電気電子システム工学科
研究員
電気・情報系専攻 博士後期課程 修了
研究室での学びに直結した
無線通信技術の研究開発に携わる。
酒井さんは無線通信システムの研究開発に取り組んでおられると伺っています。現代社会に不可欠な技術ですね。
私が担っているのは、弊社の様々な無線通信システム・製品に使用される無線通信の信号処理技術や通信制御技術の研究開発です。製作所の方々と共同での製品の仕様検討、技術の性能検証のためのシミュレーション、実験による評価を行っています。また、最先端の研究や技術に関する動向調査やサーベイのために論文を読み、得られたアイデアに基づいた新たな研究開発の企画も立案します。
研究開発の成果は、雑誌論文ほか、国内外の学会、広報発表などでアナウンスされます。それを知った社内外の方々から好評をいただく時に大きな手応えを感じます。また、他部署や社外の人たちも含め、多くの方々と交流できること、失敗から得た教訓を次の研究開発に活かせる点もやりがいのひとつです。
本学で学ばれたどんなことが、今のお仕事に役立っていますか?
研究室では、無線通信における信号処理の研究に取り組みました。主に、理論・アルゴリズムの検討と計算機シミュレーションによる評価です。信号処理は数学と工学の両面をもつ学術分野と考えており、アイデアひとつで勝負できるような世界が魅力的でした。博士後期まで学んだ知識とスキルを活かせる職場として弊社を志望したため、多くのことが役に立っています。また、「本質はなにかを考え抜く力」と、それを「正確にわかりやすく伝える力」は、社会人となった今、常に意識している能力ですが、その下地は在学中に少なからず身についたと感じています。
学業以外で力を入れて取り組んだことがあればお聞かせください。
博士後期課程在籍中に「EDGEプログラム」に参加しました。博士人材養成のためのプログラムで、ビジネス的な思考や素養、イノベーション創出の方法について実践的に学びました。アイデアコンペやプログラミングコンテストへの参加を通じて、普段の研究室生活では交わることのない人々との交流を深め、知見や人脈を広げることができました。この経験もビジネス創出に大きく役立っています。
今後の目標をお聞かせください。
弊社には同じ専攻出身の卒業生が数多く在籍しており、職場の雰囲気が自分にマッチしていると感じています。また、アメリカとヨーロッパにも研究拠点を有しているのも大きな魅力です。こうした恵まれた環境の中で、無線通信技術がより広く使われ、役立っていく技術を研究開発していきたいです。
受験生へのメッセージをお願いいたします。
大学生活で幸いにも自分のやりたかったことをたくさん経験できました。決して入学当初からやりたいことが明確だったわけでなく、自由な探究や様々な人との交流を後押ししてくださる教職員の方々のおかげだと思っています。ぜひ、たくさんの人と交流しながら、好きなことを見つけて実践し、充実した学生生活を送ってください。