情報工学科

概要

多様な情報を活用するための
新たな技術を創造する。

情報とは何でしょうか?ひと言で表すなら「ある物事がどんな様子なのかの表現」です。しかし、これだけに留まらず「意思決定をする際の資料や知識」を指すこともあれば、飛行機・車等のエンジンやロボットを思う通りに動かしたり、私たち人間が体を動かしたりするための「指令」も情報と呼ばれます。このように、情報が表すもの、情報が関わるものは多岐に渡ります。
情報工学科の研究・教育の目的は、こうした多岐に渡る情報を伝えたり、自動的に推定したり、大量のデータから取り出したりする技術を新たに作り出すことです。また、これらの技術を駆使して、人々の暮らしを良くするアプリケーションを作り出すことです。
具体的には、情報を伝えるための「情報ネットワーク」や「情報通信技術」、情報を得るのに必要な計算の手続きである「アルゴリズム」の開発、様々なシステムへ自動的に入力を調節して思いのままに動かす「制御」、画像中に映し出された物事の様子や内容を取り出すための「画像認識技術」、大量のデータに隠れている自明でない知識を取り出す「データマイニング」、センサから得られた情報をもとに行動を自動的に決定する「自律ロボット」などが挙げられます。また、これらの情報コンピュータ計算を高速あるいは効率良く行うために必要な「コンピュータの並列処理」も情報工学科が扱う内容に含まれます。

情報工学科 画像認識技術

 

研究グループの構成と教員

中百舌鳥キャンパス

研究グループ 職名 氏名 主たる研究内容等
離散アルゴリズム 教授 宇野 裕之 離散構造とアルゴリズム、組合せ最適化、計算複雑さ、データ構造、ネットワーク解析、システムモデリング
助教 木谷 裕紀 組合せゲーム理論、アルゴリズム設計論、不完全情報ゲーム、アルゴリズム論的ゲーム理論
社会情報学 准教授 北條 仁志 信頼性工学、ゲーム理論、オペレーションズ・リサーチ、確率モデル、意思決定
人間情報システム 教授 本多 克宏 データ解析、クラスター分析、知識発見
准教授 生方 誠希 データ解析、ソフトコンピューティング、ラフ集合理論、知識発見
計算知能 教授 能島 裕介 進化型計算、知識獲得、多目的最適化
准教授 増山 直輝 継続学習、クラスタリング、知識抽出、教師なし学習
創発ソフトウェア 教授 森 直樹 機械学習、感性工学、ソフトウェア工学、進化型計算
知的信号処理 教授 吉岡 理文 知的信号処理、画像処理、パターン検出
准教授 井上 勝文 画像センシング、パターン認識、機械学習、行動認識、ジェスチャー認識
知能メディア処理 教授 黄瀬 浩一 知能メディア処理、文書情報処理、文書画像解析、物体認識、行動解析、学習支援
教授 岩村 雅一 知能メディア処理、文字・物体認識、深層学習、視覚障害者支援
准教授 内海 ゆづ子 知能メディア処理、パターン認識、植物画像処理
知的ネットワーキング 教授 戸出 英樹 インテリジェントネットワーキング、ネットワーク品質制御、コンテンツ配信制御、ブロードバンドネットワーキング、セキュアネットワーキング
准教授 谷川 陽祐 インテリジェントネットワーキング、無線ネットワーク品質制御、無線メディアアクセス制御
先進的計算基盤 教授 藤本 典幸 高性能計算、GPUコンピューティング、離散最適化、グリッドコンピューティング
講師 勝間 亮 センシング、アドホックネットワーク、モバイルコンピューティング

 

