機械系専攻 機械工学分野

 

教育目的

機械系専攻(博士前期課程)では、機械工学を中心とした幅広い学理、専門知識、論理性、創造性と、豊かな人間性及び倫理観を持ち併せ、地域社会から地球規模までの機械工学を含む幅広い分野における重要な課題について、材料からシステム、環境、エネルギーまで、原
子・分子レベルのナノ・マイクロスケールから社会のマクロスケールまで多角的、俯瞰的な視点で認識・考察して、人にも環境にも優しい持続可能な社会の構築に向け、先導的にその克服・解決を発想し実践できる人材を養成することを目的とする。

研究グループの構成と教員

杉本キャンパス

研究グループ 職名 氏名 主たる研究内容等
1.熱プロセス工学 教授 伊與田 浩志 過熱水蒸気・湿り空気、水、複雑流体などが関わる様々な移動現象解析に基づく産業機械の開発、湿度の計測と制御装置の開発、色彩と光沢の評価装置の開発、渦流動や液滴を利用した新規撹拌・混合プロセスの開発
講師 増田 勇人
助教 藤本 恵美子 1)
2.環境熱工学 教授 脇本 辰郎 界面活性剤添加流れの抵抗低減メカニズム、波力発電システムの開発、界面活性剤水溶液薄膜の安定性
3.流体物理学 准教授 大森 健史 固体と液体の濡れと摩擦の物理、マイクロ・ナノ流体力学、特に界面近傍での多重スケール性に着目した研究
4.知能システム 講師 今津 篤志 生活支援ロボット、特殊移動ロボットの開発、リハビリ支援機器の開発
助教 高井 飛鳥
5.生産加工工学 教授 金﨑 順一 表面科学的・光物性学的手法を用いた固体分析、光を用いた超精密加工と新物質創成、金属系抗菌材料の開発、微生物腐食の事例解析
准教授 川上 洋司
6.動力システム工学 准教授 瀧山 武 内燃機関の制御、知能化ビークルの開発
7.ロボット工学 教授 高田 洋吾 アクアロボットや橋梁検査ロボットの開発、ロボット周りの流動解析、血流シミュレーション
8.材料知能工学 准教授 中谷 隼人 繊維強化複合材料の知能化、成形プロセスの最適化、強度と破壊、接着・接合、FRP/金属ハイブリッド複合材料の成形および機械的特性と損傷許容性の評価
9.材料数理工学 教授 山崎 友裕 超音波による材料の非破壊評価、FRP成形の超音波モニタリング、知的材料の振動制御、機能性流体を用いたデバイスの開発
助教 大島 信生
10.材料機能工学 教授 兼子 佳久 先進SEM法による格子欠陥解析、バルクナノ結晶の創製と力学的特性、ナノ構造膜の電気めっき、ミクロとマクロの変形を繋ぐ研究、プラスチックの変形評価、デジタル画像を用いた変形測定
准教授 内田 真
11.材料物性工学 教授 多根 正和 材料の弾性・擬弾性緩和現象およびマイクロメカニックス、相転移を利用した材料創製、塑性変形および相転移の原子論、炭素繊維のナノスケールメカニクス、材料の組織形成シミュレーション、機能性材料の作製・組織制御・物性解明
講師 三好 英輔
助教 東野 昭太
12.材料先進工学 講師 桑原 卓哉 マルチスケールマテリアルモデリング、金属・セラミクス・炭素系材料のトライボロジー、メカノケミストリー
13.応用数学 教授 松岡 千博 流体力学、パターン形成、カオス力学系における数理的研究、特に界面や渦層の非線形運動の数値的解析

 

