診療グループ

診療グループ

代謝・内分泌

濱崎 考史、岡本 駿吾、北山 称、松谷 恵里、新宅 治夫

新生児マススクリーニング対象疾患の精査機関として、フェニルケトン尿症などのアミノ酸代謝異常症、ガラクトース血症などの糖代謝異常症、タンデムマスにて発見されうる有機酸・脂肪酸代謝異常症、先天性甲状腺機能低下症、副腎皮質過形成症を診療しています。ムコ多糖症・ポンペ病・ゴーシェ病・ファブリ病などのライソゾーム疾患、メンケス病・ウィルソン病など金属代謝異常症に対応し診療しています。

これらの診断する上で必要にもかかわらず一般的には行えない検査項目については、全国の医療機関からの依頼も受けています。主な項目としては、プテリジン分析、ビオプテリン関連酵素(DHPR, SRなど)、ガラクトース関連酵素、ライソゾーム関連酵素、の測定があります。


小児血液腫瘍

時政 定雄、曽我部 茉耶

血液グループは、白血病・悪性リンパ腫などの血液悪性腫瘍、脳腫瘍・神経芽腫などの固形腫瘍、再生不良性貧血・特発性血小板減少性紫斑病や好中球減少症などの血液非悪性疾患、全身性エリテマトーデス・若年性特発性関節炎などの膠原病を診療しています。また、骨肉腫・ユーイング肉腫・横紋筋肉腫などの骨軟部腫瘍も整形外科と連携して診療を行っています。さらに最近始まった先天性免疫不全症のマススクリーニング陽性者の精査を行っています。

小児がん経験者の様々な晩期合併症を予防・治療・支援するための長期フォローアップの専門外来を開いています。

地域の質の高い小児がん医療および支援を提供し、一定程度の医療資源の集約化を図るため、厚生労働省健康局長通知「小児がん拠点病院等の整備について」に基づき、全国の小児がん拠点病院により小児がん連携病院が2019年に指定され、当院は近畿ブロックの連携病院のひとつとして指定されています。


小児糖尿病

柚山 賀彦、西川 直子、須永 紋奈、大梅 成崇

皮下センサーと連動したインスリンポンプ(SAP)など、劇的に進歩する糖尿病治療の先進的なデバイス導入を積極的に実施しています。また、患者本人や家族の心のサポートのため、動機づけ面接を積極的に診療へと取り入れ、患者主体の医療を実現できるよう日々研究に取り組んでいます。小児糖尿病患者数は全国随一であり、新生児期から高齢者に至るまで幅広く、長期に亘ったフォローができます。

患者支援として、当科所属の患者会「大阪杉の子会」が主体となり、Webを使用したオンライン交流会や、1型糖尿病の先輩・著名人等を招いた日帰りイベントを随時開催しています。糖尿病を持つ子どもたちや家族とのつながりを絶やさず、一人ひとりが自分らしく生きていけるような支援を続けています。

Webコンテンツの拡充を引き続き進めており、繰り返し視聴できることがいつでもどこでも患者支援を行える環境作成の一助となっています。オンラインツールの発展により、これまでアプローチできなかった全国の患者さんともつながることができるようになりました。


小児神経

佐久間 悟、服部 妙香、匹田 典克、矢崎 耕太郎、宮下 光洋、土肥 周平

神経グループでは、てんかんなどのけいれん性疾患、脳炎・脳症、脊髄性筋萎縮症、重症筋無力症などの神経筋疾患、先天代謝異常症や染色体異常症に伴う中枢神経障害などの小児神経疾患を中心に診療しています。当院てんかんセンターは、日本てんかん学会認定の包括的てんかん専門医療施設であり、15歳以下の小児てんかんは当科で包括的な診療を行っています。薬物抵抗性てんかんには、脳波検査、入院による長時間ビデオ脳波モニタリング検査、脳磁図(MEG)、MRI、SPECT、PETなど画像診断検査などを行った上で、てんかんセンターカンファレンスで討議し、脳神経外科によるてんかん外科手術に対応しております。その他、臨床心理士による心理発達検査等が可能であり、脊髄性筋萎縮症の遺伝子治療可能施設です。