杉本キャンパス

研究グループ 職名 氏名 主たる研究内容等
通信基盤 教授 中野 賢 情報ネットワーク、分子通信、バイオインスパイアードネットワーク、ソーシャルネットワーク、生命科学
准教授 TRAN Thi Hong ブロックチェーン、分散型アプリケーション(Dapp)、暗号化ハッシュ関数、FPGA、組み込みハードウェアアクセラレータ
スマートプラットフォーム 教授 阿多 信吾 ネットワークアーキテクチャ、トラヒック分析、ネットワーク運用管理、ネットワークプログラマビリティ
准教授 藤本 まなと ユビキタスコンピューティング、IoT (Internet of Things)、無線通信、センシング、高齢者支援
確率的情報処理 教授 大野 修一 ディジタル通信、信号処理、データ解析、機械学習
制御・人工知能 教授 蔡 凱 制御理論、離散事象システム、サイバーフィジカルシステム、サイバーセキュリティ、マルチエージェントシステム、ネットワーク構造、深層強化学習、分散アルゴリズム、数理モデル
講師 YINGYING Liu サイバーフィジカルシステム、データ駆動型、スーパバイザ制御理論
講師 上野 敦志 人工知能、強化学習、自然言語処理

カリキュラム

情報工学科では、情報処理技術に関するソフトウェアとハードウェアの基礎的知識およびその応用能力の獲得をめざします。そして、情報を高度に活用する技術を扱うにふさわしい、豊かな人間性と倫理観をもった人材を育成します。

1年次 共通教育科目の学修を通じて、豊かな教養を身に付けることをめざします。それと同時に、専門基礎科目の学修を開始し、4年間の学士課程教育の基礎の構築をめざします。さらに、「情報工学基礎演習」で情報工学全般について概論的な内容を学び、2年次以降に学習する専門科目との接続を円滑に行います。
2年次 専門基礎科目と各課程の基礎的な専門科目を中心に学ぶことで、初年次の教育で得られた基礎的で幅広い学修成果を3年次以降の専門科目履修に繋げます。そして、入門的な課程専門科目の学修を通じて、3年次以降に学習する専門科目に円滑な接続をめざします。
3年次 専門科目の講義・実験・実習・演習を通して、情報・知能分野の専門知識を獲得し、問題発
見、問題解決、モデル化・定式化に応用できる能力を育成します。
4年次 卒業研究を通じて情報工学における最先端の研究テーマに触れ、学生の研究意欲を高めるとともに、系統的な研究指導により基礎的な研究能力を育成します。

 

研究トピック

人間の観測では不可能な複雑な植物のかたちを画像で測る。

知能メディア処理研究グループ

植物の花・茎・根・実などの形状を、画像を使って計測する植物画像処理の研究をしています。植物学では、近年、遺伝子シークエンサーの発達により、植物の持つ遺伝子の並びは比較的簡単に読めるようになりました。しかし、その遺伝子が何を表現しているかまでは分かっていません。そこで、遺伝子とそれに対応する植物の生理的な機能や形状の特徴を見つけることが研究されています。しかし、植物は細い枝や薄い葉が複雑に入り組んだ構造を持っていることから、必要な形状の情報を計測するのは簡単ではありません。
そこで、植物の形状を簡単に測れるように、コンピュータビジョン・パターン認識などの画像認識技術を駆使して植物の形状の情報を自動的に抽出しています。また、人の観測では不可能であった複雑な形状を持つ植物の計測にも挑戦し、植物学での新たな知見の発見につながる技術の開発を行っています。

植物の花・茎・根・実の画像を使用して計測する画像処理イメージ

在学生の声

自分のコンテンツ力を世界に発信。時代をも書き“変える”ことのできる学科です。

大阪府立大学 工学域 電気電子系学類 情報工学課程 4年生 東村 理功 さん
大阪府立大手前高校 出身

もともと「心理学」「脳科学」など、人間の知能に興味がありました。情報工学科であればどんな分野にでもアプローチできることを知り、進学を決意しました。大学に入るまでプログラミングに触れたことがありませんでしたが、演習授業で学び、現在は研究室でスマホアプリの開発と機械学習による解析を行なっています。情報工学科の最も良いところは、学んだ知識が勉学のみならず、学外活動にもすぐに活かせる点。私の例では、学外で学生団体を創設し、人を集める必要がありました。そこで、学んだ知識を活かしウェブサイトを自ら制作することで課題解決できました。ご存知の通り、他の分野と違ってITの世界は若いです。そのため、若いうちから時代をも書き“変える”ことのできる学科だと考えています。

