機械工学科

関西電力株式会社
技術系総合職 係長
岩波 伸悟さん
2013年度 大阪市立大学大学院 工学研究科
機械物理系専攻 前期博士課程 修了
INTERVIEW

火力発電所の保守管理業務で
電力の安定供給を支える。

岩波さんは、現在技術系総合職の係長として火力発電設備の保守管理業務を担っていると伺っています。具体的なお仕事の内容をお聞かせください。

舞鶴発電所は24時間365日発電することが求められるベース電源としての役割を担っています。しかし、予期せぬ不具合は発生するので、メンテナンスの実施や突発的な不具合への対応は不可欠です。

例えば、石炭を燃やしやすい微粉炭にすり潰す「微粉炭機」に不具合が発生すると電力の供給支障に繋がるため、協力会社・火力発電設備のメーカーと連携し、早期復旧を行い、再発防止策の検討や設備改善を行います。

不具合の発生リスク・メンテナンス費用・発電支障の影響度を総合的に判断して最適な保守管理に導くのが私の仕事です。判断を誤れば発電支障に直結するので、緊張感を持って仕事をしています。同時に、社会基盤となる電気の安定供給に大きな使命を感じています。

本学(当時の大阪市立大学)への進学を決めた理由をお聞かせください。

先生と学生の距離が近く、コミュニケーションが活発で、アットホームな環境で専門知識を身につけられると感じたからです。また、企業との共同研究も盛んに行われており、在学中に企業との接点を持つ事ができることにも魅力を感じ、進学を志望しました。

本学で打ち込まれたどんなことが、今のお仕事に役立っていますか。

学部では機械工学の基礎について幅広く横断的に学びました。また、研究室では伝熱学を学び、市販されている過熱水蒸気オーブン庫内の伝熱状況を解析して見える化する研究に取り組みました。熱工学・流体工学を通じて身についた熱サイクルに関する知識は、火力発電に必須の知識なので、現在の仕事に大いに役立っています。

学業以外では、研究室やサークルでの海外旅行を毎年企画し、アジアやヨーロッパの6ヵ国に行きました。航空券やホテル、交通、観光先など全ての手配を行い、現地では予期せぬ計画変更なども経験しました。この時培った計画性と柔軟性も、現在の管理業務に役立っています。

今後の目標をお聞かせください。

舞鶴発電所に配属前は、インドネシアの火力発電所建設に開発当初から関わり、図面審査、手順書作成、スタッフの教育等に関する後方支援を担当しました。その発電所が2022年に商用運転を開始しました。現職場でスキルを磨き、将来的にはインドネシアの発電所の技術的なサポートに活かしたいと思っています。

受験生へのメッセージをお願いいたします。

大阪公立大学の機械系出身者の活躍の場は広く、重工系や電機系、インフラ系等まで大きく広がっています。ぜひ、刺激のある充実した学生生活を送ってください。

資料提供:関西電力株式会社