電気電子システム工学科

 

概要

暮らしをもっと快適にする、
次世代電気電子システム技術の
担い手になろう。

オフィスでも家庭でも、いつどこにいてもネットワークの恩恵を受けられる時代になりました。より良い社会生活基盤を構築していくためには、ネットワークを高速化・大容量化し、様々な電気システム・生産システムを相互に接続することが不可欠です。電気電子システム工学科では、快適な日常生活に欠かせない電力システム、パワーエレクトロニクス、情報通信・ネットワーク、センシング、ロボティクス、システム制御・最適化といった電気電子系の幅広い専門知識を学ぶことができます。
暮らしを快適にする技術の創出には、知識に基づいて時代のニーズに対応する能力、常に最先端の情報を収集しながら新しいニーズを創り出す柔軟性、専門性の高い知識を身につけることが大切です。電気電子システム工学科では、このような能力の育成をテーマとしています。
電気工学・電子工学・通信工学・システム工学・制御工学・光工学・画像工学・センシング工学を基礎として、最先端の電気電子システム工学の教育を展開するカリキュラムを設置しています。これにより、電気電子工学の基礎ならびに応用能力やシステム設計能力、幅広い視野と豊かな人間性、深い教養と厳格な倫理観をもった国際的に活躍できる研究者・技術者を育成します。めざしていることは、ソフトとハードの融合による人と環境に優しい持続可能な未来社会の創生です。

次世代電気電子システム 次世代電気電子システム実習

 

研究グループの構成と教員

中百舌鳥キャンパス

研究グループ 職名 氏名 主たる研究内容等
1.モータドライブシステム 教授 森本 茂雄 モータドライブ、電磁エネルギー変換、パワーエレクトロニクス
准教授 井上 征則 モータドライブ、パワーエレクトロニクス、エネルギー変換
准教授 真田 雅之 モータドライブ、モータ設計、電磁界解析
2.電力システム 教授 石亀 篤司 電力システム解析・制御、最適化探索法、知的制御
講師 高山 聡志 電力システムの運用・制御、再生可能エネルギーの運用・制御
3.電気システム制御 教授 小西 啓治 制御システム、カオス・複雑系、システムダイナミックス
准教授 原 尚之  制御システム、モデル予測制御、制御応用
准教授 杉谷 栄規 制御システム、非線形力学、複雑系ネットワーク
4.光機能システム 教授 山田 誠 情報通信工学、光アンプと次世代ネットワーク、光センシングシステム
准教授 小山 長規 IP over WDM ネットワーク、光ファイバセンサ、ウエブベースデータ処理システム

准教授

池田 佳奈美 情報フォトニクス、光信号処理、光機能システム
5.光電波システム 教授 久保田 寛和 光ファイバ通信システム、非線形光学、空間多重光通信
准教授 三好 悠司 光ファイバ通信、光信号処理、光A/D変換
6.知的情報通信 教授 林 海 無線通信、信号処理
助教 江 易翰 無線ネットワーク、エッジコンピューティング
7.マネジメントシステム 教授 森澤 和子 システム最適化、生産管理、スケジューリング、オペレーションズリサーチ、多目的意思決定

准教授

楠川 恵津子 サプライチェーンマネジメント、オペレーションズリサーチ、品質管理、システム最適化

講師

森田 大輔 スケジューリング、プロジェクト管理、生産管理

 

杉本キャンパス

研究グループ 職名 氏名 主たる研究内容等
8.電気情報システム 教授 髙橋 秀也 3次元画像入出力システム、ヘッドマウントディスプレイ、ウェアラブルコンピュータ応用システム、次世代内視鏡、生体情報センシング、医用画像処理、医療支援
准教授 宮崎 大介 立体表示システム、光三次元計測、光機能デバイス、光生体計測、高機能画像計測
講師 吉本 佳世 生体情報センシング、医用画像処理、医療支援、3次元計測
9.知能ロボティクス 教授 田窪 朋仁 ロボティクス、運動制御、自律移動ロボット、知能システム
教授 野口 博史 看護工学、IoT、非拘束生理量計測、人間行動計測、センサネットワーク、メカトロニクス、みまもり工学
准教授 辻岡 哲夫 通信システム、Webデータベース、計測システム、無線応用