東村 理功さん

 

"情報"から繋がる様々な世界。その広がりは無限大です。

大阪市立大学 工学部 電気情報工学科 4年生 木村 真 さん
大阪府・開明高校 出身

近年AIなどのIT技術の発達が加速しています。より身近にIT技術を感じることが増え、その素晴らしさに感動したことをきっかけに、自分もIT技術に携われるような仕事がしたいと電気情報工学科に進学しました。最初は、"情報"という大まかなイメージしか持っていませんでした。けれども講義を通して、機械学習や制御などの様々な分野と大きな繋がりがあることを知り、情報学の奥深さを実感。1年生から3年生前期までは"情報"に関連する様々な専門分野を学習し、3年生後期からは先行配属でシステム制御を学ぶ研究室に所属しました。現在は、物流倉庫内で人間とロボットが共存するhuman in the loopについての研究を進めています。同大学院へ進学する予定なので、より一層深い研究ができるように頑張りたいです。

木村 真さん

 

主な就職先

パナソニック/日立製作所/川崎重工/キヤノン/ソニー/三菱電機/NEC/富士通/リコー/オムロン/京セラ/シャープ/トヨタ自動車/デンソー/本田技研工業/SUBARU/ヤフー/ドワンゴ/DeNA/NTTグループ/ソフトバンク/KDDI/関西電力/大阪ガス/NHK/テレビ朝日/日本総合研究所/野村総合研究所/経産省/総務省 ほか

教育目的

様々な自然・人工システムにおいて適切な観測を行い、得られた生のデータや信号から有益な「情報」を抽出し、そこから創造される「知」に基づいてシステムをデザインするという、「情報」の生成から利活用までの一連のサイクルの構築に係る工学的方法論について、情報処理・情報通信技術の基礎知識、専門知識を身につけ、社会的問題を自らの手で分析し解決していく自主性と高い倫理観を持った人材を養成する。

学科ポリシー

アドミッション・ポリシー

高度にグローバル化・ネットワーク化された情報化社会の発展に貢献するためには、情報と通信の劇的な変化に柔軟に対応していくことが必要である。そのために情報工学科では、情報の伝送・収集・蓄積から分析・活用に至るプロセスの理解を通して、基礎から最先端までの幅広い視野にたって情報工学の教育・研究を行うことにより、豊かな人間性と高い倫理観、論理的な思考力を併せ持つ活力のある情報技術者・研究者を育てることを目標とする。
したがって、情報工学科では、工学部のアドミッション・ポリシーに加え、次のような学生を求める。

  1. 情報工学の基礎から応用について強い関心があり、グローバル化・ネットワーク化された情報化社会の発展に寄与しようとする意欲を持っている人
  2. 新しい情報通信技術を創出するための論理的な思考力と柔軟な創造力の獲得をめざして、向学心に溢れる人
  3. 情報工学に関する専門知識と技術を基に、国際的視野をもって豊かな社会の構築に貢献できる人
  4. 高い倫理観を持ち、情報技術を利用して社会の諸問題の解決に意欲的に取り組める人

 

