応用化学科
技術職
物質・化学系専攻 応用化学分野 博士前期課程 修了
分析化学と天文部。
打ち込んだ全てが仕事に活きています。
西海さんは、pHメーターの製品開発に携わっておられると伺いました。お仕事についてお聞かせください。
理系選択の高校生の方は、pHメーターを実験で使用したことがあるかもしれません。pHは酸性/アルカリ性の程度を示す指標ですが、リトマス紙がおおよそのpH値しか判断できないのに対して、pHメーターはpH値を数値化できます。
pHメーターは比較的歴史の長い分析機器のため、世間的にはある程度完成されていると思われがちです。しかし実際には、今後どう発展させ、いかにより多くの人に便利に使用していただくかという、挑みがいのあるテーマを持つ製品です。自分が携わっている製品が使われている場面を見聞きすると、「分析」という多くの人を支える仕事に貢献できていることに、大きなやりがいを感じます。
大阪公立大学(当時の大阪府立大学)へ進学を決めた理由をお聞かせください。
大学受験時には医療分野の大学・学部への進学を考えていました。私のめざす将来像は「多くの人を支える職に就くこと」であり、それを叶えられるのは医療分野のみだと認識していたのです。そんな時に進路担当の先生から「工学・化学分野でも医療分野にアプローチできる」と、当時の大阪府立大学を勧めていただきました。自分でも調べたところ、物質化学系学類が化学をベースに多彩な分野へアプローチしていることを知り、受験してみようと思ったのです。
本学で経験したどんなことが、今のお仕事に役立っていますか?
学部4年次より分析化学研究グループで分析化学を専攻しました。分析化学とは、試料分析の測定方法を化学の観点から追究する学問で、入学当時からの希望であった医療分野にも展開できうる研究内容だったからです。研究室では、わずかな濃度であっても、水中のイオンの種類と濃度を簡単に測定できるデバイスの開発に取り組みました。研究を通じて、医療のみならず広く社会に貢献できる分野だと実感し、分析機器メーカーである弊社への入社に繋がりました。得た知識やスキルに加え、ディスカッションや学会発表で培った「抱いた疑問を考え抜く力」「プレゼンテーション能力」は、現在の仕事で大いに役立っています。
また、天文部に所属し、皆が楽しめる環境づくりに努めました。この時に自分に合ったリーダーシップ像を再発見でき、チームで動くことの多い日々の業務に活かされていると感じています。
今後の目標をお聞かせください。
世の中には、未だに「測りたいけど測りにくい」「測りたいけど測れない」ものが数多く存在しています。水の分析に関する知識や技術をさらに深め、こうした「測れない」という悩みを解決できる製品を開発して社会に貢献したいです。
受験生へのメッセージをお願いいたします。
工学部での大学生活を振り返れば、素晴らしい先生方・先輩・同期・後輩と学ぶことができ、自分は恵まれた環境にいたと感じます。ぜひそんな環境に身を置いて、自分の「したいこと」や「なりたい姿」をのびのびと摸索し、自分の可能性を発掘してください。