 

カリキュラム

1年次 幅広い豊かな教養を身につけるため、基幹教育科目を中心に学びます。また、電気電子システム工学科で学ぶ学問全般を理解するための「電気電子システム工学概論」と、専門科目との接続を円滑にするための「電気数学」を履修します。
2年次 基幹教育科目に加え「電気電子システム工学基礎実験」「電気電子システムプログラミング」「電磁気学」「電気回路」「ディジタル信号処理」等の電気電子システム工学の基礎的な専門科目を履修します。
3年次 専門科目を中心に学び、講義・実験・実習・演習などを通して、電気電子システム工学に関する様々な問題を工学的に分析し、問題解決を図る創造性を身につけます。「工学倫理」「環境倫理」では、技術者・研究者としての倫理観を学びます。さらに、産業界で活躍中の方々が講師を務める「エンジニアのためのキャリアデザイン」や「工学部インターンシップ」により、生涯にわたる学びの重要性を理解し、自らのキャリアデザイン能力を高めます。
4年次 「卒業研究」の履修を通して、教員の指導のもと、電気電子システム工学における最先端の研究テーマに取り組みます。また、専門的・技術的な英語能力を養うための「電気電子システム工学技術英語」では、同じ分野の海外研究者とのコミュニケーション能力を身につけ、将来グローバルな舞台で活躍する場合に備えます。

 

研究トピック

電力の安定供給と再エネの連系拡大の両立に貢献する。

電力システム研究グループ

研究対象としている電力システムを取り巻く環境は、再生可能エネルギーの大量導入などにより、めまぐるしく変化してきています。また、電気自動車や蓄電池の普及によってユーザーの電気の使い方が変わるため、将来的には従来の方法では電力システムの運用が難しくなることが予想されます。そこで研究室では、従来の電力系統工学に加えて、システム理論や最適化理論、機械学習などを利用し、様々なエネルギー形態を含む次世代エネルギーシステムをデザインする方法を提案しています。2019年度より国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募する研究事業に採択され、国がめざす再生可能エネルギーの主力電源化に向け、電力系統安定化に必要となる基盤技術の開発を行っています。この研究を通して、将来的に発生する可能性がある系統運用上の問題を適切に把握し、電力の安定供給と再エネの連系拡大の両立に貢献できると考えています。

電力システム研究の様子

太陽光発電設備

エネシステム

再エネシステム運用シミュレータ

 

在学生の声

コンテストでは最優秀賞を受賞。全力で「好き」に打ち込める環境があります。

大阪市立大学 工学部 電気情報工学科 4年生 大平原 誠 さん
奈良県・西大和学園高校 出身

子供の頃から機械いじりが好きだった私は、大学では工学部の門を叩きました。大学の授業はどれも実践に直結する内容で、プログラミングから電気回路までの幅広い授業を通して自分のやりたいことを具現化するための手段を学べました。創作意欲も高まり、2年次では電子通信作品デザインコンテストに応募し、最優秀賞を受賞し、アイコム電子通信工学振興財団から助成を受けることができました。4年次からは、アーチェリー競技支援システムに関する研究に取り組んでいます。中学生の頃からの憧れだったゲーム開発企業から内定も頂けました。自分のやりたいことを追求したい人にとって、この学科は非常に恵まれた環境であることは間違いありません。皆さんも自分の「好き」をとことん突き詰めてください。

大平原 誠さん

 

