海洋システム工学科
コーディネーター
航空宇宙海洋系専攻 海洋システム工学分野
博士前期課程 修了
船の一生を深く理解し
人や環境にとって、より良い船を。
足達さんは、現在MOL Ship Management Pte.Ltd.に出向し、シンガポールに赴任されたばかりと伺っています。シンガポールは、アジア最大級の貿易港ですね。
シンガポールでは自動車船(自動車を輸送する船)とコンテナ船の船舶管理業務を担っています。担当する船が安全に運行できるように陸上から支援し、メンテナンス計画策定など船の品質管理に取り組んでいます。シンガポールに赴任するまでは、東京にて商船の新造船の仕様策定、図面承認、現場監督の業務を行っていました。
船は多くの人が関わり、様々な機器が搭載され、建造されています。何もなかったところに大きな船が作られ、人々の生活を支えていると思うと、とても面白い仕事だと感じます。特に、担当していた船が完工し、大海原に出港していくのを見た時は感動しました。現場監督を務めたフェリーに多くの人が乗船し、楽しんでいる様子をSNSで見ると、携わって良かったと思います。
大阪公立大学(当時の大阪府立大学)への進学を決めた理由をお聞かせください。
高校生の時は、理系科目が得意で海が好きでした。また父がものづくりに携わっていたため、工学部への進学を考えていました。工学部の中で海に関わる学科を探していた際に、高校でAO入試案内を見つけて説明会に参加し、AO入試を受験して入学に至りました。
大学で経験されたどんなことが、今のお仕事に役立っていますか?
船舶工学を中心に海に関する工学を学び、船の運動や性能だけではなく、溶接・構造・環境・システム工学と幅広い知識が身につきました。また、座学のみならずグループワークや実習、現場見学が多く、周囲と協力して考える経験ができたことは貴重でした。
学業以外では、アルバイトで6年間個別塾の講師を務め、伝わるように話すスキルが身につきました。他には、小学生から大学生までが所属する学外のミュージカル団体で活動していたため、様々な考えを持つ人と目標に向かって団体行動する力を学びました。
現在、有する知識や立場の異なる人々と同じ目標に向かって業務をする上で、相手に伝わるように話すこと・議論すること・結論に導くことは重要で、在学中の経験が活きていると思います。
今後の目標をお聞かせください。
船の一生にたとえると、入社以降は「誕生」に、現在は「運航」に携わっています。シンガポールで運航船の知識を身につけ、船のプロジェクトをマネジメントできるような技術者になりたいです。関わる全ての人や環境にとって、より良い船を手がけていきたいと思います。
受験生へのメッセージをお願いいたします。
海洋システム工学科は、座学だけでなく実践的に学ぶ機会も多く、多くの先輩と交流できます。実際に、大学時代に出会った人との交流は今も続いています。多くの人と出会い、様々な考えにふれ、いろんな体験をしてください。