中百舌鳥キャンパス

研究グループ 職名 氏名 主たる研究内容等
1.材料力学 教授 三村 耕司 材料力学、塑性力学、固体力学、材料強度学、衝撃工学、実験力学
准教授 楳田 努 材料力学、固体力学、衝撃工学、動的構造解析、損傷力学
准教授 陸 偉 計算科学、生体医工学、生体材料学
2.機械設計工学 教授 石原 正行 弾性数理解析、湿熱弾性学、電気弾性学、グリーンマテリアルの固体力学
3.バイオ生産システム工学 教授 福田 弘和 結合振動子システム、同期制御、パターン形成、複雑ネットワーク制御、植物工場
4.機械計測工学 教授 菊田 久雄 計測工学、応用光学、画像計測、ナノ加工と計測
講師 水谷 彰夫 計測工学、応用光学、ナノフォトニック・デバイス
5.システム制御学 講師 小林 友明 システム制御学、実時間制御、最適制御、制御理論応用、メカトロニクス
6.機械力学 教授 新谷 篤彦 振動工学、耐震工学、流体構造物連成振動、アクティブ制振、人間工学、振動利用
准教授 中川 智皓 機械運動学、移動システム、機構学応用
7.伝熱工学 教授 須賀 一彦 伝熱工学、乱流モデル、多孔体乱流、格子ボルツマン法、ナノ・マイクロ熱流動
准教授 金田 昌之 自然対流、数値流体力学、液滴、磁化力対流、電磁流体力学
准教授 桑田 祐丞 乱流工学、数値流体力学、壁乱流、乱流スカラー輸送
8.動力工学 教授 瀬川 大資 燃焼学、燃焼診断、内燃機関、宇宙環境利用実験
講師 片岡 秀文 デトネーション、燃焼学、衝撃波、内燃機関
9.流体工学 教授 高比良 裕之 流体工学、キャビテーション、気泡力学、気液二相流、マイクロ・ナノ流体工学
准教授 小笠原 紀行 流体工学、気液二相流、気泡力学、流体計測
講師 中嶋 智也 流体工学、機械工学と製造業技術
10.エネルギーシステム工学 教授 涌井 徹也 エネルギーシステム工学、数理最適化、エネルギーマネジメント、サイクル解析、ゼロカーボンエネルギーネットワーク、再生可能エネルギー
11.熱環境システム工学 教授 木下 進一 環境工学、環境熱工学、熱物性、人間熱科学、都市環境システム
助教 安田 龍介 環境工学、大気拡散、大気汚染制御、局地気候
12.環境保全工学 教授 大久保 雅章 環境保全工学、環境プラズマ、低環境負荷エネルギー変換、プラズマ材料科学
准教授 黒木 智之 環境保全工学、非熱プラズマ応用技術、排ガス処理、廃液処理
准教授 山崎 晴彦 環境保全工学、低環境負荷エネルギー変換、磁気機能性流体、二酸化炭素サイクル

♭印の教員は、2023年3月退職予定.
1) 日立造船(株)とのクロスアポイントメント教員

研究トピック

生態系の調査や社会インフラの点検をロボットで合理化する。

ロボット工学研究グループ

自然や天然資源を無尽蔵に利用し、社会インフラを造っては壊す社会のあり方は過去のものになりつつあります。ロボット技術は、既存のものを次世代へ継承する持続可能な社会づくりに役立つ技術として注目されています。現在、「橋梁検査ロボットBIREM」「コンクリート構造物調査機HORNET」などを開発中です。複数の磁石を車輪に取り付けたBIREMは鋼橋のあらゆる場所で走行可能です。また、HORNETは磁力を活用できないコンクリート建造物の側面に爪を軽く接触させて建造物壁を昇降します。これらの移動型ロボットの開発には、機械工学・電気工学・情報工学の全てをマスターすることが要求されます。大変ではありますが、ロボットの開発プロセスは、社会で商品づくりに取り組むときに役立ちます。研究室では、AI時代をより良く生き抜くのに不可欠な想像力・洞察力・デザイン思考の力などを思う存分に伸ばしてほしいと考えています。

ロボット工学研究グループ

 

ロボット工学研究グループ

ロボット工学研究グループ

 

研究指導教員の決定方法について

博士前期課程

研究指導教員の役割

  1. 研究指導教員は、学生の希望する研究課題、指導教員の専門分野、指導環境などを考慮し、学生の同意を得た上で研究課題を決定し、研究指導を行う教員である。
  2. 研究指導教員は、研究指導に加え、学生の教育・研究に必要となる授業科目について、シラバスを基に個々の学生の指導を行う。
  3. 研究指導教員は、学生の希望と成績を考慮して、学生ごとに1名以上を決定する。