卒業生の声

仕事に不可欠な学びと挑戦の姿勢を大学時代に身につけることができました。

大阪府立大学 大学院 工学研究科 電気・情報系専攻 博士前期課程 修了 山口 秀 さん
兵庫県立宝塚北高校 出身
勤務先 KDDI株式会社

KDDIのサービスを支えるシステム同士を接続するネットワークの設計構築に携わっています。あらゆるものがネットワークを介して繋がることでサービスが提供されるようになり、ネットワークの重要性の高まりを感じています。大学では電気・情報系を中心に幅広く学び、光通信の効率化に関する研究に取り組みました。研究の過程においても情報通信業界で働くなかでも、通信工学はもとより幅広く学んだことが思わぬところで知識の掛け合わせを生み出し、役立つことがありました。社会人になってからも様々な業務に挑戦してその知見を新たな業務で活かしてきましたが、幅広く学び、新たな挑戦と価値創造をするという基盤は、大学で築けたのではないかと思います。

山口 秀さん

 

主な就職先

三菱電機/川崎重工業/オプテージ/シャープ/ソニー/ダイキン工業/本田技研工業/関西電力/東芝/パナソニック/富士通/KDDI/NTT/大阪ガス/四国電力/国土交通省/住友電気工業/野村総合研究所/トヨタ自動車/デンソー/近畿車輛/日立造船/阪神高速道路/讀賣テレビ放送/タニタ/ヤンマー/シマノ/住友化学 ほか

教育目的

電気電子システム工学に関する基礎知識、専門的知識をとその応用能力、システム設計能力を身に付け、幅広い視野で社会的問題を自らの手で分析し解決していく自主性と、豊かな人間性、高い倫理観をもち、人と環境に優しいスマートコミュニティ社会の発展を担う技術者・研究者となり得る人材を養成する。

学科ポリシー

アドミッション・ポリシー

今日の社会はグローバル化し、高度にネットワーク化された情報化社会へと革新的に移行し続けている。電気電子システム工学科では、このような社会構造の劇的な変化に柔軟に対応し、豊かで快適な日常生活を支え、発展させていくため、電気工学、通信工学、システム工学を基礎とした最先端の電気電子システム工学に関する教育研究を行うことにより、幅広い視野と豊かな人間性、深い教養と厳格な倫理観をもった国際的に活躍できる技術者・研究者を育てることを目標とする。
したがって、電気電子システム工学科では、工学部のアドミッション・ポリシーに加え、次のような学生を求める。

  1. 電気電子システム工学に対する強い関心があり、専門知識と技術を体系的に学び、応用し、社会の発展に貢献する意欲をもっている人
  2. 電気電子システム工学に対する論理的な思考力と豊かな創造力の獲得をめざし、勉学意欲に溢れる人

 

ディプロマ・ポリシー

電気電子システム工学科は、本学科のカリキュラムに沿って、以下の能力を身に付けたものに学士(工学)の学位を授与する。

  1. 豊かな教養を身に付けることにより、電気電子システム工学が、自然や環境、社会や文化とどのような関係をもっているかを理解することができる。
  2. 電気電子システム工学について、基礎知識、専門的知識と技術を体系的に学び、応用できる。
  3. 電気系・システム系・情報通信系の専門的知識を幅広く身に付け、応用できる。
  4. 与えられた制約の下で実験を計画・遂行し、データを適切な方法で取得し、正確に分析し評価するとともに、工学的に考察することができる。
  5. 電気電子システム工学について、日本語で文章を、読み、書くことができ、科学的かつ論理的な議論ができる。
  6. 電気電子システム工学に関する英語の文献を理解し、英語を用いて文章を論理的に記述できる。
  7. 電気電子システム工学について、英語を用いて口頭発表し、討議することができる。
  8. 電気電子システム工学の知識を活用することにより、社会の様々な問題に対して工学的手法を用いて分析することができる。
  9. プログラミングの基礎知識を身に付け、その知識を用いて課題を解決するためにアルゴリズムを創造し、それをプログラミングすることができる。
  10. インターネットなどを用いて、電気電子システム工学に関する科学技術について、情報を収集し、分析し、判断することができる。
  11. 電気電子システム工学の知識を活用することにより、社会の様々な問題を解決するために創造力を発揮することができる。
  12. 電気電子システム工学が社会に及ぼす影響を認識し、技術者が社会に対して負っている責任を自覚し、高い倫理観をもって行動することができる。
  13. 電気電子システム工学の知識を、生涯に亘って、自主的、継続的に学習することができる。

