2019年に弊社福澤CEOによる講演を聞いたことがきっかけです。イメージ動画の中で、空飛ぶクルマが道路を走り空を飛ぶ姿を見て、これを実現するために自分の経験を活かしたいと思いました。
弊社入社前の37年間は、重工メーカーの技術者でした。戦闘機の推進装置の改善設計、日米共同での戦闘機の開発設計、先進技術実証機の先行研究と概念設計、そして国産初のジェット旅客機の開発にも携わりました。経験の全ては、今の空飛ぶクルマの開発に活きています。
本学(当時の大阪府立大学)への進学を決めた理由をお聞かせください。
学生あたりの先生の数が多く、十分な指導を受けながら、やる気次第で実力を伸ばせると思いました。国立大学より学費が安かったのも大きなポイントです。
大学で学ばれたどんなことが、その後の技術者としての人生に役立ちましたか。
航空機に関わる流体力学・構造力学・航空機力学・航空原動機学・航空機制御工学やその他の基礎工学を学びました。これらの学問の内容はもちろん、学問を通じて培った自ら考え、解決し、創造していく力が航空機開発に役立っています。
今後の目標をお聞かせください。
空飛ぶクルマが、日常的に使えるようになり、いつでも誰でもどこでも自由に楽しく移動できるようになることです。そんな100年に一度のモビリティ革命を興して生活を豊かにし、日本発のハードウェアスタートアップとして日本のものづくり産業を活性化することが目標です。まずは2025年の大阪・関西万博で現在開発中の空飛ぶクルマ「SKYDRIVE」を運航し、2026年にTC(型式証明)を取得し量産およびデリバリーの開始を目指します。
受験生へのメッセージをお願いいたします。
大阪公立大学は、自分のやりたいことを実現するため、世の中に役立つことをするため、自ら学び、先生方からのご指導を受けることができる大学です。卒業生は産官学の様々な分野で活躍しており、あなたが社会に出た時もきっとサポートをしてくれるでしょう。