研究指導教員の決定プロセス

  1. 志願者は、募集要項の担当教員表等をもとに、事前に希望する教員への研究室訪問や面談を行い、出願書類の志望理由書に「入学後の研究希望内容」を記載する。
  2. 入試時の面談及び出願書類の志望理由書に記載の「入学後の研究希望内容」をもとに分野教授会において研究指導教員を決定する。指導を希望する教員への受入ができない場合、関連する教員と学生が面談を行い、学生の希望を再度確認した上で研究指導教員を決定する。
  3. 通常、入学までに研究指導教員を決定し、本人に連絡する。

副指導教員制度

  1. 副指導教員は、研究指導教員と協力して学生の研究指導を補助的に行う教員である。
  2. 副指導教員は、上記に加え、研究指導教員の指導についての相談やアドバイスを行う。
  3. 副指導教員は、学生の同意を得た上で、研究指導教員が1名以上を決定する。

研究指導計画

本分野の標準的な研究指導計画は、以下の1~5のとおりである。指導教員は学生の研究指導を行うにあたり、この研究指導計画を明示し、毎年度の初めに、学生の1年間の研究計画についての打合せを学生と十分に行った上で、以下に沿って、研究指導を行うものとする。学生の研究指導計画の詳細は、学生の研究計画を確認した上で作成し、明示する。

1.研究計画の立案(1年次4月~5月)
  1. 学生は、研究課題に関して先行研究の整理を行い、指導教員とともに研究計画を立案する。
  2. 指導教員は、学生が研究計画を立案するに当たって、研究方法・文献検索方法・文献読解方法などを指導する。
  3. 学生は、計画の立案が終わり次第、その概要をまとめて「研究指導計画書」の「研究計画に記載し、指導教員に提出する。指導教員は、その学生の研究計画に基づき、課程修了までの研究指導計画を1年ごとに「研究指導計画書」に記載し、学生に明示する。
  4. 学生は、指導教員の了解を得て、研究計画に沿って研究を開始する。
2.研究の遂行(1年次4月~2年次1月)
  1. 学生は、研究計画に従って研究を遂行する。1年次では、主に研究方法の確立、研究、調査などを行う。2年次では、確立した研究方法にて研究課題に取り組み、実験・解析等を行い、研究結果をまとめる。
  2. 指導教員は、研究の進行を確認しつつ、実験、調査、解析等の指導を行い、研究結果をまとめさせる。
  3. 指導教員は、必要に応じて、研究指導計画の見直しを行い、毎年度の初め、研究指導計画を学生に明示する。
  4. 指導教員及び分野教員は研究の進捗状況について継続的に、かつ1年次に開催される中間報告会により確認し、研究の進捗状況に応じた指導を行う。
3.研究経過の中間報告(1年次12月~1月)

中間報告会を開催し、指導教員と分野教員が参加することで、学生の研究経過を分野教員全員で確認する。

4.修士論文の作成(2年次12月~1月)
  1. 学生は得られた研究成果を集大成し、修士論文の作成を開始する。
  2. 学生は、「研究指導計画書」に記載した研究計画からの変更点を整理し、その概要をまとめて「研究指導報告書」記載し、指導教員に提出する。指導教員は、その変更点を確認する。
  3. 学生は、指導教員の了解を得て、修士論文をまとめる。
  4. 指導教員は、修士論文の構成、表現、図表の作成、文献の整理・引用等に関して、論文のまとめ方を指導する。
5.修士論文の提出(2年次2月)

学生は修士論文を期日までに提出する。

博士後期課程

研究指導教員の役割

  1. 研究指導教員は、学生の希望する研究課題、指導教員の専門分野、指導環境などを考慮し、学生の同意を得た上で研究課題を決定し、研究指導を行う教員である。
  2. 研究指導教員は、研究指導に加え、学生の教育・研究に必要となる授業科目について、シラバスを基に個々の学生の指導を行う。
  3. 研究指導教員は、学生の希望を考慮して、学生ごとに1名以上を決定する。