ディプロマ・ポリシー

情報工学科は、本学科のカリキュラムに沿って、以下の能力を身に付けたものに学士(工学)の学位を授与する。

  1. 豊かな教養を身に付けることにより、情報工学の専門領域において、自然や環境、社会や文化とどのような関係をもっているかを、理解することができる。
  2. 情報工学の専門知識と技術を体系的に学び、応用できる。
  3. 日本語で、情報工学に関連する文章を、読み、書くことができ、科学的論理的な議論ができる。
  4. 情報工学について、英語を用いて論理的な文章を、読み、書き、口頭発表し、討議することができる。
  5. 情報工学に関する専門知識を利用することにより、社会の様々な問題を工学的手法を用いて分析することができる。
  6. インターネットなどを用いて、情報工学の専門に関する情報を収集し、分析し、判断することができる。
  7. コンピュータに代表される情報処理システムをモデル化して解析し、設計することができる。
  8. インターネットに代表される通信ネットワークシステムをモデル化して解析し、設計することができる。
  9. 情報工学が社会に及ぼす影響を認識するとともに、技術者が社会に対して負っている責任を自覚し、高い倫理観をもって行動することができる。
  10. 情報工学について、生涯に亘って、自主的、継続的に学習することができる。
  11. 情報処理・情報通信技術の基礎知識とそれらを応用することができる。
  12. 情報処理・情報通信技術の専門知識を深く修得するとともに、それらを応用することができる。
  13. 社会的なニーズを分析して新たな問題を自ら見つけだし、モデル化・定式化するとともに、得られた結果をシステムやソフトウェアの要求仕様の形で表現し、解決することができる。
  14. 与えられた条件下で計画的に学習・研究を進め、工程を管理することができる。

 

カリキュラム・ポリシー

  1. 工学部のカリキュラム・ポリシーのもと、教育課程編成を行う。
  2. 工学の基礎に根ざした学問の系統性と順次性を尊重し、総合教養科目、基礎教育科目、並びに専門科目により構成される整合性・一貫性を持つ体系化された教育課程を編成する。
  3. 総合教養科目の履修により、教養豊かな人間性と幅広い学修成果を修得させる。基礎教育科目の履修により、工学を学ぶために必要な、自然科学全般についての基盤的知識を修得させるとともに、生涯にわたる学びの基礎を築かせる。
  4. 情報工学の専門的な知識を修得するため、計算機科学、情報処理工学および情報通信工学に関連する専門教育科目(講義、実験・演習) を提供する。実験および演習は、情報工学に関連するさまざまな課題に取り組み、情報の基礎的な理解と素養の向上、および、課題解決の方法を自ら設定し、論理的思考で結論を導ける能力を養う。
  5. 数学(微積分、線形代数)および基礎物理学などの基礎教育科目を提供し、工学の技術者として必須の自然科学分野における基礎学力を養成する。
  6. 外国語科目および卒業研究を通じ、国際的な視野、グローバルな語学力およびコミュニケーション能力、表現能力を身につける。
  7. 1年次では、学生の幅広い学修を保証し、豊かな教養を身に付けさせるため、総合教養科目を中心に配当する。同時に、4年間の学士課程教育の基礎を構築するため、基礎教育科目を適切に配当する。また、これから学修する情報工学の技術がどのように活用されているかを理解するため、導入科目を配当する。
  8. 2年次では、1年次の総合教養科目と基礎教育科目を中心とする教育で得られた基礎的で幅広い学修成果を、3年次以降の専門科目履修に繋げることを目的として、基礎教育科目と基礎的な専門科目を中心に配当する。さらに、3年次に、「工学倫理(必修)」、「環境倫理(選択)」を配当し、技術者・研究者としての倫理観を涵養する。
  9. 3年次以降では、計算機アーキテクチャやソフトウェア工学、情報工学実験1および情報工学実験2などの専門科目を中心に配当し、講義・実験・実習・演習などを通して、情報工学の専門に関する情報を収集分析し判断する能力、情報処理システムや通信ネットワークシステムをモデル化して解析し設計する能力を身に付けさせ、情報工学に関する問題解決に応用できる能力を育成する。
  10. 4年次には卒業研究を必修とし、情報工学における最先端の研究テーマを設定して学生の研究意欲を高め、系統的な研究指導により基礎的な研究能力を育成する。自ら設定した未解決な研究課題のもと、問題解決に必要とされる社会的なニーズを分析して専門知識の集積と論理的展開能力を駆使し、計画的に作業工程を管理し課題を解決して成果をまとめることができる総合的能力を養う。卒業研究履修には、履修資格を設ける。

各科目の学修成果は、定期試験、中間試験、レポート、発表等の平常点等で評価することとし、その評価方法の詳細については、授業内容の詳細とあわせてシラバスに記載する。