化学工学科
主任研究員
物質・化学系専攻 化学工学分野 博士前期課程 修了
大学での経験を活かし、
「バイオものづくり」の発展に挑戦しています。
宮崎さんは、主任研究員として脱炭素化に貢献するバイオ技術開発を担っていると伺っています。バイオ技術は現在の社会課題の解決策としても注目されていますね。
はい、具体的には2つの技術開発に取り組んでいます。一つは、ハロモナス菌という微生物を使って、現状では石油等から作っている物質を、植物などを原料としたバイオ製造に切り替えるための技術開発をしています。もう一つは、二酸化炭素から都市ガスの主成分を作る技術であるバイオメタネーションの開発を行っています。どちらも簡単ではありませんが、国内外の企業・大学・自治体などの幅広いパートナーと共に社会への導入を目指しています。
大学で学ばれたどんなことが、今のお仕事に役立っていますか?
大学では生産プロセスについて基本から学ぶことができました。化学工学は工場で製品を作るための必要な学問であり、ラボレベルで起きた反応を大規模で効率よく生産し、さらに目的物質をいかにきれいに精製して製品として作り上げるかについて、授業を通じて理解することができました。また、研究室では微生物を使った研究に携わりました。化学工学(微粒子工学)から微生物についてアプローチするという興味深いテーマであり、修士課程まで含めた3年間、熱中して取り組みました。
これらの授業や研究活動を通じて、技術課題、経済性、環境性など多くの視点から物事を見ないといけないと感じました。社会人になってからも、仕事を行う上で実際のものづくりを想像すること、異なる観点でも物事を考えることを心がけています。
学業以外に打ち込んだことがあればお聞かせください。
頑張ったことは環境活動ですね。大学の環境部、学外でもNPOに所属しておりました。特に他大学の学生と共に気候変動枠組条約COP17(南アフリカ)や、日中韓環境大臣サミット学生フォーラム(韓国)等に参加し、現地では貴重な経験ができました。
また、大学の更なる環境貢献のため、大阪府立大学(当時)の環境報告書を作成する学生委員会を立ち上げ、教職員の方々と協働し、大学初の環境報告書を作り上げました。
ここでも自身の専門性だけでなく、幅広く物事を理解することが大事と感じました。自分がやっていることは、何が課題で、社会から何を必要とされているのか、そのために自分たちは何ができるかを考え、多くの人を巻き込みながら取り組む必要がありました。この経験が今の仕事でも役に立っていると感じています。
今後の目標をお聞かせください。
今まで基礎研究開発、商品開発、新規ビジネス検討、販売量計画・分析など、フェーズの異なる業務を経験しましたが、これらの経験を活かして、多くの企業がバイオものづくりを実現できるようになり、低脱炭素社会に繋げていくことに注力していきます。
受験生へのメッセージをお願いいたします。
大阪公立大学は、様々な都道府県から色々な価値観を持つ人が集まり、大阪という土地柄もあって、多くの出会いを通じて仲間を作りやすい環境です。充実した大学生活を送ることができ、今でもともに学生生活を過ごした仲間とは、よくゴルフに行っています。大学生活は社会人になる手前の、長いようで短い4年間です。将来どのように活躍したいかイメージしながら、充実した大学生活を送ってください。大阪公立大学なら、きっと答えが見つかるはずです。