研究指導教員の決定プロセス

  1. 志願者は、募集要項の担当教員表等をもとに、事前に希望する教員への研究室訪問や面談を行い、出願書類の入学願書に「指導を希望する教員名」、志望理由書に「入学後の研究希望内容」を記載する。
  2. 入試時の面談及び出願書類の入学願書に記載の「指導を希望する教員名」および志望理由書に記載の「入学後の研究希望内容」をもとに分野教授会において研究指導教員を決定する。指導を希望する教員への受入ができない場合、関連する教員と学生が面談を行い、学生の希望を再度確認した上で研究指導教員を決定する。
  3. 通常、入学までに指導教員を決定し、本人に連絡する。

副指導教員制度

  1. 副指導教員は、研究指導教員と協力して学生の研究指導を補助的に行う教員である。
  2. 副指導教員は、上記に加え、研究指導教員の指導についての相談やアドバイスを行う。
  3. 副指導教員は、学生の同意を得た上で、研究指導教員が1名以上を決定する。

研究指導計画

本分野の標準的な研究指導計画は、以下の14のとおりである。指導教員は学生の研究指導を行うにあたり、この研究指導計画を明示し、毎年度の初めに、学生の1年間の研究計画についての打合せを学生と十分に行った上で、以下に沿って、研究指導を行うものとする。学生の研究指導計画の詳細は、学生の研究計画を確認した上で作成し、明示する。

1.研究計画の立案(1年次4月~5月)
  1. 学生は、研究課題に関して先行研究の整理を行い、指導教員とともに研究計画を立案する。
  2. 指導教員は、学生が研究計画を立案するに当たって、指導教員とともに研究方法・文献検索方法・文献読解方法などを指導する。
  3. 学生は、計画の立案が終わり次第、その概要をまとめて「研究指導計画書」の「研究計画に記載し、指導教員に提出する。指導教員は、その学生の研究計画に基づき、課程修了までの研究指導計画を1年ごとに「研究指導計画書」に記載し、学生に明示する。
  4. 学生は、指導教員の了解を得て、研究計画に沿って研究を開始する。
2.研究の遂行(1年次4月~3年次1月頃)
  1. 学生は、研究計画に従って研究を遂行する。1年次では、主に研究方法の確立、研究、調査などを行う。2、3年次では、確立した研究方法にて研究課題に取り組み、実験・解析等を行い、研究結果をまとめる。
  2. 指導教員は、研究の進行を確認しつつ、実験、調査、解析等の指導を行い、研究結果をまとめ、成果として公表させる。
  3. 指導教員は、必要に応じて、研究指導計画の見直しを行い、毎年度の初め、研究指導計画を学生に明示する。
  4. 指導教員及び分野教員は研究の進捗状況について継続的に確認し、研究の進捗状況に応じた指導を必要に応じて行う。
3.博士論文の作成(3年次10月頃~1月)
  1. 学生は得られた研究成果を集大成し、博士論文の作成を開始する。
  2. 学生は、「研究指導計画書」に記載した研究計画からの変更点を整理し、その概要をまとめて「研究指導報告書」記載し、指導教員に提出する。指導教員は、その変更点を確認する。
  3. 学生は、指導教員の了解を得て、博士論文をまとめる。
  4. 指導教員は、博士論文の構成、表現等に関して、論文のまとめ方を指導する。
4.博士論文の提出(3年次1月または2月)

学生は博士論文を期日までに提出する。

在学生の声

めざすは未踏の領域。創造力をバネに機械工学を追求でき研究者としての成長が止まらない学科です。

大阪市立大学 大学院 工学研究科 機械物理系専攻 前期博士課程 1年生 谷本 昂士郎 さん
兵庫県立宝塚北高校 出身

様々な業界に広く通用する機械系分野に興味を持ち、機械工学科に進学しました。プログラマーへの強い憧れがあり、4年次から流体工学の研究室に所属。コンピュータシミュレーションによる流動解析を行っています。研究室では、各々が研究に深く向き合っています。教授とのコミュニケーションはもちろん、学生間の議論も活発です。大学院進学後も引き続きシミュレーションの技術を使った研究に取り組んでいます。現在は、企業との共同研究で空気噴流で精密ガラス表面に付着したサブミクロンサイズのゴミを除去する装置を開発しています。大学および大学院での学習・研究を通して、未解決課題を突破する力を身につけ、将来就職したときに大いに役立てたいと考えています。

