研究科長/学部長挨拶

研究科長/学部長挨拶

研究科長/学部長挨拶 綿野 哲

綿野 哲

 

2022年4月、大阪府立大学と大阪市立大学が統合し、新しく大阪公立大学が誕生しました。
新大学は、幅広い学問領域を擁する、学生数約1万6千人の全国最大規模の公立総合大学となります。これに伴い、大阪府立大学の工学域・工学研究科と大阪市立大学の工学部・工学研究科が統合し、新しく工学部・工学研究科が誕生しました。国内最大級の規模を誇り、工学の全領域を網羅する学科および分野から構成されています。充実した多様な教育プログラムと最先端の研究により、これからの「ものづくり」や「ことづくり」に貢献でき、世界を舞台に活躍できる実践的かつ国際的な技術者・研究者を育成します。
さて、2020年春、新型コロナウイルスによる未曽有の危機が世界を襲いました。新型コロナウイルスの感染拡大により、経済のみならず教育や人々の日常生活も深刻な打撃を受けました。「ニューノーマル」と呼ばれる「ポストコロナ」の世界では、社会・経済・教育の構造が大きく変化することが予想され、柔軟に対応することが必要となってきます。今後、DX(デジタルトランスフォーメーション)、すなわち、データとデジタル技術を活用してリモート社会に柔軟に対応することはもちろんのこと、ウイルス感染症のパンデミック下においても、教育・研究の水準を担保し、人々が安心して暮らせる社会を作り出すことは、工学の大きな課題となります。医学や薬学と連携し、ウイルスの検知や感染防止を図る技術を開発することに加え、抗ウイルス材料の開発、デジタル技術を活用した通信やコミュニケーション技術の開発、感染リスクを回避する遠隔ロボットの活用、リモート社会に対応したインフラの整備なども工学の重要な役割です。また、環境破壊、地球温暖化、資源枯渇、人口急増と食糧不足など、地球規模の深刻な課題も依然として未解決のままです。これからの工学は、新たな原理や技術を創造するだけでなく、地球と人類の調和を目指し、持続可能な社会の実現にも貢献しなければなりません。


工学部は、航空宇宙工学科、海洋システム工学科、機械工学科、建築学科、都市学科、情報工学科、電気電子システム工学科、電子物理工学科、応用化学科、化学工学科、マテリアル工学科および化学バイオ工学科の12学科で構成され、工学に関わるあらゆる問題を解決できる体制をとっています。基礎から応用へと繋ぐ系統的なカリキュラムにより工学の基礎知識を修得し、また、卒業研究を通じて、各種の問題解決力、 創造力、コミュニケーション能力などを修得します。
工学研究科は、7専攻12分野から構成され、幅広い分野で横断的な最先端の研究を展開しています。また、充実した多様な教育プログラムと最先端の研究を通して高度な専門能力を修得し、豊かな人間性と高い倫理観を持ち合わせ、持続可能な社会の発展と文化の創造に貢献できる技術者、研究者を育成しています。さらに、本学が目指す「高度研究型大学~世界に羽ばたく地域の信頼拠点~」の中心的存在として、産学官連携を促進し、科学技術の発展に貢献していきます。