 

カリキュラム・ポリシー

  1. 工学の基礎に根ざした学問の系統性と順次性を尊重して、基幹教育科目(総合教養科目、初年次教育科目、情報リテラシー科目、外国語科目、健康・スポーツ科学科目、基礎教育科目)、及び専門科目(学部共通科目、学科専門科目)により構成される整合性と一貫性をもつ体系化された教育課程を編成する。
  2. 総合教養科目、情報リテラシー科目、外国語科目、健康・スポーツ科学科目の履修により、教養豊かな人間性と幅広い学修成果を修得させ、自然や環境、社会や文化と専門領域の関連を修得させる。基礎教育科目の履修により、工学を学ぶために必要な、自然科学全般についての基盤的知識を修得させる。また、専門科目の中でも、特に電気電子システム工学で必要とされる科目をA群科目、B群科目に指定し、これらにより科学的かつ論理的な議論ができる基礎能力を修得させるとともに、生涯にわたる学びの基礎を築かせる。
  3. 1年次では、幅広い学修を保証し、豊かな教養を身に付けるため、基幹教育科目を中心に配当する。また、電気電子システム工学科で学ぶ学問全般を理解させるため、前期に「電気電子システム工学概論(必修)」を配当して概論的な講義を行うと共に、後期に「電気数学(必修)」を配当することで、2年次以降に学習する専門科目との接続を円滑にする。
  4. 2年次では、初年次の基幹教育科目を中心とする教育で得られた基礎的で幅広い学修成果を、3年次以降の専門科目履修に繋げることを目的として、基幹教育科目に加えて、「電気電子システム工学基礎実験(必修)」「電気電子システムプログラミング(必修)」「電磁気学1B(必修)」「電磁気学2B(選択)」「電気回路1(必修)」「電気回路2(選択)」「ディジタル信号処理(必修)」などの電気電子システム工学科の基礎的な専門科目をA群科目、B群科目に配当し、3年次以降に学習する専門科目への接続を円滑にする。
  5. 3年次では、電気電子システム工学科の専門科目をC群科目として指定し、講義・実験・実習・演習などを通して、電気電子システム工学分野に関する様々な問題を正確に分析し評価するとともに、工学的に考察し、問題解決を図る創造性能力を修得させる。また、学部共通専門科目として「工学倫理(必修)」、「環境倫理(選択)」を配当し、技術者・研究者としての倫理観を修得させる。さらに、「工学部インターンシップ(選択)」や産業界の専門職の方を講師とした「エンジニアのためのキャリアデザイン/経営論(選択)」を配当し、生涯にわたる学びの重要性を理解させるとともに、学生自らのキャリアデザイン能力を修得させる。
  6. 4年次には卒業研究を必修とし、電気電子システム工学科における最先端の研究テーマを設定して学生の研究意欲を高め、系統的な研究指導により基礎的な研究能力を修得させる。卒業研究履修には履修資格を設ける。また、D群科目として専門分野と関連の深い他学科開講科目を指定するとともに、電気電子システム工学科の専門領域に関する「電気電子システム工学技術英語(必修)」を配当し、英語でのコミュニケーション能力を修得させる。

各科目の学修成果は、定期試験、中間試験、レポート、発表等の平常点等で評価することとし、その評価方法の詳細については、授業内容の詳細とあわせてシラバスに記載する。