谷本 昂士郎さん

 

主な就職先

関西電力/クボタ/ダイキン工業/デンソー/三菱重工業/三菱電機/キヤノン/パナソニック/ダイハツ工業/帝人/京セラ/日本航空/東海旅客鉄道/東京エレクトロン/トヨタ自動車/キーエンス/日立製作所/スズキ/住友重機械工業/住友電気工業/三井化学/ファナック/富士通/ブリヂストン/北陸電力/村田機械/川崎重工業/シマノ/日立造船 ほか

ポリシー

アドミッション・ポリシー

博士前期課程

機械系専攻は、あらゆる「機械」に高機能化、知能化、システム化等が求められ、さらに環境問題を解決して持続的発展が可能な社会を構築していくことが求められる中、人・環境と共存・共生する機械技術、機械システムの確立により大阪、日本、国際社会に貢献することを、基本理念とする。この基本理念のもとで、機械工学を中心とした幅広い学理、専門知識、論理性、創造性と、豊かな人間性、高い倫理観を持ち、大阪から地球規模までの機械工学における重要な課題を、材料からシステム、環境、エネルギーまで、原子・分子レベルのナノ・マイクロスケールから社会のマクロスケールまで多角的、俯瞰的な視点で認識・考察して、主体的に克服・解決法を発想し実践する人材を育成することを、教育研究の理念とする。このような教育研究の理念の達成・実現に向けて、機械系専攻では次のような資質と能力、意欲を持った学生を求める。

  1. 機械工学の幅広い技術・学術に強い関心があり、社会の持続可能な発展に貢献する意欲が高い人
  2. 機械工学に関する専門知識と技術、論理的な思考力、豊かな創造力の獲得を目指し、勉学意欲が高い人
  3. 機械工学に関する専門知識と技術をもとに、国際的な視野で豊かな社会の構築に貢献する意欲が高い人
  4. 高い倫理観を持ち、機械工学に関する専門知識と技術を利用して、社会の諸問題の解決に主体的に取組む人

 

以上に基づき、次の1~4の能力や適性を身に付けた学生を選抜する。

  1. 機械工学の基礎的な科目および専門科目を幅広く学び、基礎学力および機械工学に関する基本的な知識を身に付けた人
  2. 機械工学に関する英文を読んで理解し、書いて表現するための基本的な能力を身に付けた人
  3. 機械工学における課題を見付け、解決しようとする基本的な能力を身に付けた人

 

博士後期課程

機械系専攻は、あらゆる「機械」に高機能化、知能化、システム化等が求められ、さらに環境問題を解決して持続的発展が可能な社会を構築していくことが求められる中、人・環境と共存・共生する機械技術、機械システムの確立により大阪、日本、国際社会に貢献することを、基本理念とする。
この基本理念のもとで、機械工学を中心とした幅広く深い学理、専門知識、論理性、創造性と、豊かな人間性、厳格な倫理観を持ち、大阪から地球規模までの機械工学における重要な課題を、材料からシステム、環境、エネルギーまで、原子・分子レベルのナノ・マイクロスケールから社会のマクロスケールまで多角的、俯瞰的な視点で認識・考察して、先導的に克服・解決法を発想し実践する人材を育成することを、教育研究の理念とする。
このような教育研究の理念の達成・実現に向けて、機械系専攻では次のような資質と能力、意欲を持った学生を求める。

  1. 機械工学の幅広い技術・学術に強い関心があり、社会の持続可能な発展に貢献する意欲が格段に高い人
  2. 機械工学に関する専門知識と技術、論理的な思考力、豊かな創造力の獲得を目指し、勉学意欲が格段に高い人
  3. 機械工学に関する専門知識と技術をもとに、国際的な視野で豊かな社会の構築に貢献する意欲が格段に高い人
  4. 厳格な倫理観を持ち、機械工学に関する専門知識と技術を利用して、社会の諸問題の解決に先導的に取組む人

 