尚、日本小児神経学会、日本てんかん学会、日本臨床神経生理学会(脳波分野)の専門医研修指定施設となっています。


新生児

大西 聡、冬木 真規子、田中 えみ、野々村 光穂、新井 那摘、福井 秀吉、新宅 治夫、濱崎 考史

当院NICUは2010年に地域周産期母子医療センターに認定されており、NICU9床、GCU12床で運用しています。超低出生体重児から人工呼吸管理、一酸化窒素療法、血液透析、小児外科、小児脳神経外科疾患等の診療に対応しています。言葉で訴えることのできない赤ちゃんにトータルケアを行い、より優しい支援をできる体制を医師・看護師一体となって取り組んでいます。外来では、発育・発達フォローアップを行い、時期に応じた支援やアドバイスを行っています。大阪府内において大阪新生児診療相互援助システム(NMCS)の参加施設であり、府内の新生児搬送システムやNICU入院について各施設と連携を図り、新生児医療の向上に努めています。また日本周産期新生児医学会の周産期専門医(新生児)の認定施設であり、専門医取得をすることができます。


小児アレルギー

濱崎 考史、春日 彩季、山本 菜穂、小野 未侑

アトピー性皮膚炎

重症アトピー性皮膚炎の患者様の教育入院を行っております。数日〜1-2週間程度での寛解を目標に治療を行っています。

食物アレルギー・食物経口負荷試験

栄養部のご協力のもと、入院・外来での食物経口負荷試験を行っています。

気管支喘息

外来でFeNO、スパイロメトリー、気道可逆性試験、気道過敏性試験や気道抵抗検査、運動負荷試験などの検査により状態を把握し、重症喘息患者に対しては生物学的製剤による治療を行っています。

アレルギー性鼻炎・その他薬剤アレルギーなど

当院耳鼻咽喉科のご協力のもと、5歳以上のアレルギー性鼻炎に対するダニ・スギの舌下免疫療法や、重症スギ花粉症に対する生物学的製剤による治療を行っております。薬剤アレルギーにつきましては入院でのプリックテスト、舌下・経口投与試験を行っています。 


在宅医療

新宅 治夫、濱崎 考史、山下 朋代、冬木 真規子

新生児科長期入院児や在宅医療を導入するお子さまの新生児科から小児科への転棟転科を行っています。さらに在宅医療が必要な児は退院前カンファレンスも実施しています。また在宅医、訪問看護、保健師などの皆様と連絡しあい退院後も地域カンファレンスを実施しています。


小児循環器

村上 洋介、丸山 和歌子

毎週月曜日に循環器外来を担当しています。大阪市学校心臓検診の3次検診精密検査を受け持っています。先天性心疾患の胎児診断については産科の依頼に応じて実施しています。手術やカテーテル治療が必要な場合は、大阪市立総合医療センターが受け皿となり治療しています。


小児精神

濱崎 考史、柿下 優衣

基礎疾患を持ち、当科で診療を受けている患者様の発達や併存する精神疾患を対象として診療を行っております。また、大阪市の4,5歳児健診の後送施設として発達が気になるお子さまの診断・アセスメントを行なっています。当院精神科と連携しながら摂食障害の入院治療や、院内のChild Protection Teamとしての活動も行っています。


臨床遺伝

瀬戸 俊之、堀田 純子、山下 朋代、馬場 遥香*、浄弘 裕紀子*、小野 智愛*、酒井 恵利*(* 遺伝カウンセラー)

「小児ゲノム診療外来」として院内外の紹介患者さんを診療し、遺伝性疾患の再診、遺伝カウンセリングを行っています。小児科・新生児科領域は遺伝子異常に起因する疾患が多くを占めますが、通常の診療で遺伝子解析が求められることも増えてきました。我々はすべての小児領域における診断および研究目的の遺伝子解析を念頭におき、その施行ならびに遺伝カウンセリングを担当しています。

本学は臨床遺伝専門医の認定研修施設であり、専門医取得希望者に対して研修教育も行っています。