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環境エネルギー領域では、エネルギーの発生・損失のメカニズムやその利用効率の向上・制御などに関する教育・研究を行っています。具体的には、(1)熱や水蒸気,複雑流体の移動現象をベースとした生産設備や機器開発に関する熱プロセス工学分野(2)流体輸送の効率化や再生エネルギーの活用に関する環境熱工学分野(3)表面張力が関わる流動現象やミクロスケールでの流体運動等に関する流体物理学分野(4)界面ダイナミクス、カオス力学系、反応拡散系の理論解析等に関する応用数学分野の4つの分野があります。本領域の特色は、一般的なマクロスケールでの熱流体機械の研究・開発に加えて、ミクロスケールでの各種デバイスの開発や流動現象の解明、自己組織化や各種不安定現象の数理モデルの構築などにも意欲的に取り組んでいるところです。
食品や農産物、機械部品、化学製品などの製造や加工の際には、製品の品質向上と同時に、省エネルギー化や環境負荷の低減が求められます。そこで高温の水蒸気(過熱水蒸気)や水、空気の温度・湿度を上手く利用した、新しい加工方法の開発や製造技術の高度化に取り組んでいます。人々のQOL向上と持続可能な社会の実現のために、学際領域の新たな活動にも挑戦しています。
管内を流れる液体にある種の界面活性剤を添加すると乱れの生成が抑制され、流動抵抗が著しく低減されます。この現象を解明して、より効率的な抵抗低減法を探求する他、防波堤を利用した新たな波力発電システムの開発などを行い、流体輸送の省エネルギー化や再生エネルギーの利用を促進する研究を行っています。
固体面への液滴や粒子の「付着」の力学を考察して、固体面上の液滴を自由に移動させる技術の開発や空気噴流を利用したミクロンサイズの粒子の除去法などを開発しています。また、固体面と流体の相互作用を分子動力学法等で計算し、サブミクロンスケールでの流体の運動や摩擦抵抗の発生機構等を解明する研究を行っています。
応用数学研究室では、スパースモデリングや機械学習を用いたデータ解析、流体不安定性に生じる渦層および界面のダイナミクス、反応拡散系におけるパターン形成等の理論的研究を行っています。数理モデルを作成し、それらを数値計算して、現象の再現や、背後にある数学的構造の解析を行います。
システムダイナミクス領域では、振動工学、制御工学、ロボット運動学、計測評価工学、知的材料工学などの専門知識に関する教育と、先進機械システムや知的材料・デバイスの設計、製作、運用、評価・診断に関する研究を行っています。現在は、社会インフラや機械システムの不具合を早期に発見する診断、構造物の安全性確保のための非破壊材料評価、環境負荷低減のためのエンジン制御、各種のロボットの開発、生体を対象とした計測・評価、磁気粘性流体を利用した新たなデバイスの開発などに取り組んでいます。
人間と機械が協調するガイドロボットや作業を行うマルチコプタの研究・開発,人の運動をアシストする外骨格ロボットや支援装置の研究・開発、人の運動・脳活動を計測し、解析するための手法・技術の研究・開発を行っています
材料や構造物の非破壊評価、振動の制御について研究。例えば高品質なCFRPを効率よく成形するために超音波を用いて樹脂の流動や硬化をモニタリングする手法の研究や、磁気粘性流体を利用して振動を制御する小型ダンパの開発などに取り組んでいます。
低燃費でクリーンな究極的な自動車の開発を目標として、さまざまなシステム構築や制御理論を駆使して、エンジンや変速機の最適化制御に関する研究を行っています。また、画像情報だけを用いた自動運転車両の制御開発についても取り組んでいます。
調査や点検のために、水中や橋梁下部などの人が入りこみにくい場所で活躍できる小型移動ロボットを開発研究しています。水中ロボットや空中ロボットでは、推力向上のために数値流体力学で解析しています。また、血液の流れなどの生体機能に関わる研究も行っています。
マテリアルデザイン領域では、現代の多様な工業分野の発展において重要な因子である「材料」に関する教育・研究を提供しています。原子レベルの構造制御とその過程の探究、ナノ・ミクロスケールでの構造制御や物性評価、材料の損傷過程の解明、不均一変形の計測や理解、複合材料のインテリジェントな成型と評価などに取り組んでおり、世界的にも注目され、材料研究の分野をリードしています。本領域の5つの研究分野で対象としているのは、金属材料、無機材料、高分子材料、複合材料、抗菌機能材料などの多岐にわたり、機械材料の多くを網羅しています。
固体結晶内で励起された電子系が示す物性や緩和する過程において発現する結晶構造の変化に関する基礎研究と共に、電子励起を利用した超精密加工・新物質創成の技術基盤の開発を推進しています。また、微生物が引き起こす材料腐食(微生物腐食)や抗菌性金属材料の開発など、微生物と材料の相互作用に関する研究も行っています。
チタン合金、マグネシウム合金や炭素繊維等の構造・機能材料および生体用材料の弾性・塑性変形等の力学特性およびそれらの新規な評価方法の構築、材料の相転移挙動に関する研究を行っています。さらには、電気めっきを用いる機能性薄膜の作製・組織制御に対する研究を実施しています。
材料にセンサを埋め込んで、センシング機能を持った新しい材料の開発に関する研究を展開。軽量で強度が高い複合材料と、極めて細く容易に材料に埋め込める光ファイバセンサを一体化することで、センシング機能を持つ新しい高機能材料の開発をめざしています。
社会基盤を支える最も基本的な材料である金属材料や高分子材料が研究対象。ナノテクノロジーを用いた高強度の超微細結晶材料やナノ多層膜の開発、格子欠陥配列を電子顕微鏡で観察する技術、材料の不均一変形の評価、均質化法有限要素法解析などに取り組みます。
コンピュータシミュレーションを用いて電子・原子レベルで材料の表面・界面における構造・現象を解明し、理論に基づく機械システム設計を実現することを目指しています。特に、発電機・宇宙機器・自動車等のトライボロジーを対象とし、超低摩擦表面・界面の創成に取り組んでいます。