以上に基づき、次の1~3の能力や適性を身に付けた学生を選抜する。

  1. 大学および大学院博士前期課程における機械工学の基礎的な科目および専門科目を幅広くかつ深く学び、高い基礎学力および機械工学に関する豊かな知識を身に付けた人
  2. 機械工学に関する英文を読んで正確に理解するとともに、自らの研究成果を英文で論理的に表現し、発表するための能力を身に付けた人
  3. 機械工学における諸課題を見付け、それらを体系的に整理するとともに、合理的に解決しようとする高度な能力を身に付けた人

 

ディプロマ・ポリシー

博士前期課程

工学研究科のディプロマ・ポリシーにもとづき、以下の能力を身に付けた人に修士(工学)の学位を授与する。

  1. 機械工学の技術者・研究者として、幅広く深い専門知識とその応用力を備え、それを応用できる。
  2. 機械工学に関連する課題を発見する能力と、その課題を多角的、俯瞰的な視点で認識・考察して、解決へと導くことができる。
  3. 機械工学に関連する知的財産を自ら創造し、学術・技術領域の進歩に寄与することができる。
  4. 機械工学の技術者・研究者として、専門的なコミュニケーション能力を備え、国際的に活躍できる。
  5. 機械工学の技術者・研究者として、社会的な使命と責任を自覚し、倫理に基づき行動できる。

 

博士後期課程

工学研究科のディプロマ・ポリシーにもとづき、以下の能力を身に付けた人に博士(工学)の学位を授与する。

  1. 機械工学の技術者・研究者として、高度な研究開発能力を備え、研究・教育の中核を担い、社会に対して主体的に貢献できる。
  2. 機械工学に関連する創造性と問題解決能力を有し、産官学の研究開発領域で指導力を発揮できる。
  3. 機械工学に関連する新しい知識を体系化し、先導的な学術・技術領域を創成できる。
  4. 機械工学の技術者・研究者として、自立して研究開発を行い、その成果を総合評価することができる。
  5. 機械工学の技術者・研究者として、専門的なコミュニケーション能力を備え、国際的に活躍できる。
  6. 機械工学の技術者・研究者として、社会的な使命と責任を強く自覚し、倫理に基づき行動できる。

 

カリキュラム・ポリシー

博士前期課程

工学研究科および機械系専攻のディプロマ・ポリシーの達成を目的として、以下のように教育課程の編成を行う。

  1. 講義科目の履修により、機械工学を中心とした幅広い学理・専門知識を身に付ける。また、専門的な倫理観とそれに基づく判断・行動能力も身に付ける。
  2. 特別演習および特別研究の履修により、機械工学を含む幅広い分野における重要な課題を解決するための論理性・創造性を身に付ける。具体的な研究課題を設定し、教員による指導のもとでその研究を行い、研究成果を修士論文としてまとめ発表させる過程において、技術資料や学術論文の調査・分析と、技術報告・学術論文の執筆・発表の能力を身に付ける。また、新規の学術・技術領域を開拓する能力を身に付ける。
  3. 講義科目、演習科目の履修により、修得した学理・専門知識を基礎として、教員や他学生とグループワークやディスカッションを行うことで、日本語および外国語によるコミュニケーション能力を身に付ける。

 

博士後期課程

工学研究科および機械系専攻のディプロマ・ポリシーの達成を目的として、以下のように教育課程の編成を行う。

  1. 講義科目の履修により、専門的な倫理観とそれに基づく判断・行動能力を身に付ける。
  2. 特別演習および特別研究の履修により、最先端の研究課題を設定して、教員による指導のもとでその研究を過程において、機械工学を含む幅広い分野における重要な課題を解決するための高い論理性・創造性を身に付ける。また、専門性の高い技術資料や学術論文の調査・分析と、技術報告・学術論文の執筆・発表の能力、研究成果を複数の学術論文としてまとめる能力を身に付ける。
  3. 講義科目、演習科目の履修により、修得した学理・専門知識を基礎として、学内外でグループワークやディスカッションを通して、日本語および外国語による専門性の高いコミュニケーション能力と論理性、創造性を身に付ける。

 

各科目の学修成果は、定期試験、中間試験、レポート、発表等の平常点等で評価することとし、その評価方法の詳細については、授業内容の詳細とあわせてシラバスに記載する。