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機械基礎工学は、物作りの基礎となる、材料、設計、生産に関わる3つの研究グループ(材料力学、機械設計工学、バイオ生産工学)から構成された、基礎理論構築から工業応用までをカバーする幅広い研究領域です。扱っている対象も植物、木質材料、生体用ゲル材をはじめ、金属/セラミックス系の圧電材料、金属系では超硬合金、耐熱合金、金属ガラスまで多方面に渡り、それらの材料の基本的な性質・挙動の解明から、設計、製造への応用などを精力的に研究しています。また、これらの研究活動を通して、産官学の各分野で活躍する人材の育成を行っています。
材料や構造物が静/動的荷重を受ける場合の非弾性変形挙動や不安定現象について研究しています。対象材料は生体用高分子材から超硬合金まで幅広く、対象変形速度も準静的から衝撃的まで広範囲に及びます。これらの研究のため、精密型万能試験機からHopkinson棒法衝撃試験機まで、多様な試験装置を有しています。
本グループでは、機械・構造物設計や材料設計を念頭に、外力・熱負荷・電磁負荷等を受ける各種材料の力学的挙動に関する解析的研究を行うとともに、研究活動を通して、固体力学の素養を有する人材の輩出を目指している。教育・研究両面で、個別事象に囚われず普遍的な価値を創り出したいと考えている。
ICT等を活用したバイオ生産システムの管理・運用、特に植物工場における生産システムの基盤技術の研究を行っています。具体的には、植物の体内時計を基礎とした栽培プロセス管理技術、人工環境下での植物の代謝活動の数理モデリングなどの研究を行っています。
高機能機械システム領域では、計測工学、制御工学、運動・機構学などの基礎分野を集約して、システムとしてとらえることで新たな応用分野の開拓を目指しています。光や画像を使った計測システム、非線形制御理論を軸とする動的制御システムの設計、次世代移動・輸送システム、防災・安全システム開発などを通じて、人や環境にやさしい高機能な機械システムに必要な、多様な研究開発を統合的に進めています。
高機能機械システム領域の中で計測技術に関する分野を担当している。機械計測工学というグループ名なので、あるものを測っているように思われるが、実際は新しい計測手法について研究している。特に、「光」をキーワードに、レーザー光を用いた超精密計測技術、超微細加工技術、画像計測などに関する研究を行っている。
高機能・高性能な機械システムの設計と実現を目指して、システムが持つ能力を安全かつ最大限に発揮させることのできる制御系設計手法についての研究を行っている。例えば、非線形制御理論に基づく最適化及び最適制御に関する理論的および実験的研究、ロボット等の自律制御や遠隔制御、編隊制御の研究などがある。
機械・構造物の動力学の研究を基本とし、人にやさしい機械・構造物の創出を目指している。具体的には機器・配管系の耐震設計、高速走行車両の安定性、流体・構造連成振動と制振、人体の起立支援シミュレーション、パーソナルモビリティ・ビークル、学習支援システムなどの研究を行っている。
各種エネルギー変換・伝達機器、流体機械等の高度化、高効率化推進と一層の低環境負荷実現をめざした技術開発ならびに複雑な流体運動、熱移動、燃焼の機構解明に必要とされる、エネルギー変換工学、伝熱工学、内燃機関工学、燃焼現象、流体力学、流体工学などの教育研究を行っています。
我々は、レーザーを用いた流れの計測実験やスーパーコンピューターによる熱・流体シミュレーションの研究を行っています。これらを通してエネルギー機器や流体機械の核心である。熱や物質の輸送現象を解明するとともに、機器の飛躍的な性能向上や根本的な問題を解決する基礎技術の開発を行っています。
燃焼は、地球温暖化や大気質悪化の「火元」であり、その解決に向けて、燃焼基礎現象とその関連現象の解明を目指した研究を行っています。さらに、先進的な燃焼技術の開発も目指しています。そのため、燃焼現象に強く影響を及ぼす自然対流の影響を大幅に低減するため、いわゆる宇宙環境利用実験の一つである微小重力環境実験を行っています。また、実際のエンジンの作動を模擬する急速圧縮装置を用いた実験研究や、詳細化学反応機構を用いた数値計算、バイオ燃料や水素の安全利用に関わる燃焼現象の研究も行っています。
界面を有する流れの構造の解明とその応用を目的として以下の研究を行っている。(1)マイクロバブルの力学解析とその応用、(2)気泡崩壊時の極限物理の解明、(3)集束超音波によるキャビテーション初生、(4)気泡クラスターの形成機構の解明、(5)不純物を含む系における界面物理現象の解明。また、流体工学に関連する機械工学として(6)高性能タービン等の開発とその機構解明、(7)スポーツ飛翔体の空力計測、(8)風洞および可視化水槽を併用した流体工学的機構解明。
エネルギー・環境工学領域では、機械工学の観点から新規なエネルギー・環境システムの技術開発に関する教育・研究を行っています。具体的には、 (1)カーボンニュートラルを実現するためにエネルギーシステムの最適化を目指すエネルギーシステム工学 (2)屋外の暑熱環境の緩和や植物栽培環境の高効率化・高機能化に取り組む熱環境システム工学 (3)大気環境浄化システムやゼロエミッション発電の開発に取り組む環境保全工学 の研究グループがあります。本領域では、他分野を横断する工学的視点から、エネルギー・環境システムの理想的姿を追求する技術開発に意欲的に取り組んでいます。
カーボンニュートラルの実現に向けた再生可能エネルギー電源、燃料電池コージェネレーション、ヒートポンプ、蓄エネルギー機器などを組み合わせた次世代エネルギーシステムの研究を行っています。他分野を横断するシステム工学の視点から、数値解析と最適化を使った性能分析・設計・運用・制御に関する研究を行っています。
熱環境問題発生の抑制および熱環境の改善を目指して、その計測、分析、評価ならびに制御に関するシステム的研究を行っています。特に、ヒートアイランドに代表される都市熱環境の現象分析とその緩和に関わる材料開発、人体生理に基づく熱環境適応方策の検討、バイオ生産における最適環境の構築に関する研究を行っています。
低エミッションボイラ、スーパークリーンディーゼル、ガラス溶解炉排ガス処理、難接着材料の接着改善装置、空気清浄装置、NOx、CO2、廃水の浄化に関する環境プラズマの産業応用技術の開発、環境保全機械システムデザイン、新興国環境対策、企業での環境技術の課題解決に取り組んでいます。